「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

一旦完結後仕切り直しで前シリーズの続編です。内容的には劣化はないので世間の裁判員制度を騒ぐブームが終わったせいかもしれませんが、2巻が出てから長く続きがないのが本当に残念です。主人公北尾の傍聴仲間が出る前に停止した感じ(弁護士、検事の星川姉妹は出てる)。このまま終わっても元が一話完結的で大きな伏線とかある物語ではないため支障はないですが。前シリーズを読破した人にはお薦め出来ます(2巻で殺意の有無を見極める話は裁判の難しさを感じる踏み込んだ話で特に出来が良い)。続刊を是非期待したいです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-02-08 21:54:22] [修正:2016-02-08 21:54:22] [このレビューのURL]

裁判傍聴漫画。傍聴マニアの原作者が印象に残った実話事件をトピックしているだけに見どころある事件が多いです。それを画力があって読みやすく、事件は実話なれど、傍聴仲間など周辺のキャラクター、細部の掘り下げなどは脚色して漫画として読ませるものになっています。随所に出て来る傍聴マニア視点からの司法事情や裁判知識は勉強になりますし、現実でもこんなドラマのような(それより斜め上行くかも)出来事があるのだと実感出来る意義もあります。

問題点としては序盤は一つの事件がやたら長かったり、傍聴マニア主人公のツッコミがやたら偏ってたりします。次第にその辺が改善されて、事件が多様な一話完結型になり(それでも性的犯罪がやたら多いが)、主人公のツッコミも穏当になって安定感が出てきますが、こういう異色漫画で最初転んだのは印象あまり良くないのは確かでしたね。全体としては司法関係漫画の中でも十分良作だったと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-02-06 18:21:24] [修正:2016-02-06 18:22:32] [このレビューのURL]

日本独自の暦を作り出した渋川春海にスポットを当てた話。
有名ではない人物ですが、その奇特かつ静謐に見えて起伏のある人生に惹きつけられました。

原作小説が様々な賞を受賞して、映画化もされて一時騒がれた作品。現在は沈静化している中で漫画連載は続いて昨年末完結。その原作付属の強みと円満終了出来た感じの珍しい作品で素晴らしい出来です。原作に足した掘り下げ部分も巻末あとがきで毎回原作者から褒められているくらい関係が良好なのもこの作品が力作な証かと。漫画としてのクオリティが高く、算術や天測が頻繁なだけに表現の強みがあります。

春海のキャラが妙に弱々しく見える部分が特に序盤は多くイライラしましたが(ここが唯一の欠点かも)、読み進むにつれて成長することで、その部分も彼の謙虚さや優しさとして受け入れられるものになりました。歴史もの特有の時代推移により、中盤から終盤に特に強みがある作品なので、完結した今こそこの漫画版もさらに評価されても良いのではと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-01-08 19:40:04] [修正:2016-01-08 19:40:04] [このレビューのURL]

完全に表紙詐欺。ほのぼのSFに見せかけた急展開作品。絵柄は優しいのでそのギャップには驚きます。SF要素はありきたりと言えばそうですが、二転三転しながらもまとめたところを評価したいです。ただ最後はクローンに頼って元に戻して和解しただけなので、本物が戻って来たという訳でもないところ(これは作品のテーマなのだと思いますが限りなく本物に近い偽物は偽物なのかどうか)が、すっきりしない部分もあります。全1巻ものとして出来が良い作品で一読の価値はあると思います。特に第一話は予備知識なしだと衝撃が凄いのは間違いないです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-08-24 18:59:07] [修正:2015-08-24 18:59:07] [このレビューのURL]

タイトル通り仏師を題材とした漫画ながらフィギュア製作要素も扱った作品。仏像・フィギュア知識を丁寧に盛り込みながら堅苦しさがなく、ギャグがかなり笑えて、地味ながら話の質も高く良作だったと思います。絵が上手いのも良かったです。「美味しんぼ」や「ギャラリーフェイク」みたいな一編完結の楽しい業界系漫画としてまだまだやれそうだったのに、題材が題材のためかおそらく打ち切りだったのが残念ですね。一応最後は一番言いたいテーマを語って終わってはいますが。キャラ達のその後がもっと見たかったなと思いました。作者の他作品にも興味が湧きましたし、未読の人にはおすすめしたい作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-07-28 02:01:07] [修正:2015-07-28 02:01:07] [このレビューのURL]

東日本大震災があった今だからこそ余計に価値があがる漫画だと思います。災害パニック漫画ですが、原作者が理系専門家兼小説家なので説得力のある考証で、巻末にある解説を合わせて相当に勉強になります。おそらくこの手の漫画で一番深いのでは。かといって漫画としても成り立っており、少し古いキャラデザながらも一定の画力、続きが気になるストーリー展開、タイトルに繋げる結論など見所があります。

ヘタレながらいざという時に頑張る主人公とその契機となるヒロインの描写、微笑ましい関係も良かったです。本編3巻、外伝(オムニバス)と後日談の1巻、でダラダラせずちゃんと終わっているところも良かったと思います。

ただ主人公周辺だけはご都合が続く訳ですが(災害漫画の必然かも)、読むのが苦痛な鬱漫画だけになったかもしれないから、否定しませんが擁護要素はあると思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-07-06 18:54:42] [修正:2015-07-06 18:54:42] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

