「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

才能は凄いですが素人状態のエヴァ
のシンジのような主人公がストリートファイトに飛び込み
成長して行く漫画です。

作者の経験や格闘技術論の解説が随所に入るのですが、それがボコボコ殴り合ってる漫画と違って考えさせられるのが上手いです。
個人的にはそれが入ってもテンポもちょうど良いし、
なるほど、なるほどと目から鱗で読んでました。
こういう形式の漫画は珍しく非常にインパクトを感じました。

画力が高く、起伏や展開のあるストーリー、キャラも良くて先が気になりますし没頭出来ます。読む前はもっと殺伐としてるのかと思うとなんだかんだで主人公を支えてくれる人達が出てきますし、少なくともこの漫画に出る不良はほとんどが筋は通す連中なので不快感は少ないです。こういうジャンルの漫画ですが作風に優しさがあります。街で喧嘩する人間に対しては変に美化せずキッパリと否定的な結論に至ったのも良かったと思います。

主人公は後半はともかく前半はエヴァのシンジから影響が強すぎる
と感じるのと最後がちょっとすっきりはしない終わり方だと
思いました。でも読み易くあっという間に全巻読めたこと、
格闘やってる人への敬意が湧いたことを考えても
この漫画はもっと評価されても良い名作だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-11-09 02:31:00] [修正:2012-11-09 02:32:52] [このレビューのURL]

9点 ARIA

一話完結の未来異星世界を舞台にした日常系癒やし漫画。
前作「AQUA」を読んでいる時から面白いとは思ったのですが、
こっちの方がパワーアップしていますね。コマ割り、
台詞回し、風景描写とかこの漫画センスが高いなと自信を持って言えます。ただの延々と続く日常ものじゃなく、成長や移り行く時を描写しているのが印象的ですし、
一本の筋が通った形で終わりました。前半で独特の世界観、イベントの説明を終了した感じで、後半はキャラの掘り下げや成長を描写していますがそれが非常に上手いです。ただの綺麗な物語で終わらずブラック面にも足を突っ込みますが、深刻にならないで
説教臭くならないように優しい雰囲気は維持されています。画力は相変わらず高いだけじゃなく、最後に行くまでさらに加速して、丁寧なのに劇画的にはならない良い塩梅で終わった稀有な作品かと。
ダラダラやれそうなのにこの巻数で収めたのも良かったですね。
日常系の一話完結話や女性漫画家の作品では合わないのが多い自分でも楽しめた辺り幅が広い作品で人に勧めやすそうです。前作「AQUA」は読まなくても楽しめますが、読んだ方が終盤に繋げてくるので感慨が違って来ます。唯一主人公灯里(彼女の魅力は本作
の長所で強く描かれる)の師匠・先輩のアリシアが引退はともかく作中出てこない誰かと結婚までしたのは釈然としませんでした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-09-10 06:46:57] [修正:2012-09-10 06:58:50] [このレビューのURL]

9点 RED

キャラ、画力、演出、群像劇的描写から
全体が見えてくる手法、メッセージ性、バトル描写、人間模様全部詰まった凄い作品だと思います。アメリカ負の部分の象徴なインディアン政策に焦点当てた漫画って題材が唯一レベルですし、復讐をテーマに西部劇を描き切った大作かと。

ラストで復讐の先にある
主人公レッドが揺らがずに本懐を遂げたというカタルシスと復讐が結局何も残らず報いすら受けた無残な最期(魅力的なヒロイン二人から愛されていたので余計惜しく見えるのが上手い)
という両面を提示したのも考えさせられました。

こういう題材なので重く暗いですが、ちょくちょくコミカルな
シーンを入れる辺りに上手さを感じて読みやすかったです
(それでもエグい演出多数ありますが)。

唯一気になったのは、ラストシーンでヒロインスカーレットの子孫で主人公レッドの生まれ変わり的なキャラと親友イエローの子孫が出会うという演出意図は分かりますし感動はあります。しかし互いの相方が身内キャラだったので、悪い意味での余りものカプ感が強かったです。ここはスカーレットとイエローは生存で、アンジーとチリカは死亡演出が素晴らしかったためそのまま死んでいた(これが実は生きてたは…)、スカーレットとイエローの相方は不明で必要十分だったと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-08-28 16:32:22] [修正:2012-08-28 16:32:22] [このレビューのURL]

不良漫画ってことで敬遠していたことを後悔
するくらいの名作だと思います。不良漫画色もありますが、格闘ギャグ漫画色、恋愛含めた青春漫画色が薄めている方かと。
主人公達も言うほどの不良活動はしていませんし。

作者のセンスが巧みで、ギャグ&シリアスがしっかり出来ている
から読んでて飽きません。ギャグはたまに抱腹ものがあります
、シリアスも胸が熱くなるシーンがあります。

キャラの個性が素晴らしく、主人公コンビはもちろん、ギャグ
でいつも笑わせて、たまにキメる時は感動
さえさえてくれる名脇役の今井のようなキャラ
まで輩出していますし(彼主役の外伝話も作られましたしね)。

