「鋼鉄くらげ」さんのページ

総レビュー数: 292レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年10月28日

「ヒャッコ」で知られるカトウハルアキ先生が、「真田ジューイチ」と名義を変え、新たに発表した最新作です。この物語は、ストーカー女、妄想電波女、ドM女、殺人鬼、吸血鬼などといったアブノーマルな特性を持つ女の子たちが主人公の男の子と、キャッキャウフフの学園生活を送る、ごくごく普通の学園ラブコメデイである

わけがなく、

そうですね。例えば深夜アニメには「3話切り」という有名な不文律がありますが、この言葉が広まった主な発端は、「とあるアニメ」の第3話で物語の方向性や雰囲気がこれまでとはがらりと変わり、1話や2話だけでは分からなかった物語の本質部分が3話目を通してようやく分かるようになってきた。だからアニメの視聴を継続するかどうかは、3話目の話を観てから判断した方がいい、みたいな意味ですが、それと同じく、自分は、全く予備知識も事前情報も無い漫画を読む時は出来る限り「2巻まで読んで」それ以降の単行本を購入するかどうかを判断しています。

その理由は主に二つ。一つは面白いのは1巻だけで、2巻以降は徐々に失速し面白くなくなっていくネタ切れパターンがあるから。そしてもう一つは、1巻は面白くないけれど2巻以降から、正確には巻数を重ねれば重ねるほど面白くなっていくパターンがあるから。この作品は今のところ後者のパターンを辿っています。

1巻目はあくまで舞台装置作りと状況説明。2巻目以降から作風ががらりと変わります。
とりあえず2巻まで読んでみて、その作風が合うか合わないかを判断してほしいと思います。

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[投稿:2015-02-06 22:27:16] [修正:2015-02-06 22:54:30] [このレビューのURL]

(ネタバレなし 既刊4巻までの感想です)

正直、今の展開には驚いています。

というのも、自分は当初今の話は単純にバラライカをさっさと倒して終わりの短いショートストーリーだと思っていたのですが、実際はそうでは無く、

「前作『ハーメルンのバイオリン弾き』の『とある一点』を全く別の方向に持って行ったらどんな物語になっていたのか」

というのをとことんまで突き詰めていった、いわば前作のifストーリーのようなものに話が急展開したからです。

詳しい内容を書くとネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、何にしても、3巻終盤以降の衝撃の展開は、前作を最後まで読んだ人なら驚くこと必至だと思います。

正直、ものすっごい続きが気になります。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-07-22 20:43:44] [修正:2014-07-22 20:45:00] [このレビューのURL]

授業中のヒマ潰しに、国語の教科書の顔写真に落書きをしたりだとか、算数や他の教科書の挿絵にイタズラ書きをしたりだとか、そういう、誰もがやったことがある「授業中のヒマ潰し」を、職人レベルにまで高め、ギャグの域にまで到達させてしまった漫画です。

この漫画の面白いところは、物語の視点が必ず「一人称のみの視点」であり、物語全体が複数人の視点で進行することが無い点だと私は考えています。要するに、誰かの主観(一方的な想像)のみで話が展開されているということです。

横井さんバージョンにしろ、後藤さんバージョンにしろ、各話の話の内容は語り手本人の主観(思い込み)のみで物語が進行しており、当の関くんだって、本人からしたら他の人たちとは全く違った物語を展開しているのではないかと思います。そして、一般人として最も正しいリアクションをしているのは、宇沢くんです。彼のリアクションこそが、本当に主観に依らない客観的な視点での反応なんだと思います。まぁ、この作品内ではデストロイヤーなんですが。

とは言え、この作品の世界観を一番楽しんでいるのは読者でも関くんでも他の誰でもなく、横井さんなんですよね。間違いなく。

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[投稿:2013-12-20 22:51:10] [修正:2013-12-20 22:55:48] [このレビューのURL]

7点 聲の形

とりあえず1巻のみの感想です。

聴覚障害を持った女子生徒が男子生徒から「いじめ」に遭うという基本設定のこの作品は、そもそも週刊少年マガジンで読切作品として掲載されるよりも更に前、「別冊少年マガジン」で読切連載された時に、かなりのインパクトを受けた作品だったのですが、その作品がまさかこうして週刊少年マガジン本誌で週刊連載されるようになり、更にはこうして単行本化されるとは、その当時はかけらも思っていませんでした。

