「鋼鉄くらげ」さんのページ

総レビュー数: 292レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年10月28日

序盤、新キャラの見せ方を掴めず、多少低空飛行を続けていた部分もありましたが、中盤以降、何とか上昇気流を上手く掴み、再び軌道に乗った作品です。

私は基本的に続編という物は、前作と比べて上手くいかない物だと思っているのですが、この作品はあくまで自分のスタンスを守る事で、そのジンクスを克服した様に思います。

まぁ、ホントは7点位が妥当かな?とは思うんですが、出会えた事への感謝の意も込めて、1点プラスして8点にしました。

ここから先は作品自体のレビューとは、少し逸れてしまうんですが、終わりがあるから始まりがある。という言葉をよく耳にします。しかし、それでもやはり別れの際には、寂しさというものが心の周りに付きまといます。そんな寂しい気持ちの中でも心を救ってくれるモノというのは、やはり出会えて良かったという「記憶」なのではないかと私は思っています。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-05-09 20:43:03] [修正:2009-05-09 20:43:03] [このレビューのURL]

少女漫画は清楚で、奥ゆかしく、淑やかなもの…なんていう固定概念を思う存分ぶち破ってくれる、実に愉快で痛快な漫画です。

この漫画の魅力は、主人公二人のバカッぷりもさることながら、何と言っても、主人公二人の仲を引き裂こうとする悪役達のドSっぷりにあります。少年漫画とは一味違う、少女漫画独特の「陰湿な悪」の概念には、少年漫画では体験し得ない恐怖を感じる事ができます。

ただ個人的には、「優しい悪魔」は少し長すぎた感じがしました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-03-13 20:40:25] [修正:2009-03-13 20:40:25] [このレビューのURL]

人は、何の悲しみも持たずに生きられる事の方が「本当に」幸せになれるのか?という、今尚、答を導く事の出来ない永遠の命題を自分に突きつけた衝撃の作品です。

生きてく上で味わった苦しい事や、悲しい事、辛い事の記憶を全部無かった事にして、まっさらな自分になって生きていく事は本当に幸せな事なのか?

この作品は、記憶を無くす事で、傷ついた人々の心を救っていますが、それが本当に正しい事なのか。今も結論は出せません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-02-07 20:41:44] [修正:2009-02-07 20:41:44] [このレビューのURL]

今の中高生の子供を持つ親達にとっての「あの頃の記憶」の物語。

読んでいてどこか郷愁を誘うのは、やはり「今となっては遠い日の良き思い出」のように感じてしまうからでしょうか。

恥ずかしすぎる位ありきたりで、純情で、色気も何も無いような青春ストーリーですが、とても綺麗にまとまった作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-01-23 20:19:37] [修正:2009-01-23 20:19:37] [このレビューのURL]

この短編集を読むと思うのですが、尾田先生は話を作るのは上手いと思うんです。

ですが、バトルを描くのはあまり上手くないと思うんです。ですから例えばこの短編集に収録されている「モンスターズ」みたいに、短時間でパパッとバトルを終わらせてしまえば、今連載している、あの海賊漫画ももっとテンポが良くなって、もっと面白さも増すんじゃないかと思う訳です。

しかし、あの受賞作を当時高校生で描いていたと言うのは本当に驚かされます。これだけの才能を、もっと生かせるような環境作りをしていって欲しいと、切に願います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-09-07 20:30:38] [修正:2008-09-07 20:30:38] [このレビューのURL]

アニメ共々なぜか好きな作品です。

が、敢えて問題点を挙げるとすれば、それはあまりにも「感覚的」過ぎる事。キャラクターも、設定も、ストーリーの流れも、作品全体を包むものが感覚で捉えられているため、具体的なイメージが掴みづらく、はっきりとしたものを求めている人には、話を追っていく過程で、説明も無しにさっさと次へ行かれてしまうので、置いてけぼりにされる印象を受けます。

