「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

平安時代を舞台に探偵ものとして菅原道真と在原業平をコンビに据えた作品。史実でもこの二人が親友だったというのはこの作品で知ったところで驚きました。無愛想で頭がキレる道真とチョイ悪渋いオヤジとして描かれる業平の掛け合いが楽しい。時代考証の専門家が付いているので、リアルな雰囲気が良く出ているところも長所。絵柄はあまり好みではないが画力の高さも感じます。ただ一つ一つの事件がこの時代の限界という部分もあって、毎回人を犯人とするとどうしても地味になってしまっているのは残念な部分。だからこそ2巻で藤原摂関家との権力闘争要素も加えようとして来ていますが、史実でも分かる通りに敗れて終わってしまう部分なので扱いの難しさをどう乗り切るのか今後に注目したいです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2014-12-14 16:18:24] [修正:2014-12-14 16:18:24] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

本当に直木賞作家原作かよってほどお下劣で主人公がただの気持ち悪いデブというのは意表を突かれました。一話完結型で様々な心の病の人間が登場しますが、この主人公は引っ掻き回すだけで治療を狙っていた訳でもない、でも結果的に解決してしまうのが毎回です。正直ホラー漫画系の絵柄もあって引いてた上に途中で切ろうか迷ったのですが、慣れてくるとコメディとしてだんだん面白みを感じるようになって来ました。最終回で言っていた精神的な悩みなんて命の危機があれば即解決するだけのしょうもないもの(ある種の贅沢病)という問題提起には一理あるなと思いました。当人にはそれぞれ辛いものではあるから完全に肯定はできませんが。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-14 15:35:58] [修正:2014-12-14 15:35:58] [このレビューのURL]

「怪物王女」でも存在した一話完結推理話を怪物から人間を犯人にして、片方が情報を集めて、片方が推理するという王道的コンビもの作品。不定期連載のおかげで一話、一話が練られている感じがして推理が意外に本格的です。決定的な手がかり提示に探偵役が超常能力を用いるので読者に推理しろと言っても無理な話ですが、解答を聞くだけでも面白いです。しかしキャラがどうにも怪物王女に比べると立ってない感じがします。今後も不定期連載な感じなので定期的に質の良い話が読めればありがたいなと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-14 15:16:47] [修正:2014-12-14 15:16:47] [このレビューのURL]

たった2巻とは思えないほど古典的名作を上手に要約してダイジェストしているであろう作品。歴史漫画が得意な作者らしく意外に本格派で分かりやすい背景解説がなされています。男キャラがブサイクばかりで、ヒロイン達は別作品の人物じゃないのかってほど絵柄にギャップがあるのも面白かったです。たまに寒すぎるギャグがあるのはマイナスですが、笑えるのもありました。悲惨な物語の悲惨さを軽減する効果もありましたし。ただ、ラストは作者もあとがきで言うように重要人物を生存させてかつ明るい方向の終わり方というニュアンスを変えた重大な変更点があります。ここは個人的にはこれまで通りに徹底すれば良かったのではと少し残念に感じました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-14 15:04:38] [修正:2014-12-14 15:04:38] [このレビューのURL]

8点 アルテ

女性差別が現在よりも遥かに強い中世ルネサンス時代に画家になって、自立を目指す主人公の成長物語。まずほぼ新人というのが信じられないくらい画力が高いです。風景描写が上手いので当時の世界に引き込まれるのは好ポイント。当時の世界観を作者がかなり勉強している感じで、物語作りも完成度が高くて引きつけられます。主人公アルテのキャラが魅力的なのが良いです。ウザさを感じないギリギリのラインで前向き。まだ2巻ですが先が気になります。ただ、自立がテーマなのですがアルテが早い頃に師匠に惚れてしまうので、そこにどう結論を出すのか、齟齬を生じないように展開させるのか、ここが腕の見せどころになるのではと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-14 14:54:30] [修正:2014-12-14 14:54:30] [このレビューのURL]

前作終盤に登場した九音響也を主人公に迎えて、場所を
変えて始まる続編ながら仕切り直しのコンシェルジュ。

心理士である九音の
心理学解説が薀蓄に加わったのは長所だと思います。
ただ全体的にキャラが弱いですね。九音はじめ悪いキャラじゃないんですが、作者自認のように天才なわけでそこを前作主人公の
涼子における等身大の成長を描く軸話に比べると落ちるかと。
活躍が九音凄いねにしかなりませんし。
どっちかというと推理漫画ではって話も多いです。
前作のキャラがちょこちょこ出てきている辺りにも既存キャラの
弱さを感じたりします(このサービス自体は嬉しいですが)。