10巻入るくらいまではまずまず面白いかくらいだったのですが、
そこから最後まで勢いがついて最後まで失速することなく、綺麗
に38巻を完走したのは稀な作品でしょう。
不良漫画苦手って人にもおすすめしたい名作です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-01-10 20:49:31] [修正:2012-01-10 20:49:31] [このレビューのURL]

ジャンプ黄金期を支えただけあって凄い作品だと思います。
大魔王を倒して世界を救うという目的を一貫して終了
させて、引き伸ばし感はありませんでしたし。

RPG的王道少年漫画ですが、
勇者ダイが人間じゃないということで、恐れられるシーン、
ラスボスから自分を倒すとさらにそれを受けるという指摘に
反論しなかったシーンなど、少年漫画的じゃないブラックな要素
もあって印象に残りました(ダイの最後も)。

ストーリーの組み立てが上手く、なかなか飽きさせません。
伏線もミストバーン、キルバーン辺りに驚くものもありました。

脇キャラからもう一人の主役と言ってもいいくらい成長を遂げる
ポップやラスボスとしての風格、大義を維持し続けて、最後の最後
まで小物化しなかったバーンなどキャラ達の魅力も上手く描かれています。

画力は少し古いですけど、それでも今でも読めるくらい十分な高さはあります。

欠点はヴェルザー関連をそのままにして終えたことと、
あれだけ死んだと思われてた唐突にも見えるアバン先生の実は
生きていた展開くらいでしょうか。
それでもメッセージ性も強く高く評価したい作品です。





ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-12-14 01:47:02] [修正:2011-12-25 02:06:20] [このレビューのURL]

ついに完結した本作。医療漫画系じゃおそらく最高傑作だと
思います。
医療関係の知識を入れながら、高い画力、個性あるキャラ
、迫力ある演出、見せ場、印象深いセリフなど、漫画として魅せることに成功。そして話の質がこれだけ
長期なのにほとんど下がらなかったなど稀有な作品かと。

大きなテーマとしては教授選の動向がありますが、
当初は、主人公の天才朝田、改革者加藤が物語の中心で、日本医療を腐ったとも表現しつつ、その問題点を暴き改革を訴える
という内容でした。

途中から凡人代表の医者として霧島、現体制保持者の野口が
その位置を大きくして、アメリカナイズ的な医療改革の問題点
などを反論。改革という言葉は具体的ではなく単語止まり
となって、教授選動向そのものがテーマになり、それを巡る駆け引きや心理描写に重きを置きました。

その作風の変遷には、作者の主張が朝田、加藤的から霧島的になったのではないか、日本医療の良さを再評価、+αくらいが必要という考えになったのでは、と思ったりしました(結局は読者にどう判断するのかは委ねる形になりましたが)。そのせいもあって、日本医療を擁護するキャラが後半は恩恵を受けて、特に霧島は前半と別人レベルになってしまった感じは短所でしょうね。ミキの妄想と片付けられるレベルか厳しいですし、作中でもノータッチでした
から。

しかし、全体としては「日本医療を巡る様々な人間の群像劇」として纏まったと思います。変遷は感じつつも最後の最後まで
毎回読み応えがあった作品は珍しいです。こういう漫画が最近は
少ないので終わったのが残念に思います。


ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-02-28 03:31:51] [修正:2011-02-28 03:34:55] [このレビューのURL]

一度文明が
滅んだ世紀末という時代を
舞台に、格闘を通じて人間模様を描いた作品。

主人公のケンシロウをはじめ濃いキャラ(漢的な)が多く、名言・
名シーンが多いのは周知の通り。随分時間が経った今でも
覚えているシーンが多いほど。画力も今読むと古いけど高く、
迫力・インパクトがあります。

ラオウとの対決までの面白さは誰しも認めるところですが、
それ以降も個人的には読んでいて、質の低下を感じないくらい
面白く感じました。ケンシロウが時間が経って、真の達人
になって、落ち着いた対処で相手を震えさす様が読んでて
楽しかったですね。ケンシロウの強さを相手から通して描写という
のが、より濃く描かれていました。
ラスボス的人物が裏技抜きでガチで戦って、
全然歯が立たず、「お前は井の中の蛙だ」と切り捨てられる
のはこの漫画くらいかと。

ラオウとの対決までの下積みがあったからこそこれは活きた
と思います。時々出る死んだライバル達をケンシロウが回想
して、背景に映るシーンはいつもグッと来ましたね。

最後の最後幼少時代からケンシロウに付いてきたリンとバット(二人が成長してあそこまで美女美男になるとはw)のオチも付けて、
そういう意味では蛇足感は少なかったです(ラオウの息子
は唐突でしたが)。

