「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

知名度がほとんどない作品ですが、代表作「3×3EYES」に比べても劣らないどころか全10巻中だるみほぼなしで伏線めいたものは回収して、綺麗に終わるので読みやすさでは勝る作品。珍しい航空業界の事故回避をテーマに女性パイロットを主人公にしつつ、毎回勢いがあり破天荒ながらストーリーが楽しめます。飛行機事故頻度の多さやありすの奇抜な操縦法についても、現実性が薄いのを予知能力を絡めたり、作者や監修がなんとか現実を意識して合わせようとしている感じも伝わりました。

一番の魅力は主人公(ヒロインでもある)ありすです。その独特なキャラ、顔芸含めてヒロインがかわいい漫画として一見の価値があると思います。欠点としては彼女の影に焦点当たる後半よりやっぱり前半の方が作風は楽しめたところ、彼女の相手役であるゴリラ顔機長(これ自体は珍しく良かったが)が終盤株下げまくった(理由があるにせよありすを邪険にし過ぎたり、彼女と一度別れて他の女と付き合うなど)ところですかね。

総じてベテランの域に達した作者が代表作に加えてこれだけの作品を作っているのが、あまり知られていない感じなのは残念なほどの良作だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-03-16 20:45:59] [修正:2016-03-16 20:45:59] [このレビューのURL]

大食い競争番組をあんまり見ないし、好きでもなかったのですが、この漫画は部活スポーツ漫画として十分通じる面白さと熱さがあったと思います。主人公天子の食べっぷり実に素晴らしく、見ているだけで楽しい気分になるスター性があります(実際存在すれば相当な食いドルになれそう)。絵もキャラデザがしっかりして、画力があり、描写もキャラ立て(顔芸込み)が上手いので天子以外でも登場する女性キャラ達がそういう系統の漫画じゃないのにとても魅力的です。

そして競技としての大食い競争の薀蓄、読みにくい勝敗(主人公含めメンバーが負ける時は負ける)など読ませるものがあります。試合のない時の話も楽しい部活漫画の要素もありました。10巻で全国大会までやれるのかよと心配になるペースでしたが、全国大会がかなり駆け足になりながらも綺麗に話を終わらせたところには感心しました。欲言えばその辺をもう2、3巻じっくりやってくれてもとは思いましたが(試合も炎天下でどれだけ食べられるか、連戦の省エネだけが決め手の単純なものになってしまった)。現在も色々と批判もある競技なので、とても有名になれる漫画ではなかったと思いますが、良い作品を発見出来たなと思えました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-03-06 12:22:01] [修正:2016-03-06 12:22:01] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

突出した要素はないかもしれませんが、丁寧な描写で魅せて積み重ねて行く、総合力勝負の素晴らしいスポーツ漫画(サッカーが題材だが)だと思います。40巻にも及びますが中だるみなく加速感があります。他漫画より試合で負けることが多かったり、試合展開も単調にならないように意識している感じも良かったです。もっと知名度あっても良いのではと思うほど。

気になったのは画力と迫力と見やすさはあるのですが、描き分けが少し甘い部分、独自性ではあれど後半の軸となるマネージャー(ヒロイン)の死に逝く過程が常に影を落とす(その辺事故死のタッチって上手かったかも)のが爽快感をやや削いだかなとも思いましたが。

全体的な完成度は素晴らしいです。サッカー漫画の中でも近年ということもありますが(理論が新しい)、相当に上位を争うのではと思います。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2016-02-19 01:54:43] [修正:2016-02-19 01:54:43] [このレビューのURL]

名前は誰でも知っている徘聖松尾芭蕉の奥州紀行名作を漫画化した作品。ベテラン漫画家として絵が上手いですし(風景が素晴らしく旅気分になれる)、当時の俳句業界や芭蕉の半生も紹介しながら、名句が産まれる瞬間を丁寧に描写した凄い作品。作者がかなり芭蕉研究家な感じで諸説も検討して、これだと思う推測をしているのも素晴らしいところ。出来れば芭蕉の晩年も辞世の句が素晴らしいので描いて欲しかったところですが(本作は重要部分紹介で旅の終わった瞬間も描かれてない)。この古典漫画化シリーズでも頂点を争う作品なのは間違いないと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-02-10 19:43:38] [修正:2016-02-10 19:43:38] [このレビューのURL]

一話完結の感動話集(ARIA的な)を想像して読み始めて、そういう話もありますが、少年漫画の割にダークな要素が豊富です(後半辺りは切ないオチや種明かしが急増。後述のラストも)。その独特の世界設定や雰囲気があり、バトルや世界の謎や真実などに迫る大筋への比重が大きいのには驚きました。その絡め方が上手く途中からは目が離せないほど熱中しました。完結後の一気読みまで待って良かったです。

まず絵が相当に上手い。流石月刊誌連載という描き込みが活かせてます。キャラデザも素晴らしい(美人の女性が似ている傾向はありますが)。バトル描写も迫力は勿論何をしているのかすぐに把握出来る見やすさも重要なポイント。

