「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

8点 石の花

[ネタバレあり]

現在においても題材になっていない第二次世界大戦の旧ユーゴスラビアでの顛末を漫画として描いた話。史実を基にしてキャラに魅力があり、先に気になる群像劇的な体裁をとっており、強制収容所の中までしっかり描かれている辺りは凄いです。複雑なこの地方で行った内部紛争を誘発させるナチスのしたたかさ、台頭を産んだ要因などをしっかり解説されており勉強になりました。その辺のゴタゴタや収容所での顛末などで人間の醜さを描いており、絶望と闘いながら、ひたすら生きようとする登場人物達への感情移入度は高まります。ただ最後は多分打ち切りだったのかもなというほど、急に勝ってしまい、勝ったという実感ないまま後日談を纏めて終わったかな感があります(金塊持った爺さんなんか未消化も良いところでしたし)。最終話で後味の悪い勝利を描いてましたが、勝利自体の実感が薄かったのは戦争ものとしてはどうだったかなと(戦いは負けてばかりの印象しかない)。
『アドルフに告ぐ』とは似た雰囲気の作品と言えばそうですが、あちらがヒトラーがユダヤ人という明らかにおかしいオチやラストシーンはこちらが感動や美しさがあっただけに、総合的には良かったかなと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-05-28 05:12:13] [修正:2014-05-28 05:12:13] [このレビューのURL]

画力は高いんだけど最初の意味不明で不愉快な価値観(眼鏡相棒が語る頭良い奴論理、ついでに女性蔑視)と恋愛のために漫画家で成功するという動機とかで途中で読む気なくしてしまいました。

全然頭良いとも思えない主人公同士が「お前頭良いな。他の奴とは違うよ」と互いに持ち上げ合うのが気持ち悪くて。
こういうのが合う人には相性良い作品かもしれませんが。
自分には合わなかったですね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-03-21 01:47:04] [修正:2014-03-21 01:47:04] [このレビューのURL]

7点 予告犯

ネット社会を題材にした
サスペンス漫画。作者の現時点の最高傑作だと思います。
実際の事件も参考にしつつ、そこへの皮肉も込めて
リアリティがある描写がされているのは面白かったです。
暗に派遣労働への問題提起がされているのも良い。
徐々に謎解きされて最後に真相が明かされ、どこか
清涼感すら感じるラストも良かったですね。
「人は誰かのためと思って行動する時は利害を越える」
というメッセージ性も説得力を感じました。

世界変革、警察はじめ特定団体との戦いを
期待した人には肩透かしだったと思いますが(自分も実は途中
は期待しました)所詮持たないものが、
ネットを使ってやれることはここまでなので、
最大限の現実への抵抗という意味でも良いオチだったと
個人的には思います。

キャラの個性がイマイチなのがこの作者の作品の特徴ですが、
本作はライバルかつヒロイン的な女刑事が
絵的にも凄い美人なので少しは補えてる方ではあるかと。
どうしても画力は高いが作風が淡々とした感じが
出るのは作者作品の共通した欠点ではありますね。

全3巻と手頃なので映画一本見るつもりで手にとれば
十分満足出来る作品だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-11-02 18:02:09] [修正:2013-11-03 01:01:14] [このレビューのURL]

料理と探偵ものを融合した一話完結系。ほぼ毎回安定して
16巻まで行ったのは大したものだと思います。
食知識の解説が詳しく、それを用いたトリックが斬新、
推理ものとして一定の水準に達する推理要素、豊富なギャグ時々シリアスなど良い意味でのB級作品です。
食に関しては身近な庶民的なものに対しても平等に高く評価
して取りあげているところに好感が持てました。

主人公の言動が個性越えて不快にみえる箇所が結構多い
のが欠点でしょうか。伏線めいたものも
結構投げた終わり方でした。総合的にドラマ化もされただけ
ある良作だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-10-29 02:40:47] [修正:2013-11-01 04:00:10] [このレビューのURL]

ドラマ化、アニメ化など各方面で評判良いんですが、個人的に合わなかったです。宇宙関係は他作品以上に添え物で少年少女の思春期学校生活という感じなので、それが好きかどうかでかなり相性変わるかなと(それも結構ジメジメした感じです)。

個人的に泣かせようと強引に狙うような話運び、初期からライオン
さんが素顔晒すことで神秘性がなくなった辺りも好きではなかった
です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-10-28 21:58:50] [修正:2013-10-28 22:00:21] [このレビューのURL]

人物ごとのオムニバス形式での歴史伝記もの。
本作で現在も独自なのが
栄光を掴んだもののそれを最後は手放した人、生前認めらずに
死後になって評価された人、それらの人間に焦点を当てて
いることです。
最後はほぼ毎回
切ない気分になりますが良い勉強になります。

成功談からだけで終わる人の物語からは学べないものや
この作品みると天運という要素も如何に大きいかに
ついても実感します。

ギャグシーンがやや寒いですが画力があるのと熱いシーン、
悲劇シーンは演出が素晴らしく感動します。
巻末でページ合せの読み切りはちょっとつまんないです…
作者にこういう作品が如何に向いていたかを感じました。


ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-06-26 04:18:18] [修正:2013-06-26 04:18:18] [このレビューのURL]

忍法なんて完全に越えた超能力バトルのバトルロワイヤル作品
舞台は史実を流用してなかなか上手い舞台だと思います。

一発芸大会なので「何の力持ってるの?」、「それを
破るにはどうしよう」って所が見どころです。
オチが大体読めちゃう作品だからこそそこが重要ですがこの巻数
でテンポが良く密度が高かったですね。
引っ張ることなくどんどん決着ついて犠牲者が出るのは
最近ある引き伸ばし
バトル漫画へのアンチテーゼになっています。

画力が高く、キャラも二十人もいますが読んでいるうちに
全員ちゃんと把握出来る辺り技量が高いです。
さっさと死んだキャラのために途中で前日談を入れているのも
上手かったです。一気に全巻読むことをお薦めしたいし、
それが可能な作品かと。

残念だったのはシンプルだからこそ良い面ともっと複雑な
バトルが見たかったなという矛盾するがどうしても残る気持ち
。ラストバトルが誰と誰がやるのかすぐに読めることです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-02-10 06:16:17] [修正:2013-02-10 06:16:17] [このレビューのURL]

7点

画力も表現も及第点で、基本一話完結の構成も良く出来た
山岳救助漫画です。5巻くらいまでは話題になって、賞貰えるだけ
あるなと質が相当高く印象に残る山の厳しさを物語る救助
話でした。助けられない人間の数が多いのもリアルで心に
残ります。主人公の三歩の底抜けに明るく優しいがときに
厳しさや暗さを内包、天然かと思ったら緻密な
計算をしている的なキャラが魅力的でこれで物語
を引っ張れてるのはたしかです。シビアな物語も多いのに
緩衝されます。

しばらくしてから人情話、周辺キャラ話にシフトして、それはそれで今度は山の魅力を語って面白いのですが、最初の頃からするとインパクトで失速したな感は出ますね。
話のパターンもちょっと読めて来るのが増えます。
三歩を他キャラから間接的に語るシーンが中心になったのも熱量が
落ちたかなと。浮世離れした三歩をヒロイン久美が尊敬
して行くものの、山岳救助の師弟的な感じ
に終始して安易に恋愛にならなかったのは良かったですが
(この辺人間関係の機微も広く描けている)。

しかし15巻くらいで三歩の周辺に事件が発生で
酷いことになって衝撃を与え、三歩が限界登山に挑戦するという
最終章になって緊迫感が出てきます。日本アルプスに限定
されていたのが、世界の山へという形ではじまり最終巻で賛否
両論のようですが、また衝撃の結末で物語を終えました(個人的には肯定です。心に残りました)。

もっと巻数絞れたかな、人情話は上手いけどもっと登山の技術論
にも踏み込んでも良かったのではとは思いますが、良作漫画
だったのはたしかです。この漫画を読むと山は良いなと思いますが、シビアな面が濃いので行きたくなくなる気持ちも生じてしまいますね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-10-27 14:29:45] [修正:2012-10-27 14:33:23] [このレビューのURL]

9点 ARIA

一話完結の未来異星世界を舞台にした日常系癒やし漫画。
前作「AQUA」を読んでいる時から面白いとは思ったのですが、
こっちの方がパワーアップしていますね。コマ割り、
台詞回し、風景描写とかこの漫画センスが高いなと自信を持って言えます。ただの延々と続く日常ものじゃなく、成長や移り行く時を描写しているのが印象的ですし、
一本の筋が通った形で終わりました。前半で独特の世界観、イベントの説明を終了した感じで、後半はキャラの掘り下げや成長を描写していますがそれが非常に上手いです。ただの綺麗な物語で終わらずブラック面にも足を突っ込みますが、深刻にならないで
説教臭くならないように優しい雰囲気は維持されています。画力は相変わらず高いだけじゃなく、最後に行くまでさらに加速して、丁寧なのに劇画的にはならない良い塩梅で終わった稀有な作品かと。
ダラダラやれそうなのにこの巻数で収めたのも良かったですね。
日常系の一話完結話や女性漫画家の作品では合わないのが多い自分でも楽しめた辺り幅が広い作品で人に勧めやすそうです。前作「AQUA」は読まなくても楽しめますが、読んだ方が終盤に繋げてくるので感慨が違って来ます。唯一主人公灯里(彼女の魅力は本作
の長所で強く描かれる)の師匠・先輩のアリシアが引退はともかく作中出てこない誰かと結婚までしたのは釈然としませんでした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-09-10 06:46:57] [修正:2012-09-10 06:58:50] [このレビューのURL]

7点 AQUA

物語、漫画の地力にも「ARIA」の導入編といった感じですね。画力がこの頃からかなり高いのは安心して読めます。ここで合うか
どうかがこの漫画のポイントなので全2巻ってのもとっつき易い
入門編でリトマス紙になりそうです。「ARIA」から入った人も本作を読んだ方が「ARIA」終盤は感慨がひとしおだと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-09-10 06:53:53] [修正:2012-09-10 06:53:53] [このレビューのURL]

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