またキャラクター達も、自分達がそう考えるまでに至った思考の過程をあまり語らないため、セリフの裏に隠されたキャラクター達の心情を順次理解していく必要があります。

黙して慮る。そういった感じの作品ですね。ただまぁ、個人的には5、6巻の「私の中に何かがいる」はもう、10点をあげたい位の良い話でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-08-31 17:17:20] [修正:2008-08-31 17:17:20] [このレビューのURL]

1〜7巻  9点
8〜12巻  7点
13〜15巻  10点
16〜31巻  6点
32〜37巻  8点

ガンガンで、創刊号から続いた最後の作品です。

昔の作品を評価するのは難しいですね。ただまぁ、今読んでも自分は充分面白いと感じるので、この点を付けました。

しかし、絵柄が好みを分けるので、合わない人には合わないと思います。中盤、少しダルい展開が続きますが、前半や最終決戦は、結構面白いと思います。

ちなみに、今のガンガンは全く読んでいません。ガンガンは隔週になった辺りから、路線が変わってしまったように感じたので。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-08-24 19:56:55] [修正:2008-08-24 19:56:55] [このレビューのURL]

以前、「祟殺し」編を読んで、その後「鬼隠し」編、「綿流し」編と問題編の3部作を読んでみたのですが、どうにも自分の中ですっきりするものがなく、そこで解答編の一つである、この「罪滅し」編を読んでみました。

なるほど、そういう事か。と思いましたが、つまり、この作品は、一般的な推理小説のように、犯人が誰で、トリックがどうで、動機がどうとか、そういう話ではなく、ストーリー上の分岐点で枝分かれした樹形図の一つという訳です。

だから例えば、A君が枝分かれした交差点に立っていて、左の道を選んだから、A君は交通事故に遭った。よってA君は、右側の道に行けば交通事故には遭わなかった。そういうストーリーな訳です。そのため、両者は接したり、交差する事はあっても、重なる事はほとんど無いため、解の話はほとんど別物です。

そのため読者が行なう「推理」というのは、個別の話をどう捉えていくかではなく、この物語全体を支配する大きな謎を、様々なストーリーを通して解き明かしていく、という事ではないかと感じました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-08-16 20:18:29] [修正:2008-08-16 20:18:29] [このレビューのURL]

正確に言えば8.9。限りなく9点にしようか迷った作品でした。

どうやらこの作品は、大きなシリーズ全体の一側面のようで、そのため、作品の全貌を理解していないこの状況で、断定的な評価を行なうのはマズい気がするのですが、まぁそれでもサスペンスホラーの小説を読んでいるようで、結構楽しめました。

前半は、特にこれといって物語に大きな進展は無く、正直退屈な印象でしたが、後半からは雪崩のような怒涛の展開が押し寄せ、特にラストの結末は本当に衝撃的でした。

「事件」を解決するための決め手が無い現状で「事件」の真相を探ろうとすると、幾らでも可能性が出てきてしまうという、シナリオの巧みさが、この話にはあると思います。真実を掴みたいと思う思考の種を、上手く蒔かれてしまった感じですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-08-02 21:00:53] [修正:2008-08-02 21:12:20] [このレビューのURL]

正統派推理コミックです。当時、推理コミックとして、パイオニア的役割を担った作品ですが、おそらくこの作品がなければ後続の推理漫画もその成功を収めることが出来ず、また漫画界にも推理漫画というジャンルが浸透することはなかったのではないでしょうか。そういった意味では非常に革新的な作品だったと言えます。

その後ドラマや映画、アニメなど様々なジャンルへ進出したこの作品ですが、実際作品として持っている本質は実にシンプルなものです。正義感の強い高校生が、その類稀なる推理力をもって、様々な難事件を解決していく、文章にしてみると当たり前過ぎて何のことはない印象を受けますが、だからこそこの作品は多くの人々に受け入れられ、こんにちまで愛され続けているのではないでしょうか。

「万人受けする」というのは、時に非個性的で、保守的といった印象を受けます。しかしそれは裏を返せば基本に忠実であるとも言えることが出来ます。そうした基本を忠実に守り、今もなおオーソドックスな作品作りを続けるこの作品は、実に職人気質な気風を持つ作品であると感じます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-07-28 20:27:25] [修正:2008-07-28 20:27:25] [このレビューのURL]

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