「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

ネットで話題のヘタレ(やかませ犬)の代名詞的に語られるドラゴンボールの脇役ヤムチャと異世界転生を融合させた異色な外伝作品。一見トンデモに見えて原作愛に溢れて、細かいネタや整合性にも気が配られ、出落ちにならずに短くまとめています。似ている鳥山チックな絵もポイントが高いところ。ただ、内容をしっかり覚えているレベルでの原作既読ファン向けだと思います。一度は読んだり、アニメは見たことあるけどくらいの人には「何がそんなに面白いのか?」となりそうなのは要注意かと(自分の友人はそうだった)。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-11-16 22:59:50] [修正:2017-11-16 22:59:50] [このレビューのURL]

舞台が昭和初期の京都、満州の視点からみる終戦までの激動の時代なのが新鮮。当時がまるで再現されたかのような空気感は素晴らしかったです。デリケートな時代ですが、どの陣営に対しても基本穏当な描き方だったと思います(甘粕正彦については有名な甘粕事件の真相を独自でも描くことを避けてしまっていたので本作の人物像には違和感があったが)。

架空とはいえ一人の男の波乱万丈な人生を史実、実在人物に絡めることで壮大感がありました。しかし、色々ぶち込んだ寄せ鍋的な部分が多く、長さやこれは必要な話だっただろうかという気持ちは拭えないのも事実でした。時々途中でダレてしまい、連載中に酷評を耳にしたこともあります。次作の「JIN」では改善されていたんだなと。全体としてはテンポと構成が整っていた(ラストは唐突感があったが)「JIN」の方が良かったなとは思います。それでも時間があって壮大な歴史漫画が読みたいという人には薦めたい作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-11-14 19:09:51] [修正:2017-11-14 19:09:51] [このレビューのURL]

「まんが日本の歴史」(その系統作品)に登場する西郷隆盛を抜き出して主役に据えたような作品。派手さはなく地味ですが、全八巻の情報量があって良作です。維新の英傑ながら西郷隆盛が登場することは頻繁でも、主役という作品は少ないので特徴があります。

他人物主役やドラマの脇役などで登場する時は生まれながらのカリスマ大将というイメージですが、本作ではその波乱万丈の人生(初めて知る人には驚きだと思う)や作風から苦労人で生真面目な印象です(そこも上記の作風的。実像に近いかもしれない)。来年大河ドラマ「西郷どん」で主役になる人物なので、その予習にもおすすめの作品だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-11-04 09:06:24] [修正:2017-11-04 09:06:24] [このレビューのURL]

7点 鉄風

女子総合格闘技、主人公夏央とライバルゆず子の立ち位置が王道漫画と逆(主人公が大柄、天才型、美人系、トラウマ)、という異色を取り入れた格闘漫画。主人公にトラウマ的歪みがあって、重かったり、痛々しい描写もあるのですが、可愛かったり抜けたような描写も多くて、王道ものとしての良さも備えています。

ちゃんと業界の紹介(マイナーさ含めた)や技術の解説も入れつつテンポ良く話が進んで、絵も見やすく迫力もあって良かったです(次第により上手くなっている)。

最大の問題点は打ち切りだと思われます。女子ということもあるし、サービス的なのもあざと過ぎない感じでもっと入れても良かったかもしれません(主人公はじめルックスが良い)。主人公的に最低限の区切りはつけているので読後感としてはそれなりな感じもありますが、続きが読みたかったです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-10-19 00:21:15] [修正:2017-10-19 00:21:15] [このレビューのURL]

現代でもTシャツやポスターで良く見る人物で、資本主義国や保守思想人にさえ、一定の共感を得ているザ・革命家の生涯を一冊で上手く要約出来ていると思います。個人的には故カストロ議長の相棒で人気担当?くらいの事前イメージくらいでしたが、読後はもはやそういう枠の人じゃないな、前述のカリスマになるわなと納得(キューバ人かと思っていたらアルゼンチン人だったの驚き)。ただ、先に海外で出版された本なので、読み方が逆になるのに多少読みにくさがありました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-09-27 19:08:54] [修正:2017-09-27 19:08:54] [このレビューのURL]

