「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

朗読の素晴らしさと方法論、対象となる名作文学作品の解説や解釈、それとリンクさせる登場人物達のキャラと展開、それぞれ出来が良くバランスがとれた隠れた良作だったと思います。藤田先生の弟子らしい熱血的な作風も効いていました。
少し人間関係で恋愛においてギクシャク感があるのと、単純化している絵柄を考慮してもキャラの描き分けが甘い感じがあったかなとは思いましたが、レベルの高い作品だったと思います。綺麗に終わってその後も感じさせるラストにも余韻がありました。

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[投稿:2016-09-09 03:28:50] [修正:2016-09-09 03:28:50] [このレビューのURL]

格闘街でのストリートファイト設定が面白く、ヒロインのドラえもんを女性化綾波レイに外見が似た師匠ドラエさんの存在が際立つ格闘漫画。地味という他の方の指摘には納得で緊張感、燃えをやや欠くのが残念ですが、全体として丁寧に良く出来た作品だったとは思います。「ホーリーランド」が楽しめて他にないか?と聞かれるとまず薦められるような作品。絵柄が良い意味でアニメ的、作風の明るさ、女性キャラのかわいさなどのこの作品の方が好きな部分はありますし。ただ終盤はドラエさんの出自辺りからとんでもなくご都合な因縁や再会の連続で白けも抑えきれませんでしたが。それでも連載10年を感じるテンポも悪さもありましたが、全体として評価出来る良作格闘漫画だったとは思います。

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[投稿:2016-08-28 17:50:54] [修正:2016-09-02 02:57:57] [このレビューのURL]

頭のネジが外れている戦場カメラマン犬塚がSF的な近未来戦争を狂言回しとして紀行する物語。SFを交えているのに戦争の真実を泥臭くあぶり出すというスタンスがエログロ満載なのですが効果的に効いています。少し人物に癖あれど美麗で詳細な画力や見やすくて格好良い迫力あるバトルも素晴らしいです。

前半の比較的短い一編完結の出来が特に良く他作じゃなかなかみれない作風で新鮮でした。後半の羊飼い編からは話もやたら長く迷走してしまった感があるのが残念ですね。犬塚も現場介入し過ぎてラストは超常的人物になってしまいましたし。一応はロボバトルが凄かったり、半端ない虐殺など見るべきシーンもあり読めましたが。後半含めてもセリフが多くないので、テンポ良く読み切れる点も含めて異色の隠れた良作だったと思います。

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[投稿:2016-08-01 22:59:09] [修正:2016-08-01 22:59:09] [このレビューのURL]

未読ながらタイトルは知っていた超有名な原作の漫画化(導入は同作者の別事件)。ただ登場人物、舞台も当時の日本というアレンジがあります。そしてアレンジしながらも原作の良さを十分に引き出して漫画化出来ていたのではないかと。

話には引き込まれて、劇場型事件の展開やミスリード含めたその謎解きと真相は素晴らしさがあり、古典ながら現代でも言われるだけはあるなと。日本人化と言いながら主人公「灰色の脳細胞」ポアロはほぼ原作的な容姿やキャラなのではないかと思えましたし、その魅力は満載でホームズに並ぶ世界的な名探偵(架空キャラで)だと伝わるものがありました。

女性の顔の描き方が男性チックな感じ、正直日本にあえてアレンジした意味があったのかどうか疑問が残る(原作既読者が違和感なく読めるのかは疑問)、など気になるところはありましたが、世界的原作を漫画化したと言える出来の作品でなかなかの秀作だと思います。

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[投稿:2016-07-09 07:36:10] [修正:2016-07-09 07:36:10] [このレビューのURL]

絵柄の古さは否定出来ないものの、流石長谷川作品というだけのスケール、話の展開や熱さと畳み方は素晴らしいです。一人で異世界行く話は最近の流行りですけど、学校全体で行くというのは特有のものだと思います。七回しかロボット乗れない制約を課す中で序盤でかなり使ってしまい、緊張感を持たせながらちゃんと帳尻が合ったところも感心しました。総合的に「マップス」には及ばないとは思いますが相当な良作です(好みによって上行くかもしれない)。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-06-23 02:01:13] [修正:2016-06-23 02:01:13] [このレビューのURL]

柔道、競艇に続いて書道を扱った漫画。相変わらず説明が分かりやすく、それを上手く展開に絡めるのでマイナー分野を広げるのに貢献している作品。書の深い解説には何度も唸ってしまいました(結局最後まで解説なしだと良さは分かりにくいのが正直なところ。それでも説明受けると納得出来るくらいには)。今回は主人公が草食系かつ好感が持てる性格だったこと、ヒロインが体育会系かつ前二作と違い存在感発揮しているところも作者の新境地を感じました。画力が向上してキャラの描き分け、女性キャラのかわいさがあがっているのもポイントでした。前二作でも試合より普段の日常描写が好きだったので、そこに軸があるのも楽しめました。そのおかげで人物達への好感度があがった気がします。連載中見かけて立ち読むと地味で面白そうじゃないって感じでしたが(結構遅筆かつあまり連載中は良い評判聞かなかったのも)、完結後一気読みで印象一変しました。残念なのが一区切り付けて、主人公とヒロインの恋愛も先を匂わす及第点の終わり方でしたが、部長になった主人公を中心とした新学年から卒業までじっくり見たかった未練はあります。個人的好みなら「モンキーターン」を超えて作者作品では一番好きです。三作どれも差異を出しつつ、優れている作者の実力は素晴らしいと思います。