さて、本題。

本来、「いじめ」という現象は日本独自のものでなく、世界中のどこの国でも見られる現象ではあるのですが、日本のように、集団の中から異質の存在を見つけて、追い込み、排除するという異質排除のいじめ行為は、いかにも島国であり、単一民族国家である日本特有のいじめ現象のように思えます。

他に違う人種や民族のいない日本人にとって、自分たちと違う存在がいることは不気味であり、恐怖です。「周りと違う」それだけで敵意の対象になります。村社会。同族意識。結の精神。日本人が作り上げた民族歴史の中には、そうした集団関係を強く意識した言葉が、数多く隠れ潜んでいます。

そうした中で、今回のこの作品のように、ごく普通の小学生ばかりが通う小学校のクラスの中に、耳が聞こえない女子生徒が転入してきたらどうなるのか。答はもはや語るまでもありません。彼女はクラスメイトからいじめられ、彼女をいじめていた男子生徒も彼女が転校した途端、いじめの矛先を向けられるようになりました。

本来、こうした話をすることは何一つ意味が無いことを充分承知で話をするなら、この一連の話の中で「誰が一番悪かったのか」と考えるなら、自分は「先生が悪い」と答えます。

とにかくこの先生。読切の頃からろくでもない対応ばかりで「お前、本当に教師か?」と軽く問い詰めたくなるくらいに何一つ教師らしいことをしていません。自分が一番嫌いな事なかれ主義の先生です。本来なら、担任の先生が先陣を切って聴覚障害の生徒がきちんと授業を受けられるよう対応し、また生徒たちにも理解を得るよう指導していく立場であるはずなのに、完全に傍観者を決め込んでいます。そしてしまいには加害者の男子生徒に対して「お前のせいだろ、責任とれ」と責任転嫁する始末です。本当に呆れてしまいます。

出会った不幸。環境の不幸。理解されなかった不幸。
とにかく1巻は、ひたすら不幸で終わったこの作品。
この作品が今後、どういう展開を辿っていくのか。とても楽しみです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-11-29 23:30:56] [修正:2013-11-29 23:35:40] [このレビューのURL]

予測不能で意味不明、理解不能で非現実的なギャグが次々と、前後左右どこからともなく360度全方向から襲い掛かってくるようなギャグ漫画です。

何と言ってもそのギャグが物凄く個性的というか独創的で、思いもよらぬボケをかましてくるので、当たらない時はさっぱり当たらないのですが、当たった時はまだ自分でも知らない未知のツボを押されたような感覚で不思議な笑いがこみ上げてきます。

ギャグのタイプとしては「マサルさん」や「ジャガー」で有名な「うすた京介」先生と似たタイプの方向性を持った漫画なので、そういうシュール系ギャグが好きな人は楽しめるかもしれません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-10-27 23:51:04] [修正:2013-10-27 23:51:04] [このレビューのURL]

7点 GANTZ

確かに、トータルで言えば7点くらいなんですが、最終章の「カタストロフィ編」に限っては4点くらいです。
それくらい、物語終盤の凋落ぶりがハンパない作品でした。

何となく興味が薄れてしまい、途中で読むのをやめてしまったという人は、最終巻一つ手前の36巻だけでも読めば充分です。そこで物語全体の大体の「謎」は解明されますから。但し、便宜上の範囲で。

はっきり言って、36巻の「真理の部屋」で語られた「物語の真実」は、ダウトであり、作者がもっともらしく作り上げた「後付けの真実」だと言わざるを得ません。

そもそも、何年も前から宇宙人が地球へ侵略のために飛来していて、彼らに対して対抗するための手段として「GANTZ」のシステムや装備が作られたのなら、もっと正式な機関(つまりは国家とか軍隊とか)が、周到かつ綿密な準備と訓練のもとに対抗策を講じるはずです。それにも関わらず、「たまたま運悪く死んだ人の肉体」を「GANTZ」の戦闘候補生として選び出し、訓練させ、最終章である「カタストロフィ編」で宇宙からの侵略者に対して、人類全ての希望として戦わせるなんていう作品全体の流れは、どう考えても非論理的ですし、合理性に欠けています。それだったら、最初から軍隊とかプロアスリートとか、戦闘兵として素質のある人達に「GANTZ」の武具を装備させて異星人と戦わせて経験を積ませていった方がよっぽどか合理的ですし、確実です。わざわざ死んだ一般人に異星人と戦わせる理由が分かりません。

結局のところ、作者自身が考え無しに物語を描いてきた結果、初期設定との整合性がつかなくなったんじゃないかと思います。まぁ仕方無いですね。「GANTZ」という作品は元々そういう作品。つまりは、作者の自己満足で描かれていたような作品ですし。

