「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

頭のネジが外れている戦場カメラマン犬塚がSF的な近未来戦争を狂言回しとして紀行する物語。SFを交えているのに戦争の真実を泥臭くあぶり出すというスタンスがエログロ満載なのですが効果的に効いています。少し人物に癖あれど美麗で詳細な画力や見やすくて格好良い迫力あるバトルも素晴らしいです。

前半の比較的短い一編完結の出来が特に良く他作じゃなかなかみれない作風で新鮮でした。後半の羊飼い編からは話もやたら長く迷走してしまった感があるのが残念ですね。犬塚も現場介入し過ぎてラストは超常的人物になってしまいましたし。一応はロボバトルが凄かったり、半端ない虐殺など見るべきシーンもあり読めましたが。後半含めてもセリフが多くないので、テンポ良く読み切れる点も含めて異色の隠れた良作だったと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-08-01 22:59:09] [修正:2016-08-01 22:59:09] [このレビューのURL]

「名探偵マーニー」の直後連載ということもあり、作風の基本は同じような感じかと。マーニーよりも女性キャラがかわいい、作者のセンスの高さを感じる部分はあるものの全体としては中途半端で劣化なのは否定出来ずに、終盤の駆け足は凄まじかったのが残念です(いきなり全部知ってた系キャラが出てきて主人公までマリオネット)。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-07-29 02:04:52] [修正:2016-07-29 02:04:52] [このレビューのURL]

原作以外の「レミゼラブル」じゃ最高の出来ではないかと思うほどの作品。漫画媒体の魅力を存分に活かしているので、原作とも別次元で競えるのではと思います。作者の連載作を全部読んでいますが、もともとの安定した実力に加えてキャラ描写、画力、演出全ての面で成長が感じられました。現在の最高傑作だと思います。みなもと先生の同漫画化作品を読んで先に大まかに把握したのが今となっては惜しいほど(あれはあれで楽しめたしギャグはともかく上手く要約してたんだなと再確認は出来たが)、全8巻で忠実かつエピソードが豊富、ダレた感じもないまま円満に終われた感じで綺麗に完結しています。古典名作をこのような形の質量で漫画化というのがもっと広まって欲しいと漫画好きとしては願います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-07-23 11:46:03] [修正:2016-07-23 11:46:51] [このレビューのURL]

ヤクザが異世界に行ってメルヘンチックな世界を冒険するという現在でも独特な設定を持つ物語。絵柄のかわいさ、それに隠れたノスタルジックなメッセージ性が印象的。全1巻で綺麗に完結しているのも良いのですが、もう少し巻数が増える感じでじっくり進んだ方が、終盤などもっと感動出来たのではと残念な部分もありました。現在「漫画図書館Z」で無料で読めるのでお得感はある作品だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-07-23 07:03:26] [修正:2016-07-23 07:03:26] [このレビューのURL]

猟師兼漫画家の実録猟師漫画。これは一読の価値がある漫画でした。「これを捕まえて食べるのか」という普段では考えられないことを平然とやってます。そしてそれが美味しそうに楽しそうに見える不思議(たまに不味いのが来た時は笑える漫画に)。銃、獲物、猟、サバイバル、猟師達などの豊富な情報量の知識を漫画に絡めて分かりやすく、文字だらけでダラダラになっていないのも長所(説明や図解が分かりやすい)。欠点は単純な画力不足で時々の雑さも我慢が必要でした。ここがグロさを抑えながら迫力や丁寧さがあれば良かったかなと思いますが。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-07-20 04:29:01] [修正:2016-07-20 04:29:01] [このレビューのURL]

未読ながらタイトルは知っていた超有名な原作の漫画化(導入は同作者の別事件)。ただ登場人物、舞台も当時の日本というアレンジがあります。そしてアレンジしながらも原作の良さを十分に引き出して漫画化出来ていたのではないかと。

話には引き込まれて、劇場型事件の展開やミスリード含めたその謎解きと真相は素晴らしさがあり、古典ながら現代でも言われるだけはあるなと。日本人化と言いながら主人公「灰色の脳細胞」ポアロはほぼ原作的な容姿やキャラなのではないかと思えましたし、その魅力は満載でホームズに並ぶ世界的な名探偵(架空キャラで)だと伝わるものがありました。