原作未読ですが古典名作がしっかりとコミカライズされていると感じました。絵が綺麗で(やや分厚いとはいえ)全一巻ものとしてテンポの速さも否定出来ませんが、大事そうな場面はちゃんと演出もされています。

あとがきでその辺の苦心が書かれていますが、成果が十分に感じられました。巌窟王の別名で日本でも様々な形(モチーフ、比喩など)で有名ですが、復讐劇にしては今でも多くないハッピーエンド的なラストにはビックリしましたし、概要を知れて良かったと思える物語です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-09-17 07:10:44] [修正:2017-09-17 07:10:44] [このレビューのURL]

画力にやや欠ける、主人公一行が強すぎてバトルがあっさり気味だったり、最終盤で盛りあがらない(さあ新世界へと畳まれているが)などに粗さはありましたが、ガンアクション漫画の中では外せない一作ではないかと。

軍事要素も雰囲気作りがしっかり出来ているので、知識はなくても大丈夫だと思います。ノリ、キャラ、テンポや話作りなど全体的にセンスを感じて、格好つけている(芝居がかる)感じには乏しいのも良かったです。最近にしては珍しい完結まで忠実にアニメ化されているようなのでそっちで見るのも良い(特に絵と見やすさの補正は助かりそう)のかもしれませんが。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-07-28 18:54:31] [修正:2017-07-28 20:28:06] [このレビューのURL]

世界的な名作「罪と罰」を現代日本にリメイクした作品。原作の記憶は曖昧になっていますが、要素や大筋を取り込み調整や解釈を行い上記の目的を及第点で達したのではないかと思います。
あとがきを読むと作者の原作愛と努力が窺えます。
後半は文字が増えてダラダラしたかなと思う部分に残念さはありましたが、なかなかの意欲作だったと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-07-24 18:39:36] [修正:2017-07-24 18:39:49] [このレビューのURL]

7点 蟻地獄

同じ原作者の「トリガー」は個人的に期待外れなところがありましたが、こちらは面白かったです(「トリガー」よりも話題になっていない感じですが)。

アウトローサスペンス作品です。続きが気になって引きつけられて、多少強引なところもありましたが、スピード感があり、二転・三転する展開やどんでん返しは驚かされました。最後にたどり着いたまとめ方と読後感も良かったです。絵もとても上手いですが、「我が名は海師」の時が一番良かったと思います。「トリガー」でも窺えた「北斗の拳」風の濃すぎる感じがしました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-07-15 05:07:49] [修正:2017-07-15 05:07:49] [このレビューのURL]

1988年の近未来SFロボット漫画。電話関係の所などには今読んで古さを感じますが(現在が飛躍的過ぎか)、概ね古さを感じないのが素晴らしいです。取り扱われた警察の現実、企業の闇、外国人就労問題、環境テロ、人身売買などは現在にも通じる普遍性があります。動きがゆったりではありますが、ロボットであるレイバーの格好良さと格闘は引きつけられます。

大ヒットドラマである「踊る大捜査線」にも影響を与えた警察組織を扱いながらの、コミカルとシリアスのバランスは見事です。主人公泉野明の普段不真面目なのに、いざという時頼れる上司後藤隊長とトリックスター的で今でいえばサイコパス愉快犯である内海の存在は印象的。

欠点としては特に熱があるというようなシーンがある訳でもなく、展開としても後半に行くにつれてグダグダしたかなとは思います。主人公の警察志願理由、遊馬と父親の確執問題、裏金疑惑、内海以外の極東マネージャーや黒崎らの報い、伝聞で終わったおタケさんのその後など放置されて終わったような部分も散見しました(廃棄13号事件での女科学者の父親と博士の間には何があったのか、途中の札束問題でも強盗じゃないという以外には語られなかったり、本作はもともとそっけない部分がある)。

しかし、本筋で争った内海との決着はついてますし、主人公視点の成長物語としても一区切りはしています。第一話と最終話のタイトルを対比させる演出にはグッと来るものがありました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-07-12 21:03:44] [修正:2017-07-12 21:03:44] [このレビューのURL]

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