既に有名作品だと思いますが、それだけのものがある
と思います。デブリという宇宙ごみに注目した設定が
斬新ですし、主人公が宇宙ごみ処理仕事から
木星開拓宇宙飛行士を目指す中での哲学的な
話も「ここ(地球)も宇宙なんだ」とか
言って一瞬「え?」っとなった後で「おお」と感銘
を受けたりしました。画力も力があり最初は粗い
ですが、徐々に整って行きます。色んな話が盛り込まれて
全4巻ですが不足を感じないほど密度が濃かった
です。愛に関しては賛否両論のようですが、1人で生きて
1人で死んで満足な人もいるだろうと思う点では1つの
主張に過ぎないと思いますが、1つの立場としては筋が通って
いた方かと。対論としてロックスミスという主人公の
ラストでの主張にも否定的な人物もいましたし(彼の
エピソードも印象的。アニメ版にはない)。

アニメでも結構知られている作品のようですが、やはり原作の
方が良いと思いました。向こうにある軽すぎて、悪ノリ
ではという話がこちらにはありませんし(オリキャラ
使ってのオフィスコメディや恋愛話)、向こうでクライマックスに持って来て焦点当てたテロとの戦いが愛という
言葉で切り捨て的に後味がやや悪いのが、こっちではすぐに単発話で終わって、紹介に留まり尾を引かず粗が目立ってませんから。

そういう意味でもアニメしか見ていないという人、短い
漫画で面白い作品を探している人にも特にお薦めの作品
だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-06-28 12:01:16] [修正:2015-06-28 12:01:16] [このレビューのURL]

8点 LIAR GAME

頭脳戦漫画としてドラマがヒットしているのもあって有名な作品。興味はあったのですが完結後に読んだ方が良さそうと思い敬遠していました。結果的にそれで良かったと思います(ルールが少し複雑でテンポも途中からは少し良くないので
一気読み向き)。正直最初は絵のレベルの低さ、1回戦のオチが読めまくっていたバトルで拍子抜け感が酷かったです。

しかし次第にゲームの内容・画力も迫力不足という問題は抱えながらも上達して行きました。特にゲームは少数決から終盤に至るまでには独自のゲーム性、駆け引きと逆転の連続で展開の面白さに引き込まれました。単なる個人勝負じゃなく囚人のジレンマ的な団体戦要素があり、その辺の駆け引きは毎回面白かったですね。主人公である直の成長、パートナーの切れ者秋山、オカマだけど「良い女」キャラのフクナガ、ライバルのヨコヤなどキャラも立って来て盛りあげました。心理学的要素を入れた解説も勉強になりました。

しかしライアーゲーム関連のオチはある程度予想出来た部分はあったのですが(なんだかんだでヌルかったですし)、やっぱりラストゲームの盛り上がりの乏しさといい良い締めではなかったなとは思います。投げっぱなしよりはマシ
だとは思いますが。あとカイジ系のゲームと比べると演出、オチとも関連するんですが緊張感をやや欠いてはいます。それでも毎回のゲームのレベルは高く、頭脳戦を代表する漫画という
評価は揺らがないと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-05-11 01:53:35] [修正:2015-05-11 01:53:35] [このレビューのURL]

世にも珍しい歌舞伎業界を扱った漫画。画力と演出はなかなか素晴らしいもので、歌舞伎知識や業界の裏みたいなのも描かれており、勉強になった作品です。ただ李園の血統絶対主義を批判的に描いていた一方で、主人公も結局そういう産まれだから芸が上手いというモヤモヤした感覚。その勝手なヤンチャぶりが激しく作中で芝居壊しと呼ばれる台本無視を連発して、かなり引く部分があったのも事実です(脚本への敬意皆無でアドリブの域ではない)。この辺がまだ抑え気味で初期ストリートで色々やってた頃が一番面白かったかなと。打ち切りされてしまうほど人気が厳しかったのも納得です。題材のマイナーさはあんまり言い訳できないかなと思います。それでも長所が勝り、安定した話作り、打ち切りで第一部完ですがさほど尻切れ感はなく話を一応畳んだことは評価したいです。一読の価値がある良作だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-03-23 23:50:39] [修正:2015-03-23 23:50:39] [このレビューのURL]

ドッペルゲンガー現象・タイムスリップを利用して、現在と過去の自分同士をコンビとして自らに罪を着せられた連続殺人事件の謎を解くという物語。SF満載なので推理要素なんてあまりない結論に至るのではと思っていたら、終わってみると本質はミステリー作品だったと呼べるくらい推理部分が丁寧に出来ていました(事件を難解にする登場人物の突飛な心理や行動を、芸術至上主義を芸術家同士の身内事件というところで随所に適用してフォロー出来ている)。
だからこそ上記SF要素が独自のスパイスになった感じでしたし。真犯人発覚時は驚きました。てっきり他未来の自分自身が犯人だろうと匂わせるようなミスリードに自分は乗ってしまいましたから。絵柄に癖がある、終わり方が後味悪いなと思ってしまいましたが、全4巻で過不足を感じずに纏めたところが良かったです。作者にとって初連載らしいですが次回作にも期待します。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-01-22 02:19:49] [修正:2015-01-22 02:19:49] [このレビューのURL]

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