「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

8点 アルテ

女性差別が現在よりも遥かに強い中世ルネサンス時代に画家になって、自立を目指す主人公の成長物語。まずほぼ新人というのが信じられないくらい画力が高いです。風景描写が上手いので当時の世界に引き込まれるのは好ポイント。当時の世界観を作者がかなり勉強している感じで、物語作りも完成度が高くて引きつけられます。主人公アルテのキャラが魅力的なのが良いです。ウザさを感じないギリギリのラインで前向き。まだ2巻ですが先が気になります。ただ、自立がテーマなのですがアルテが早い頃に師匠に惚れてしまうので、そこにどう結論を出すのか、齟齬を生じないように展開させるのか、ここが腕の見せどころになるのではと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-14 14:54:30] [修正:2014-12-14 14:54:30] [このレビューのURL]

前作終盤に登場した九音響也を主人公に迎えて、場所を
変えて始まる続編ながら仕切り直しのコンシェルジュ。

心理士である九音の
心理学解説が薀蓄に加わったのは長所だと思います。
ただ全体的にキャラが弱いですね。九音はじめ悪いキャラじゃないんですが、作者自認のように天才なわけでそこを前作主人公の
涼子における等身大の成長を描く軸話に比べると落ちるかと。
活躍が九音凄いねにしかなりませんし。
どっちかというと推理漫画ではって話も多いです。
前作のキャラがちょこちょこ出てきている辺りにも既存キャラの
弱さを感じたりします(このサービス自体は嬉しいですが)。

商店街の振興という話も軸なわけですが、前作の外資に脅かされたり、支社の経営を見直し出向、外国に研修という話に比べるとやはりこじんまり
してるかなと。身内の敵扱いだった専務ともなんだかんだで利害協調路線にはやくもなったので盛り上がり欠く感が。仲間でありながらときに経営的視点で対立もある前作松岡社長の方が魅力を感じます(彼の意見は正論そのものでしたし。経営者やるなとも思いました)。

それに本作は現実とのモデル人物が頻繁に登場する上に露骨でした。前作の後半くらいに兆候はあったのですが、本作は一字違いの名前・顔まで同じにして特定の人物を賛美したり(美化描写)、叩いていました(醜く描く描写)。その人物への感想は人それぞれな訳で、名前を完全変更して外見を変えるなり、多少でもオブラートに包むべきではないかと思いました。

役に立つ知識や見解はありましたが、全体的に前作の方がずっと良かったという感想になってしまうのが残念でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-03-07 19:05:20] [修正:2014-12-14 06:27:02] [このレビューのURL]

7点 NOiSE

「ブラム」の前日談で世界観の補足がかなりなされているので、「ブラム」を読んでいるならば必須の作品だと思います。「ブラム」の序盤(3巻まで程度)を読み終えた辺りで読むのがタイミング的におすすめです。単体での出来より「ブラム」あってこそだとは思いますが、かなりの面白さを感じました。「ブラム」の読み切り時代の作品も巻末にありましたが、そのレベルは連載版よりかなり低いので作者の成長に驚きました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-12-12 19:40:32] [修正:2014-12-12 19:40:32] [このレビューのURL]

8点 BLAME!

無口主人公が巨大建造物を探索して、バケモノとバトル
する話。SF漫画ですが質的には最高峰だと思います。セリフが極端に少なく難解なのは事実ですが、作者の頭の中にはしっかりしたものがあるのだろうなというのは感じました。細かい部分はともかく大体は読み進めれば分かって来ます。これの前日談の「ノイズ」と合わせて読めばそれなりの理解は出来ると思います。

特に画力の高さ、センスが素晴らしいです。一枚絵で巨大建造物を描くシーンはスケールの大きさに引き込まれます。バケモノは本当に不気味ですし、その戦いもビームが建造物を貫通しまくるなどスケールとセンスがあります。セリフが少ないからこそ話のテンポは良くて全10巻ですが、体感はもっと短く読めるのも長所です。ストーリーも一見淡々としている割になかなか先が読めずに(何度も死ぬヒロインなど)続きが気になり熱中度がありました。

