「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

少年サンデーのノリを踏まえつつ、大人が読んでも示唆を感じるような最近の時事も含めた経済&政治要素を上手く絡めた作品です(主人公側の主張を押しつけにならず、対立相手も否定しない穏当なスタンスなのも良い)。学園マネー闘争と選挙を独特の世界観を構築して最初は無茶だろと思いつつ次第に慣れと細部の設定で「こんな学校(世界)があっても面白そう」と感じるように。

キャラも主人公市場クロガネの変人天才設定も個性的に描けていて、彼と絡む周辺人物も上手く掘り下げられていました。序盤の画力不足、後半の選挙編がややグダった(面白いが立候補している訳でもなく、悩んでしまう主人公の存在が薄い時期が続いた)、女性キャラかわいいのに恋愛要素がほとんどないのが惜しいなど思ったところはありますが、裏サンデー連載で13巻も続いた面白さ、綺麗に完結したところは大したもので表サンデーにも劣らない(どころか最近のより面白いかも)隠れた良作だと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2017-01-21 01:00:19] [修正:2017-01-21 01:00:19] [このレビューのURL]

本格的なSF要素を交えながら、ゆるりとした世界観で地球を訪ねる
宇宙人のトラブルを解決する一話完結話。絵の感じといいアフターヌーン連載らしさ
があり、安心して読めます。マイナーですが藤子SF辺りが好きなら相性がかなり
良さそうな隠れた良作だと思います。相棒の宇宙人クタムがエグい外見ながら
主人公(こっちはもっと美人で良かったかも)との掛け合いが楽しく
話に比例して親しみが持てて来るのが面白いです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-12-19 18:26:44] [修正:2016-12-19 18:26:44] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

凡才奏者主人公と天才指揮者ヒロインを据えた音楽漫画。音大青春要素と業界知識の塩梅が良いです。主人公をあえて凡才にしてヒロインの天才ぶり(変人だが)について行くのが独自スパイスとして効いています。変人なヒロインでさえ(最後の行動はともかく)可愛げがあって、主人公を想う二人のサブヒロインもいて、地味目な絵柄以上に女性キャラの描写が上手いです。画も時々荒かったり、描き分けが似た人が居ますが、丁寧かつ好きな画風です。演奏の迫力はイマイチですが。

毎話ごとの作曲家コラムも深さと分かりやすさがあって良かったかと。ただ最大の欠点として最後の締め方が…。変人とはいえあんまりだろってほどヒロインの突飛な行動で幕を閉じてしまう嫌な感じでどんでん返し。エピローグも登場人物が僅かしか出ないで、主人公がサブヒロインのどっちを選んだか曖昧な描写でモヤモヤ(まあ幼馴染かな)。全体としては良作なのは揺るがないとは思いますが、世に音楽漫画が多い中でも光るものがあると思えるほどの出来だったので残念さも大きいです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-12-13 17:46:30] [修正:2016-12-13 17:46:30] [このレビューのURL]

NHKでアニメ化もされたファンタジー小説をコミカライズした作品。骨太な世界観があり、良い意味で原作者、主人公エリンはじめ物語の軸にいる重要人物に女性が多い珍しさ、それを活かした掘り下げや心理描写。ちゃんと表現出来ているんだなと感じるだけの画力(原作挿絵担当者が本作作画も担当。男性読者でも馴染み易い画風。アニメもチラ見したことがあるが、漫画版の方が原作雰囲気はしっかり出せているのではと思う)。タイトルにピッタリで本来終わらせる予定だったらしいところまではしっかり漫画化されており(アニメもこの辺まで)、そのラストシーンは強い感動があります(特にエリンの独白にはグッと来るものが。痛いシーン含め過程があったからこそ)。ただ原作もそうらしいですが(続編が作られた一因)、ここで終わるとキャラと世界のその後などエピローグがどうしても欠けている印象が否めません。惜しく感じるし、結局その先も調べてしまうほど。漫画として考えると欠点なのは否めなかったですね。もう少し漫画では原作の先があるだけに、それに沿うエピローグ的なのを付けて一区切りとした方が良かったと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-12-02 20:08:11] [修正:2016-12-02 20:08:11] [このレビューのURL]

熱い筆致で百年戦争序盤を有名傭兵の視点から描く歴史漫画。画力があり、内容も傭兵を主人公に据えたため、戦争の現実と大局をしっかり描けています(同陣営の雇い主ながら、当時初陣の若さだった英雄エドワード黒太子との傭兵VS騎士道の関係も見どころ)。ただ打ち切りだったのか、主人公ジョン・ホークウッドの後半生(百年戦争参加後イタリアに渡ってからの活躍)が抜け落ちた格好なのが残念です。戦争の小休止、「騎士道の終わり」のテーマには区切りをつけた一定の終わり方はしていますが。「キングダム」辺りが好きな人には相性の良い近年完結の歴史佳作だとは思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-11-18 01:43:30] [修正:2016-11-18 01:43:30] [このレビューのURL]