女性の顔の描き方が男性チックな感じ、正直日本にあえてアレンジした意味があったのかどうか疑問が残る(原作既読者が違和感なく読めるのかは疑問)、など気になるところはありましたが、世界的原作を漫画化したと言える出来の作品でなかなかの秀作だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-07-09 07:36:10] [修正:2016-07-09 07:36:10] [このレビューのURL]

輪廻転生を題材に長年に渡る主人公、ヒロインの宿縁(宿敵的)を描いた作品。まず「惑星のさみだれ」では痛いキャラやノリが目立ったものの、こちらではそれは抑えられています。本筋が中心なので目立たずに済んだというか。そして何よりストーリーが全6巻と思えないほど壮大です。

過去、現在、未来それぞれの時代や場所を舞台(編)として、リンクさせて行く手法で唸らされました(感覚的に「火の鳥」の猿田などに近い)。特に現世の主人公以外の登場人物達も舞台ごとに配置しつつ、未来の世界を過去生とする時の円環を利用したのが効いたなと。後半やや霊学というSF的な説明調が増えてテンポを削いだなと思うところ、最後に本筋と関係ない部分で少し謎を残したところはありましたが、全てを現在に集約して、輪廻転生というものに肯定的な深みを感じつつ余韻を残した畳み方は見事でした(握手のシーンは感動)。最近「さみだれ」の方は一時の高いネット評も落ちている感じですが(批判も目にするようになった)、こちらの作品の方はそういう人にも薦められるのではと思えるほどの作品でした。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-07-08 00:20:03] [修正:2016-07-08 00:20:03] [このレビューのURL]

絵柄の古さは否定出来ないものの、流石長谷川作品というだけのスケール、話の展開や熱さと畳み方は素晴らしいです。一人で異世界行く話は最近の流行りですけど、学校全体で行くというのは特有のものだと思います。七回しかロボット乗れない制約を課す中で序盤でかなり使ってしまい、緊張感を持たせながらちゃんと帳尻が合ったところも感心しました。総合的に「マップス」には及ばないとは思いますが相当な良作です(好みによって上行くかもしれない)。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-06-23 02:01:13] [修正:2016-06-23 02:01:13] [このレビューのURL]

柔道、競艇に続いて書道を扱った漫画。相変わらず説明が分かりやすく、それを上手く展開に絡めるのでマイナー分野を広げるのに貢献している作品。書の深い解説には何度も唸ってしまいました(結局最後まで解説なしだと良さは分かりにくいのが正直なところ。それでも説明受けると納得出来るくらいには)。今回は主人公が草食系かつ好感が持てる性格だったこと、ヒロインが体育会系かつ前二作と違い存在感発揮しているところも作者の新境地を感じました。画力が向上してキャラの描き分け、女性キャラのかわいさがあがっているのもポイントでした。前二作でも試合より普段の日常描写が好きだったので、そこに軸があるのも楽しめました。そのおかげで人物達への好感度があがった気がします。連載中見かけて立ち読むと地味で面白そうじゃないって感じでしたが(結構遅筆かつあまり連載中は良い評判聞かなかったのも)、完結後一気読みで印象一変しました。残念なのが一区切り付けて、主人公とヒロインの恋愛も先を匂わす及第点の終わり方でしたが、部長になった主人公を中心とした新学年から卒業までじっくり見たかった未練はあります。個人的好みなら「モンキーターン」を超えて作者作品では一番好きです。三作どれも差異を出しつつ、優れている作者の実力は素晴らしいと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-06-20 19:13:47] [修正:2016-06-20 19:13:47] [このレビューのURL]

まずタイトルからしてインパクトが強くて惹かれますが、そのままの勢いで最後まで行くサスペンス漫画。時間移動ものとしての出来も現在においてすら素晴らしいです。運命論(何やっても変えられない)を否定しつつ、かといって本質を捉えて変えることの難しさが伝わるラストが印象的でした。1995年当時の歴史的事実を絡めつつ、時間移動前2024年の描写もここまで飛躍していないまでも現在がこの方向でややキナ臭くなって来ている感じなのは驚きました(連載当時はさらに遠かった時代ですから)。濃い絵柄はともかく画力不足的なのを各所に感じたのが残念ですが、全2巻で纏まっていますしかなりの良作です。なかなか読むのが現在においては困難かつ知名度が低いままなのが残念なほどです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-06-11 15:56:42] [修正:2016-06-11 15:57:25] [このレビューのURL]

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