欠点としては時々絵的に何やっているのか分かりにくいところですね。世界観の理解よりもそちらが個人的には気になりました。漫画好きとして一見の価値があるだけの作品だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-12-12 19:33:38] [修正:2014-12-12 19:33:38] [このレビューのURL]

前作の「マサルさん」が駄目だったけど、この作品はどうだろうと思って、最初の数話読んだらノリが一緒で全然合いませんでした。ギャグと感じずに「?」となるだけです。作者の作品はもう読めないと分かったことだけが収穫でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-06 12:54:45] [修正:2014-12-06 12:54:45] [このレビューのURL]

時事の古さを考慮しても今なお読むに値する柔道漫画ではないかと。堅くなりがちな柔道を題材にライトな要素を取り入れて副題にある「ニューウェーブ」を実現した内容だと思います。当時だったらもっと軽く感じただろうなってほどの部活での爽やかさは今なお独自のものだと思います。主人公がこの手の漫画で珍しい彼女持ちですし、他キャラについて恋愛ネタも結構あります(古き良き時代らしくピュアそのものですが)。キャラもそれぞれ灰汁がある人間がいないのには、多少物足りなさがありますが立っていました。ギャグに古さを感じないと言えば嘘になるところもありますが、それでも笑えるのもありましたし、良い息抜きになりました(特に別所さんのお守りネタが爆笑でした)。

さらに特筆すべきところは、作者が柔道に造形が深いので本格的で分かりやすい解説、見やすい描写、多彩な技(かといってこれは非現実過ぎるというのは排除されている)、一試合ごとに時間をかけないでテンポが良い、質を求める練習内容や猛特訓している光景も頻繁にある(軽さを取り入れるとこいつらいつ練習しているのか的なスポーツ漫画もたくさんあるので)など柔道漫画として本格派の要素もしっかり感じました。全30巻あるのに引き伸ばし感がなく綺麗に完結しています。

少し迫力に欠いてしまう絵柄、キャラ描き分けの少なさ、こんなに上手く行くかよって部分(それで対戦結果が読めやすくなるところがある)はありますが、それでも総合的に名作漫画と呼べるレベルは揺るがないと思います。日本柔道界の斜陽においてもまだまだ健在だった時代なのに予言しており、それも今読んでみて作者の見識が素晴らしいと感じた箇所です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-03 03:17:07] [修正:2014-12-03 03:24:19] [このレビューのURL]

アニメ大ヒットで
色々と話題になっている作品。とにかく絵がこの話と
合っていないために下手さがより
目立ってしまう。読むのが苦痛とはこのことかと。アニメ視聴後
ですが最初の1巻が読みきれなかったレベル。

作者自身が原作はプロットで
アニメが完成品みたいなことを言っていますが
まさにその通りです。アニメ1期が終わってから次が2016年
予定と待たせすぎだと思いますが待つしかないです。
ストーリーは話題に比べると評価過剰だと思いますが、
出だしは面白く世界観が
興味深いし、不安な中だるみに入った感じもある中
なんだかんだで先が気になります。
早くやって欲しいとやや憤慨を感じながら
アニメ2期を待ちます。アニメスタッフに現状恵まれた
のが幸運な作品かと。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-11-27 22:50:13] [修正:2014-11-27 22:50:13] [このレビューのURL]