連載で世界観や話が進むにつれ粗や矛盾も出ますが
(ラオウの美化など)、読んでいる
時のスケール、パワーで上手く糊塗されたと思います。

振り返ってみるとやはり名作だったと思う作品です。








ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-02-06 04:05:14] [修正:2011-02-06 04:06:01] [このレビューのURL]

「岩手の虎」と言われた父を
目指す少年の王道剣道漫画。
何故こんなにレビューが少ないのか、ってくらい
出来が良い作品だと思います。
読んだのは随分前ですがのめり込みました。

読んだことない人は絵柄がやや古いですが、読んで
欲しいと思います。剣道漫画でこれより上はおそらく
ないのではないかと思いますし。

画力、演出に力がありますし、話も途中でとんでもないことが
起こって、主人公六三四の運命が変わるのに驚きました。
キャラの豊富さ、人物の心理など丁寧に作られています。

最終的には子供から高校生まで成長します。最初は暴れん坊だったのが、あれだけ人間が出来た好青年になるとは(ライバル達も子供の頃小汚かった奴を含め成長してます)。憎んでいた東堂を「先生」と素直に呼べるようになった時には感心しました。

かなり強くなりますが、社会人含めるとまだまだってところで終わったのはリアルでした(六三四無双で終わりってところで
ないのが良かった)。

最近作者が「JIN」でまたヒット飛ばしてると聞きましたし、それも完結したので読みたいですが、その作者らしい素晴らしい作品だと思います。今読むと多少古いのと汗臭いですが、それはそれで心に訴えるものであり、通じると思います。ややお色気カットが多い方が若干気になりましたね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-30 16:47:14] [修正:2011-01-30 16:47:14] [このレビューのURL]

伝説的偉人坂本龍馬の生涯を脚色と史実を織り交ぜて、ドラマ性高くしっかり生まれてから最期まで描き切った作品。竜馬の人間性が魅力的でしたね。司馬小説の龍馬像に近いですが、それを
漫画という分野で上手く表現できていました。

竜馬の目から見た幕末の流れが良く分かり勉強になります。
時流の変化におけるコロコロ動く人物、勢力関係などは見ててスリリングさがありました。

何より漫画自体が上手いので、淡々と歴史ものにありがちな史実語るだけにならず、インパクトをところどころ与える演出がされて
います。

印象的なのは、最終回の龍馬の最期です。作中で
愛されてる龍馬が、残虐な最期を突き放された演出で遂げることに、切なさや色々な余韻を残した強烈なものになったと思います。こういうのは歴史モノしかないだろうなと。架空話なら海援隊が世界に出て龍馬は幸せで終わっていたでしょうしね(この巻数で架空話でこれなら詐欺扱いでしょうから)。

気になる点としては、史実でない部分も当然それなりに盛り込んで、それが上手いので、これだけ読んで勘違いする人が出てしまうことですね。そして、龍馬が主人公なのでまあ当然ですが、龍馬を持ち上げまくるので、他の偉人達の凄さがこれだけ読んでるとなかなか分からないところでしょうか。まあその辺も作品に劇的さ与えるため、龍馬主人公の漫画としては酌量の余地は十分だとは思っていますが。

総じて龍馬を題材にしたものとしては、全分野でもトップクラス
なんじゃないかと思えるくらい面白く、史実性もそれなりに外していない素晴らしい20巻超えて纏まった歴史漫画だと思います。






ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-01-27 07:00:43] [修正:2011-01-27 07:00:43] [このレビューのURL]

ラーメンに対して好意がある人なら(自分はこれ)ドンピシャ
でハマる作品だと思います。
美味しんぼと似てる点もありますが、それ以外
には違いが以下にあります。

・主人公とライバル(雄山ポジ)に血縁ないので、ガチで好敵手
 助け舟など出さない
・成長し、テーマによってはライバルに勝つ場合が増える
・テーマによっては、ライバル以外の人間にも負ける
・最後まで料理で改心しない人間がいる
・先に出しても負けのケースも結構ある
・凄いもの作っても、経営観点などから審査外
・経営面の話が多い。単に美味いの作れば解決
 じゃない
・開業という最初の目的をやや引っ張りましたが、しっかり
 達成して引き伸ばし感は薄い

他には、ライバル芹沢のキャラはじめキャラが濃いので、
見てて楽しめます。経営面の話はラーメン以外にも通じる発想
だと思うのでこれもタメになるのではかと思いました。
初期から途中までの画力がやや低いのが欠点ですが
、絵柄自体は好きな方だったのでそこまで気になりませんでした。

多彩ながら、ラーメンがほとんどの話題なので、それへの興味、好意が評価に大きく左右するのではないかと思います。
自分は大好きと言えるレベルなので、特に評価したい作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-12-09 05:51:22] [修正:2010-12-09 05:53:16] [このレビューのURL]

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