「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

今ネットで話題になっているので読んでみた告発エッセイ漫画です。衝撃的な内容でした。作者は新人漫画家ですが漫画家漫画としてのクオリティは高い方です。

ただし、告発側の作者と飛鳥新社が一切の裏取りをしていない(特に飛鳥新社はどうなのか。作中じゃ救いの新編集と描写されているが)ということなので信用性の部分ではどうしても疑いも持ちつつ、読まなければいけないとは思います。

それでも作者の担当であるKADOKAWAのボーノ氏については、色紙1600枚フルカラーという常軌を逸した行動をやらせたのは事実であって(謝罪広告あり)、それなりの信用性がある部分ではないかと思いました(作中の経過と違い業界無知な作者が乗って来ていた部分の可能性も感じますが、そこは編集が既知な責任者でなければいけません)。こんな大手会社でも、こんな人がいるという業界の闇については触れてはいるのかなと。全業界にも通じる本当に怖い話ではあります。

それ以外の描写については、後半異常に文字が増えて読みにくさ爆発だったりして、作者の精神状態は今も危なそうですしなんとも(ねとらぼと場外乱闘が始まった模様)。

あと作者については自業も感じるし(不自然なほどボーノ氏と縁を切らない)、エッセイ漫画を多く読んできて、駄目な人はたくさん見て来ましたが、どこか憎めない人が多かったです。しかし、本作者から感じる作中でもときに示唆される壮絶過ぎる人生もあってか、痛い人なのではとの印象は拭えません。単行本二巻打ち切りの新人という部分に後ろめたさが皆無な辺りには別の意味で驚きでしたし。干される覚悟と銘打たれてはいて、この世界実力次第でしょうが「使いにくい人」だとは感じました。

とりあえずボーノ氏を軸に扱う無料でも読める三章まではある程度の信用性があると思いますし、読みやすさもまだあります(ここも一定の信用性を感じる部分。後半のごちゃごちゃは逆に疑わせる)。業界の闇・転ばぬ先の杖として無料ですし、読んでみてはどうかとは言えると思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-06-17 07:10:14] [修正:2017-06-17 07:10:14] [このレビューのURL]

謎、バトル、エロやエグさありのダークファンタジー作品。掲載誌のこともあって、知名度は高くないですが秀作だと思います。高画力でアメコミ風を取り入れた日本寄り融合絵は独特で最も魅力を感じました(バトルが若干見辛いところもあるがこの手の絵にしてはマシな方)。キャラデザも癖が少なくて獣人キャラに嫌味がなく、女性キャラはかわいい。レトロなアメリカ世界観、謎を振りまく話にも引きつけられ、キャラも立っていて特に獣人主人公アレックス刑事の格好良さは特徴的。賑やかし要員に見えたピートが第二主人公的成長を遂げたのも良かったです。

一方でやや難解な二重螺旋をテーマにしたダークファンタジーがほぼ全てなので、刑事である主人公が主体的に捜査するというよりもほぼ振り回される格好だったこと、ヒロインのネクロや関係者が責任をとったとはいえラスボスに転嫁出来ない身勝手な罪が重すぎたこと(よって結末のカタルシスが弱い)、核になって行く獣人差別問題が序盤には感じにくく、終盤の展開がやや唐突に感じたところなど不満点もありました。

しかし、全体として謎や話をしっかり解決して終わったことをはじめ長所が大きく勝ったという印象です。独特かつ一気読み向きの作品なので、未読の人には最近完結した今こそおすすめしたい作品かなと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-06-03 17:58:13] [修正:2017-06-03 17:59:33] [このレビューのURL]

ダーツは完全に小道具状態な頭脳戦漫画。しかしながら最近の頭脳戦漫画でもかなりレベルが高い作品ではないかと。演出、ハッタリのセンスが高いのも好印象(絵が上手い)。
主人公最強漫画ながら展開と仕掛けで毎回魅せる作品。一戦ごとのテンポも良いです。人気と知名度がもう一つだったのか完結巻数が短めですが、しっかりと終わってるのでダラダラ続くよりは良かったのかもと思います(終盤はややバタバタ、黒幕はじめ拍子抜けもありましたが)。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-05-04 08:20:08] [修正:2017-05-04 08:20:08] [このレビューのURL]

競技ダンスという珍しい題材、全く凡人初心者の主人公とヒロイン、を扱いながら楽しんで読めたかなりの良作でした。次に来る漫画大賞、アニメにして欲しい作品などに選ばれたネット高評価には頷けるものがありました。分かりやすさ、熱さ、暖かさ、コミカルさなど河合克敏作品に通じて現代版にしたような作風でした。読み切り版よりも絵柄も格段に進化して親しみやすいです。

ただ、結果ではないスポーツを通しての成長、トップレベル競技者にも再確認させるものがある、など凡人主人公の活用が上手かったとは思うものの、最後の3巻は主人公脱落でほぼ踊っていないなど難しい部分も感じました。あと主人公とヒロインの恋愛面はもっと掘り下げて良かったかもしれない(将来的には鉄板でしょうが)。

少年ジャンプ連載としてはミスマッチもあったのか、駆け足で打ち切り気味ではという感じもありましたが、スタッフロールを交えたラストダンスを見た時の読後感は良くて余韻に浸れました。引き伸ばされずまとまって完結している点では今後アニメや実写などの原作になってもおかしくないのではと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-04-18 17:15:48] [修正:2017-04-18 17:15:48] [このレビューのURL]