結果、一時の娯楽としてはそこそこ楽しめるエンターテイメントにはなったと思いますが、あくまで、そこまでの作品だと思います。

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[投稿:2013-10-11 23:49:35] [修正:2013-10-11 23:53:55] [このレビューのURL]

マニアックな面白さを持つギャグ漫画の魅力を伝えるのは難しいです。

伝わらないことを承知で例えて言うなら、この漫画のギャグの仕掛け方はまるで「酔拳」です。予測不能の動きでこちらへ近づいてきて、予測不能のタイミングでギャグという拳法技を繰り出してくる。しかもそれは酔拳のようにふらついてるので、相手に上手く当たらないこともあるが、上手く当たった時の破壊力は抜群。と、そんな感じのギャグ漫画です。なので、ハマる人は超絶ハマると思いますし、ハマらない人はこれっぽちもハマらないと思います。まぁでもいいです。それがギャグ漫画だと思いますし。

後半、やたら物語がハーレム化していきますが、自分はそんなに気になりませんでした。ただ結局のところ、一番面白かったのは最初の1巻だけという、ギャグ漫画にありがちな結末にはなりました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-09-27 23:11:44] [修正:2013-09-27 23:20:43] [このレビューのURL]

18禁ゲームの制作会社に勤める姉が、人手不足なのを理由に高校生の妹に18禁ゲームの声優を任せる、なんていう悪ふざけ以外の何物でもないような初期設定のこの漫画ですが、結構面白かったです。

面白かった理由を考えるなら、それはおそらく主人公と同じ目線で「知らない世界」を知ることができるから。つまりは、「18禁ゲーム業界の世界」という、「知らない世界」を知ることができる(知的好奇心が満たされる)からだと思います。

単純に、そういう描写が苦手だと言う人はどうしようもないかもしれませんが、そういう描写は極力抑えられていますし、それよりもむしろ「18禁ゲーム業界」の実態を知る上でとても興味深い、ノンフィクションの姿が分かりやすく描かれています。

なので、そういう描写は一旦置いておいて、「18禁ゲーム業界」の実情を知るという視点で物語を読んでみると結構面白いんじゃないかと思います。

ちなみに、終盤やけにあっさりと物語が終わりますが、高校生が18禁ゲームに出るとは何事だ、とかそういうややこしい展開になって話全体の空気が暗くなるよりは、こういうあっさりとした終わり方のほうが良かったんじゃないかと、自分は思っています。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-09-27 23:11:13] [修正:2013-09-27 23:19:06] [このレビューのURL]

まず始めに結論から言っておくと、「2」ってのは大概面白くないのが一般的で、「1」で人気が出たものだから調子に乗って作ったはいいけども大失敗! なんてオチが大半なんですけど、この「魔法陣グルグル2」は(いい意味で)予想に反して面白かったです。

いかにも「グルグル」らしい、とでも言うんでしょうか。ファンタジーの世界観なのに、登場人物一人ひとりが人間臭く、生々しい。決めるべきところで決まらず、締めるべきところで締まらない。そんな限りなくリアルな立ち振る舞いを、独自のセンスでギャグに昇華させてしまう、作者のこの発想力は相変わらず健在で、唯一無二の個性を持っていると思います。

取りあえず、これから先、話の展開がどうなるかはまだ何とも言えない状況なので、今回は様子見で7点にしておきました。

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[投稿:2013-07-26 23:21:23] [修正:2013-07-26 23:35:36] [このレビューのURL]

自分にとって水沢先生の描く絵柄っていうのは、初恋の人に対する思いと似たようなもので、実際に話が面白いかどうかはそれほど重要ではなく、ただその絵柄を見ているだけで癒されるというか安心できるという、そんな存在な訳です。

で、そんな存在だったこの作品なんですが、何とわずか3巻で終わってしまいました。正直、もうあと3巻分(三姉妹一周分)くらいは続いて欲しかっただけに、この段階での終了はとても残念です。

お寺で暮らす三姉妹の、それぞれの恋愛模様を描いたこの作品。それぞれの姉妹が持つ恋愛事情は実に明確で、はっきりとしたテーマが提示されています。しかし、だからこそ三姉妹全員に共通する肝心要の「跡継ぎ問題」を、物語の結論としてきちんと提示してほしかったというのが、一読者としての率直な感想です。

個別の話は面白いんですが、最終的なまとまりがいまいちだったので、今回は7点にしました。

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[投稿:2013-02-22 23:26:44] [修正:2013-02-22 23:26:44] [このレビューのURL]

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