中だるみ感がなく長期連載を謎をほぼ残さないで畳んだところは評価できますが、終盤はかなり急いでいたのが伝わったのが残念でしたね。首都関連は肩透かし感がありましたし、重要人物が敵に回った時は「おおっ」という感じでしたが、結局大事をなさない尻すぼみ的扱いで終わりました。

ラストも考え得る落としどころではあったものの、好きなラストかと言われると持って行きようが他になかったのかなとも(シルベットが可哀想で。ラグへの「だいすき」を思うと余計に。ニッチがヒロインながらマスコット的だったのも)。終わってみるとモヤモヤしたものも残ったのはありますが、全体のクオリティは最近完結の少年漫画ではそうそうないのではというほどだと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-01-28 01:49:17] [修正:2016-01-28 01:49:17] [このレビューのURL]

押切先生の自伝的少年時代のゲーマー懐古作品。
30、40代くらいの
ゲーム経験者じゃないと分かりにくそうなネタが
多いですが、そこをクリアするとノリが良く非常に面白い
です。一話完結の実録ギャグ漫画としてハイレベル。
そしてノスタルジックさを感じさせてくる作風で感動
もあったり。もともと先生の他作品も好きでしたが、
これはあんまり面白くなさそうと敬遠していたことを後悔しました。ネタとしては後の二作も読みましたが、本作が一番
キレがあります(これで終わりの予定だった
ので先生が一番出したいのを真っ先に懐古したと
考えられる)。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-01-17 12:06:59] [修正:2016-01-17 12:06:59] [このレビューのURL]

4巻まで既読。元寇という珍しい題材を軸にした作品。ノストラダムスで有名なタイトルは中々秀逸。作者が初連載とは思えないほどクオリティが高いです、史実要素と奇説要素(義経伝説、安徳天皇生存説)も上手く配合しながら進めています。

主人公の外見や性格に「皇国の守護者」(流人の元御家人はそういう人物が資料にいたらしく良設定。有能過ぎるくらい有能だが、それくらいなので圧倒的な蒙古と対抗出来るカタルシスがある)と被るところがあります。そして熱く迫力がある作風や無双などに「キングダム」の影響を感じますが、現状は双方の良いところ取りができていると思います。ヒロインの姫様もこの手の漫画じゃ珍しいくらい美人でかわいいです。

テンポも非常に良く続きが気になります。マイナー掲載で連載中ですが、この質を維持して元寇をキリ良く描いてくれたらと期待します。そのためにももう少し知名度があがれば良いのですが(アマゾン売上ランクでは比較的上位常連になりつつあるが)。ただ3巻くらいから絵がやや雑になり、4巻と最近の連載分を見るとかなり落ちている気がします。ネット連載の状況がどうなのかは分かりませんが。今後の復調に期待したいです。

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[投稿:2015-08-29 05:28:44] [修正:2015-11-22 01:21:44] [このレビューのURL]

サザエさん時空で行くのかと思いきや進級したのに驚きましたが、今のところ中身は同じですね。主人公想のキャラが常識人化していたのが、面倒臭がりでクールな以前の変人的な感じに戻っているのは良いと思います。相変わらず面白いのですが進級を活かしたネタが出てくれれば。想と可奈の関係の変化にも期待したいですし。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-10-21 00:11:23] [修正:2015-10-24 04:31:36] [このレビューのURL]

孔明死後から三国の終焉までを描いた完結編的作品。前作の終盤を補完しているところもあり。横山三国志でもこの部分はさっさと終わったはずなので、この部分においては本作品の分量はそれなりに十分だと思います。知名度が薄いがやっぱり知っておきたい「その後」を漫画でちゃんと読めたのはありがたかったですね。サクサク読めましたが、気づいたら前作と合わせると文庫で全17巻でそれなりの分量になっていたのは驚きました。
読みやすさに長けた作品だなと改めて感じた部分です。

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[投稿:2015-10-04 07:29:50] [修正:2015-10-04 07:29:50] [このレビューのURL]

8点 三国志

三国志漫画としては横山三国志と蒼天航路の二本柱状態ですが、どっちもイマイチ合わなかった自分としてはこの作品を推したいですね。横山三国志同様に演義ベースで少しだけ正史にも配慮という感じですが(第一部辺りは曹操の偉大さにも結構触れている。第二部からは完全に演義)、画力があって(特に二部以降は相当高い)、横山作品にはない描き分けや迫力があり、かといって蒼天のような引いてしまう癖ある描写もなかったです。キャラデザもイメージ通りのキャラが多かったです。ペースが結構早いですが、そこはテンポ良く読めたところもあり、内容も大事な箇所は抑えていると感じました。このレベルのことを知っておけばマニア以外は十分でしょうし、これでイメージ作りして文章媒体で補完したり、正史のことも知っていけば良いかなと。一気読み可能な分量も含めてそういう意味でのスタンダード的な良作だと思いました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-10-04 07:23:56] [修正:2015-10-04 07:23:56] [このレビューのURL]

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