映画化もされてヒットしたゾンビパニック作品。完結するようだし読んでみるかと手にとりましたが、主人公を第一に周辺のキャラがかなりキツいですね。外見といいこういうキャラがいるのはある意味リアルですけど、追い続けて行くのがしんどいです。絵がとても綺麗なので、やたら性的なことを盛り込んでくる作風もあってクセが増して来てしまいます。
読んでいる最中にとんでもない最終回迎えたと聞いて(かなりの投げっぱなしらしい)、それを耳にしたのもあって、読めないことはないのですが途中で止まってしまいました。色々な意味で人選ぶ作品だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-04-03 22:02:35] [修正:2017-04-03 22:02:35] [このレビューのURL]

タイトルと題材で敬遠されそうなのは間違いないですけど、18禁ゲームに限らない弱小ゲーム会社についての実録(業界ウンチクには感心)を上手くオブラートに包みつつ描かれた作品だと思います。他業種にも当てはまるような哲学を持つお仕事漫画として成立しているだけじゃなく、描き方を間違えると欝になりそうな話ですが、基本明るい方向でカタルシスを与えてくれる技量には感心しました。絵柄もかわいらしいながら画力がしっかりしています(女性キャラがかわいいながらも余計な恋愛要素がないのも好感)。編ごとに話が区切られているのも読みやすかったです。全4巻で短めなのが多少残念ですがまとまって綺麗に完結しています。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-03-30 21:09:16] [修正:2017-03-30 21:09:16] [このレビューのURL]

「リュウマ」という雅号(ガゴウ)を受け継ぐ者達の「風の谷のナウシカ」に似た世界観での群像大河作品。作者の作品はどれも暗さが根底にある中で本作は求められているところに上手く合っていたと思います。最初の時系列や人物がバラバラのオムニバス形式が後から思えば全部伏線と言えるほどだったのは驚きです。

ただそれがおまけ漫画などでも自嘲されているように後から分かってくるという感じで、読んでいる最中には理解しにくい感じはありました。終盤掲載されたストーリーや人物紹介ページは最初からあった方が良かったかと。相変わず画力は高いですが、バトルがややゴチャゴチャして見にくいのも上記難解さを増した感もあります。最後を締める白皮眼リュウマの物語がやや低調に思えるもので、打ち切りを喰らったような駆け足になっているのが残念ですが、全体としては必要な要素は描かれて、読後パズルのピースが嵌り一枚の絵画が出来上がったような感覚は本作独特のものでした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-03-22 23:22:36] [修正:2017-03-22 23:22:36] [このレビューのURL]

8点 カレチ

鉄ちゃん向けのみならず、職業物・人情物漫画としてレベルが高い一話完結漫画だと思います(毎話レベルで面白い)。国鉄が舞台ですが古き良き時代性、人情的な職場(職人の情熱や厳しさ)を描く物語かと思いきや、次第に傾いてJRに向かう国鉄組織の暗部、それぞれの苦悩、合理最優先な時代の流れも包み隠さず描き切りました。

後半は暗すぎるのではとも思いましたが、故に前半へのノスタルジック感を読者としてもより強く感じられる仕様に。最終回での主人公の選択、途中で描かれた最終回後の時系列でクレイマー老人と化している回(途中結婚しているが最終回選択後は離婚した可能性も高い。妻帯者がそうそう選べるものでもない上に妻のポリシーからは許したかは微妙)を思うと国鉄と主人公人生のリンクにこみ上げる切なさがあります。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-02-25 02:15:26] [修正:2017-02-25 02:15:26] [このレビューのURL]

ハイテンション将棋漫画。将棋部分がしっかりしつつ、ルールが分からない人でも伝わるであろう迫力と熱さそして奥深を伏せ持った作風です。作者自身がプロの一線にでも駒落ちなら勝てる強さだけはあるかと。次第に超展開にもなって行きますが、キャラの個性が光りつつ続きが気になり、三十半ばの長編なのに楽しみつつ読めました(最後も上手く畳んだ方)。

一番の問題は次第に増えて行く将棋と関係ない格闘部分ですが(女性キャラがぽっちゃりし過ぎなのもこの辺が影響か)、ここは一気読みで良かったと心底思いました。それでもまだ多く感じるほどです。しかし、それを考慮してもやはり将棋漫画を代表する作品からは外せないだけの力がある名作だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-02-18 16:54:32] [修正:2017-02-18 16:54:32] [このレビューのURL]

6点 キヌ六

前作「ベントラー・ベントラー」作者による「BLAM」という感じの作品。やや見にくいですが豊富なアクションと安定した絵、サイボーグなどほとんど生身の人間がいないサイバーパンク的SF感も良く出せています。主人公の女の子コンビの外見と絡みも良かったです。話も続きが気になり、割りと纏まったとは思いますが、地球に何度も訪れる氷河期や宇宙を安定させないと滅びるなど背景に独特かつ理解が難しい箇所があり、すっきりしないのが残念。ラストシーンの内容把握に困りますし。総じて前作好きな人にはセットで読むのを薦められる佳作というところです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-12-25 10:54:58] [修正:2016-12-25 10:54:58] [このレビューのURL]

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