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[投稿:2016-06-20 19:13:47] [修正:2016-06-20 19:13:47] [このレビューのURL]

まずタイトルからしてインパクトが強くて惹かれますが、そのままの勢いで最後まで行くサスペンス漫画。時間移動ものとしての出来も現在においてすら素晴らしいです。運命論(何やっても変えられない)を否定しつつ、かといって本質を捉えて変えることの難しさが伝わるラストが印象的でした。1995年当時の歴史的事実を絡めつつ、時間移動前2024年の描写もここまで飛躍していないまでも現在がこの方向でややキナ臭くなって来ている感じなのは驚きました(連載当時はさらに遠かった時代ですから)。濃い絵柄はともかく画力不足的なのを各所に感じたのが残念ですが、全2巻で纏まっていますしかなりの良作です。なかなか読むのが現在においては困難かつ知名度が低いままなのが残念なほどです。

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[投稿:2016-06-11 15:56:42] [修正:2016-06-11 15:57:25] [このレビューのURL]

自称侵略者イカ娘を中心とした海の家を舞台にしたコメディ漫画。「イカちゃんかわいい」で知られているだけに主人公イカ娘の魅力(自然な可愛さ)が凄いです。掲載雑誌チャンピオンのヒロインとして9年間支えただけのものはあります。脇キャラ達もイカ娘を引き立てる存在ながら、嫌みなくそれが出来ていました。それぞれがイカ娘に対して呼び方が変わる関係性の変化はなかなか上手い部分。絵が可愛い絵柄でありかつ上手さを感じるのも評価点。

一方で「話は面白くない」とも言われますし、実際もっとキレがあればと思う部分もありますが、ほのぼの安定しつつたまに本当に笑えますし、下ネタ、暴力、重い話の不愉快な感じがなく一貫したのは良かったかと。最終回も終わらない日常を選ぶ終わり方はらしくて良かったと思います(おまけ別季節漫画が実は後日談だったことに。ただシンディー達の帰国は寂しかった)。

作者の師匠である「無敵看板娘」に通じる部分がありますが(長期漫画ながら登場人物をあまり増やさないなど)、総合的には超えた出来だと思います。特に最近安心して読める作品が減ってる感がある中で元気を与えてくれる漫画でした。一話完結が基本ながらたまに過去の話題も出るので一気読みでも楽しめます(出来の落ちる話が来た時すぐに次に行けるメリットがある)。

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[投稿:2016-06-08 01:53:44] [修正:2016-06-08 01:53:44] [このレビューのURL]

オタク要素を抜いた(苦手だったからこれは嬉しいです)「SteinsGate」という雰囲気の時間系SF漫画。キャラデザにやや癖あるも画力はそれなりで毎巻の引きつけはなかなかのものかと。続きが気になります。この手の作品は伏線の回収、話の畳み方次第で大きく評価が動きますが現時点ではこの評価で。作者の他作品も気になったので時間があれば読んでみます。

完結後追記
全体としては全8巻で気になる点もあったものの、それなりに纏めたと思います。特にタイトルの伏線回収は見事でした。残念な点としては、犯人当てが簡単過ぎるところ(何の捻りもなくこの人だろうなと序盤連載時に言われてた人が犯人)、ヒロイン的な女性二人がどちらも半端な感じだったこと(特に描写が最も多いヒロインは寝取りみたいに怒った人も居たようでそれも一理ないことはないなという感じ。母親がヒロインみたいなもの。一方で母子描写は秀逸だった)、主人公だけが持つ再上映能力をもっと掘り下げて欲しかったところ、犯人を捕らえる解決がやや強引に感じたところなどがありました。

それでも他に読んだ作者他作品に比べると尻すぼみ感は少なかったですし、時間系漫画作品では今後も名前が挙がる作品になるのではと思いました。

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[投稿:2014-04-27 05:58:02] [修正:2016-05-14 01:01:26] [このレビューのURL]

8点 聲の形

[ネタバレあり]

生々しい障害者へのいじめで連載中話題になった感のある作品ですが、それもテーマの1つという感じでいじめ、人間関係全般を扱っている感じの作品だと思います。それがむしろ良かったですね。健常者である主人公石田の転落、苦悩やそこからの再起など心理描写も含めて良く描けていたと思います。

ヒロインであり聴覚障害者の西宮のかわいさはそれが多少あざとくなる面はあったとはいえ、それでも障害者の苦しみ、彼女が抱える自虐など彼女との交流が安易じゃないところも描けていたと思います。作品としてはヒロインがかわいいのは純粋に評価出来ますし。彼女との恋愛要素を主題ではなく、奥ゆかしい感じで描いていたのも良かった(ただラストは性的なことももうハタチなので扱っても良かったのではと思うが)。
脇を固める人物達も生々しい嫌な部分を描きつつ人間臭かったところにときに腹立ちつつも理解はしました。

終盤衝撃の西宮自殺騒動から話の収束がやや上手く転び過ぎではと思う部分は感じつつも、最終巻石田のこれからの生き方への決意と本当に西宮に謝罪して和解した時は感動もあり、後味良く綺麗に終われました(島田達との決着を描かないのは良かった。島田達の本心は悪意にも向き合う石田の決意をみると改心してなくても構わない訳で、彼らにもし苦悩があったり、改心まで描いてしまうと安易に見える部分もある)。連載中は話題になり過ぎた感もある作品であって、その反動で細部に批判も多かったイメージでしたが、練られた本質を捉えつつ心に響く良作だったと思います。

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[投稿:2016-04-04 20:05:34] [修正:2016-04-04 20:05:34] [このレビューのURL]

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