商店街の振興という話も軸なわけですが、前作の外資に脅かされたり、支社の経営を見直し出向、外国に研修という話に比べるとやはりこじんまり
してるかなと。身内の敵扱いだった専務ともなんだかんだで利害協調路線にはやくもなったので盛り上がり欠く感が。仲間でありながらときに経営的視点で対立もある前作松岡社長の方が魅力を感じます(彼の意見は正論そのものでしたし。経営者やるなとも思いました)。

それに本作は現実とのモデル人物が頻繁に登場する上に露骨でした。前作の後半くらいに兆候はあったのですが、本作は一字違いの名前・顔まで同じにして特定の人物を賛美したり(美化描写)、叩いていました(醜く描く描写)。その人物への感想は人それぞれな訳で、名前を完全変更して外見を変えるなり、多少でもオブラートに包むべきではないかと思いました。

役に立つ知識や見解はありましたが、全体的に前作の方がずっと良かったという感想になってしまうのが残念でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-03-07 19:05:20] [修正:2014-12-14 06:27:02] [このレビューのURL]

7点 NOiSE

「ブラム」の前日談で世界観の補足がかなりなされているので、「ブラム」を読んでいるならば必須の作品だと思います。「ブラム」の序盤(3巻まで程度)を読み終えた辺りで読むのがタイミング的におすすめです。単体での出来より「ブラム」あってこそだとは思いますが、かなりの面白さを感じました。「ブラム」の読み切り時代の作品も巻末にありましたが、そのレベルは連載版よりかなり低いので作者の成長に驚きました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-12-12 19:40:32] [修正:2014-12-12 19:40:32] [このレビューのURL]

8点 BLAME!

無口主人公が巨大建造物を探索して、バケモノとバトル
する話。SF漫画ですが質的には最高峰だと思います。セリフが極端に少なく難解なのは事実ですが、作者の頭の中にはしっかりしたものがあるのだろうなというのは感じました。細かい部分はともかく大体は読み進めれば分かって来ます。これの前日談の「ノイズ」と合わせて読めばそれなりの理解は出来ると思います。

特に画力の高さ、センスが素晴らしいです。一枚絵で巨大建造物を描くシーンはスケールの大きさに引き込まれます。バケモノは本当に不気味ですし、その戦いもビームが建造物を貫通しまくるなどスケールとセンスがあります。セリフが少ないからこそ話のテンポは良くて全10巻ですが、体感はもっと短く読めるのも長所です。ストーリーも一見淡々としている割になかなか先が読めずに(何度も死ぬヒロインなど)続きが気になり熱中度がありました。

欠点としては時々絵的に何やっているのか分かりにくいところですね。世界観の理解よりもそちらが個人的には気になりました。漫画好きとして一見の価値があるだけの作品だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-12-12 19:33:38] [修正:2014-12-12 19:33:38] [このレビューのURL]

前作の「マサルさん」が駄目だったけど、この作品はどうだろうと思って、最初の数話読んだらノリが一緒で全然合いませんでした。ギャグと感じずに「?」となるだけです。作者の作品はもう読めないと分かったことだけが収穫でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-06 12:54:45] [修正:2014-12-06 12:54:45] [このレビューのURL]

時事の古さを考慮しても今なお読むに値する柔道漫画ではないかと。堅くなりがちな柔道を題材にライトな要素を取り入れて副題にある「ニューウェーブ」を実現した内容だと思います。当時だったらもっと軽く感じただろうなってほどの部活での爽やかさは今なお独自のものだと思います。主人公がこの手の漫画で珍しい彼女持ちですし、他キャラについて恋愛ネタも結構あります(古き良き時代らしくピュアそのものですが)。キャラもそれぞれ灰汁がある人間がいないのには、多少物足りなさがありますが立っていました。ギャグに古さを感じないと言えば嘘になるところもありますが、それでも笑えるのもありましたし、良い息抜きになりました(特に別所さんのお守りネタが爆笑でした)。

さらに特筆すべきところは、作者が柔道に造形が深いので本格的で分かりやすい解説、見やすい描写、多彩な技(かといってこれは非現実過ぎるというのは排除されている)、一試合ごとに時間をかけないでテンポが良い、質を求める練習内容や猛特訓している光景も頻繁にある(軽さを取り入れるとこいつらいつ練習しているのか的なスポーツ漫画もたくさんあるので)など柔道漫画として本格派の要素もしっかり感じました。全30巻あるのに引き伸ばし感がなく綺麗に完結しています。

少し迫力に欠いてしまう絵柄、キャラ描き分けの少なさ、こんなに上手く行くかよって部分(それで対戦結果が読めやすくなるところがある)はありますが、それでも総合的に名作漫画と呼べるレベルは揺るがないと思います。日本柔道界の斜陽においてもまだまだ健在だった時代なのに予言しており、それも今読んでみて作者の見識が素晴らしいと感じた箇所です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-03 03:17:07] [修正:2014-12-03 03:24:19] [このレビューのURL]

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