三国志正史を原作にしているというのが売りではありますが、こっちはこっちで演義と別方向で同程度の脚色が入っているので要注意の作品。場面・場面で横山三国志にはない燃えるシーンはあるんだけど、変態孔明はじめそりゃないだろ(例えば孔明の評価についてこの作品では曹操は諸葛亮など相手にしていない・名前を覚える存在ではないと一蹴して、演義の神智謀諸葛孔明へのアンチテーゼをやっているつもりなんでしょう。確かに演義の孔明が過剰描写なのは分かります。一方で正史でさえ編者陳寿が孔明を伝説的宰相管仲・蕭何にも匹敵する。後に天下を子孫が獲るライバル仲達さえ天下の奇才なりと評価している訳です。これだけでもこの物語は別方向で正史を無視しているのが分かります)、キャラ付けのつもりでやっているのに引いてしまうようなシーンも多すぎる感じです。美化され過ぎとはいえ演義で天下をとったら世が終わりみたいに描かれる悪役曹操を主人公にしている独自性や補正を行っている効果は評価しますが。ただ曹操はたしかに女好きですが、曹操はじめ他キャラにも無駄なエロシーンが多すぎるのも気になります。

以上の多すぎる癖、主人公曹操の死以降はまだまだ続くのに終わってしまうなどの問題点で描き分け不足や淡々さ、演義の脚色はあるけど軍配はスタンダード寄りな横山三国志に挙げたいですね。三国志漫画は数多いのにこの作品ではなく、正史に配慮して癖を抑えて歴史漫画をやっている作品がまだ存在してないと思うのは残念ではあります。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-11-11 09:06:40] [修正:2014-11-24 20:25:10] [このレビューのURL]

7点 史記

古代中国を描いた優れた歴史書であるのは言うまでもないので細部の横山アレンジがあれど、ほぼ再現されてる本作の価値はやはり高いかと。歴史から学ぶ人生の教訓、戦略本的なものにもなります。意外に1話完結系の人物ごとに進める形なので分かりやすさが素晴らしいです。取捨選択、まとめ方も練られていてこの巻数にしては情報量が多数なのに無駄がありません。

「項羽と劉邦」はダイジェストでもう一度という格好ですがより史実重視の展開で要旨を再現したり、そこで拾えなかったエピソードを拾ったりして感心しました(劉邦の子供放り投げなど頼りないエピソードをちゃんと描く、逆に項羽の悪行とされる短所面にフォロー。范増が反対せず同意したりしてる)。そしてその後日談も韓信の末路など凄惨ですが読み応えがありました。一方でもともとの淡々としてエンターテイメント寄りではない作風が歴史書原作なのでさらに強まっていること、人物が多数登場して移り変わるのにキャラ顔の描き分けが不十分なのが余計に気になります。そして本の問題ですが人物の漢字が難しいのに、一度だけしかルビをふらないので、「なんて名前だっけ?誰?」とページ読み返しが増えたのがテンポが良い作品なのに邪魔する形になり残念です。顔は似たようなもんなので、せめて名前で区別化するために何度もふって欲しかったと思いました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-11-18 11:20:44] [修正:2014-11-18 11:20:44] [このレビューのURL]

最近増えている音楽漫画ですが、
有名曲2つに絞って、豆知識を入れながらオーケストラ技術を解説、タイトルの巨匠指揮者を軸に据える、一話完結形式で進行して構成員にスポットを当ててクライマックスの一体感を盛り上がる、この辺の試みは今なお独自性があるのではないかと。謎のじじいで天才指揮者の天道について彼の素性を明かして行くことによって物語に惹きつける構成も上手かったです。その正体とオーケストラを開催する目的も意外性があり、天道が言葉で語るより表情や態度で見せるキャラだったのも好ポイント。たった3巻ですが終盤に山が来て綺麗に終わっています。

欠点は皆さんが指摘するようにやはり画力ですね。絵柄は悪くないですし、演奏シーンは一定の迫力もあるのですがもっと上手い人が描いてくれたらという気に何故かさせてしまうものがあります。
あと構成員の話は面白いのとつまらないのが混交という感じでした。天道の下ネタ発言癖は不要だろという気持ちも加わり、
不快感がありました。総じて来年に映画化が決まっていますが映画向きの良作だとは思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-11-13 23:13:09] [修正:2014-11-14 21:49:48] [このレビューのURL]

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