7点 少年Y

前半正解のない命の選択をテーマに、後半はグッズと呼ばれる特殊道具を使用した、デスゲームを扱った作品。最近の急増しているデスゲーム作品は開始は面白く、すぐに迷走して最後は投げるような作品が多い印象です。しかし、本作については前半が面白く(決め台詞「チョチョイノチョイス」は印象的。読者に考えさせる深みがあった)、後半ややグダりつつも粘りながら、最後は小さい風呂敷ながらそれなりに畳んだと思います。絵や演出(グロいシーン含め)も良い補助になっていました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-10-18 21:20:13] [修正:2016-10-18 21:20:13] [このレビューのURL]

小学生の女子に大学生の男が拉致監禁という異常な状態から始まる物語。途中まではサイコホラー気味、真相が分かって来てからは切ない人情ものという感じです。
絵に雰囲気と迫力がありますし、テンポ良く読めて続きが気になりました。怖いなとしか思えないヒロインUに妙にかわいげを感じて来れるようになる辺りが良かったです。
正直西尾維新作品は苦手な部類に入るのですが、本コミカライズはその西尾的な部分を和らげて一般向きにしている感じがします。悪い意味での技巧やしつこさを抑えて、「異端」に対するメッセージとしても分かりやすさと説得力がありました。
伏線が分かりやすい故に比較的早期に真相が読める、リアリティ重視の中で最後がちょっと出来過ぎでは(Uの更生はほぼ厳しいという見方があったので。濁した形の方がとは思った)と気になる箇所もありましたが、全3巻ものとしてかなりの良作だったと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-10-13 00:31:28] [修正:2016-10-13 00:31:28] [このレビューのURL]

全体は日常&ウンチクの良くある漫画です。しかし、この作品の素晴らしいのは工科大学という難しい舞台設定をしながら、ザックリと分かりやすい科学概念解説(文字だらけで学術書的にもなっていない漫画ならではの分かりやすさ)、科学史と伝記のような聖人君子ではない偉大な科学者達の横顔紹介です。そこに驚き、笑いで惹きつけられました(各話後の解説、おまけのバーに集結漫画も必見)。絵に癖がなく、キャラも個性はともかく嫌味な人間はいないのも読みやすかったです。
工科大学だから特に地味な普段の生活(と恋の行方)、勝手にやっている生活実験があまり面白みを感じず、半分近くを占める概念と歴史ウンチクばかりで行っても飽きそうですし、全3巻ですがキリ良く終わったのではと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-10-05 22:23:40] [修正:2016-10-05 22:23:40] [このレビューのURL]

まさかこの作品が完結する日が来るとは…。惰性でもなんでも続くと思っていたので衝撃でした。序盤は絵を見ても定まってない感じがありましたが、次第に一話完結漫画として至高的な面白さがあったと思います。連載がいつまでも続き、絵の変遷、さすがにネタの苦しさ、マンネリなどが生じて、それがこのサイト含めてネット上での点数評価等を大きく下げているのも事実だと思います(自分も途中からかなりの部分を読んでない。たまに見かけると読む程度)。

しかし、連載の継続でキャラクターが生き続けていました。連載が終わると作中死のうが生きようが全キャラがある意味死んでしまい思い出の存在になります。その意味で過去の本作は良かったなあと語る意味合いが、連載中の生きいているキャラを語るのと、完全に思い出になるとは違って、本作が前者を長く長く保ったことは改めて感慨深いですし、ついに後者になったことへの寂しさも感じます。純粋に作品の完成度を評価する時は否定的にならざるを得ませんが、それでも上記思い入れや作品の功績を考えるとこの点数未満はつけられないかなと思います。もし今まで未読だった人には全部とはとても言えませんが、自分が面白いと感じる部分だけでも是非読んで欲しい作品です(一話完結を徹底してどこからでもたまに読めるので)。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-10-03 00:36:11] [修正:2016-10-03 00:36:11] [このレビューのURL]

城の擬人化(女性)で歴史、人物との絡みに注目して、選んだ名城について十編程度の漫画と四コマでその他城について補足する漫画です。城基礎知識について解説、城の歴史や人物のトリビアも詳しく解説していますし(少し分かりにくい箇所もあるが相当に緻密、漫画だからこそ理解出来る部分もある)、基本コミカル調なストーリーも良かったです。絵は上手いですし、掘り出しものだったかなと。ただギャグについては無理に笑わせようとして滑っていたり、悪ノリだったりの箇所も多くそこは欠点ではありましたが。一冊で終わってしまったのが残念で他の城についてストーリーで見てみたかったくらいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-09-19 13:02:13] [修正:2016-09-19 13:02:13] [このレビューのURL]

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