「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

長期連載が終わった今だからこそ魅力があるSF伝奇バトル漫画。「クロノクルセイド」よりも世界観の作り込みはかなりあがっていると思います。膨大な伏線をやや複雑になりながらもほぼ回収されました。魅力に乏しい主人公、相変わらず随所に臭さが過剰な描写がありますが。画力・画風は相変わらず素晴らしいです。ヒロインも良ツンデレですし。総合的には前作を超えた名作だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-10-03 10:59:49] [修正:2014-10-03 10:59:49] [このレビューのURL]

前にレビューしてくれている方がほぼ纏めてくれている状態ですが、それで作品を知り全巻読んで楽しめたのでまず感謝したいです。一編完結の各地冒険話と世界規模の大きなストーリー、ギャグとシリアス両方のバランスが良くて素晴らしいです。絵柄が古いのにあまり感じずに親しみやすいこと(女傑主人公モカは作中美少女扱いされませんが絵的にかなり可愛い)も特徴ですね。話も画力も最初からどんどん向上して最後にピークを迎える現在でも珍しい漫画かと。全17巻(読み切り作者短編飛ばせばもっと短い)と中だるみ的なのはほぼ有りません。第一部完的な終わり方ですがここでも区切りが出来ているのでここからもし劣化しても「ここで読むのやめたら(続きはないものとしても)大丈夫」と言いやすいのも利点。同誌掲載の「マップス」は知っていてもこの作品は知らなかったのですが、良い意味で似たような作品でした。続編以降も是非読んでみようと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-08-29 13:19:30] [修正:2014-08-29 13:19:30] [このレビューのURL]

8点 JIN -仁-

タイムスリップ幕末医療漫画。
歴史漫画としての側面は幕末は他の漫画でも扱っているわけですが、この漫画の素晴らしさは偉人中心にならずに当時の風俗を医療の観点から詳しく解説しているところですね。ここはこの漫画だけってほどに勉強になります。あと手術シーンと監修が複数いる解説がこの漫画は分かり易く、見やすいです(今まで見た医療漫画では一番)。手術シーンが連発ですが当時の人々が苦しんだバリエーション豊かな題材をとりあげているところにも評価点かと。ダラダラと行かずに全20巻という適度な長さで幕末をちゃんと描き切って話を畳んだところも良いですね。
欠点は結末含めてSF漫画としてはかなり強引だったと思います。タイムスリップ原理は謎ですし、ラストの主人公についても解釈が別れるのではというくらい難解です。あと坂本龍馬が主人公の他漫画に出てくる良くいる悪友ポジで、「おーい竜馬」を読んでしまっているだけに魅力ないなあと思ってしまいました。総じて話が面白く読んでタメになるレベルの高い漫画だったのは間違いないです。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-08-20 07:02:48] [修正:2014-08-23 05:51:03] [このレビューのURL]

8点 石の花

[ネタバレあり]

現在においても題材になっていない第二次世界大戦の旧ユーゴスラビアでの顛末を漫画として描いた話。史実を基にしてキャラに魅力があり、先に気になる群像劇的な体裁をとっており、強制収容所の中までしっかり描かれている辺りは凄いです。複雑なこの地方で行った内部紛争を誘発させるナチスのしたたかさ、台頭を産んだ要因などをしっかり解説されており勉強になりました。その辺のゴタゴタや収容所での顛末などで人間の醜さを描いており、絶望と闘いながら、ひたすら生きようとする登場人物達への感情移入度は高まります。ただ最後は多分打ち切りだったのかもなというほど、急に勝ってしまい、勝ったという実感ないまま後日談を纏めて終わったかな感があります(金塊持った爺さんなんか未消化も良いところでしたし)。最終話で後味の悪い勝利を描いてましたが、勝利自体の実感が薄かったのは戦争ものとしてはどうだったかなと(戦いは負けてばかりの印象しかない)。
『アドルフに告ぐ』とは似た雰囲気の作品と言えばそうですが、あちらがヒトラーがユダヤ人という明らかにおかしいオチやラストシーンはこちらが感動や美しさがあっただけに、総合的には良かったかなと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-05-28 05:12:13] [修正:2014-05-28 05:12:13] [このレビューのURL]

障害者はじめ不自由な少女達を人体改造してテロリスト集団と戦うイタリアでの話。と書くと暗い上にバトルだらけと思われますが、独自の世界観で人間ドラマを群像劇的に描く話が中心になります。それが序盤は淡々としていて、悪く言うと何をやろうとしているのか分からない状態。それが完全に中盤くらい(人物紹介がキャラごとに冒頭に書かれる巻数くらいから)からキャラが立ち、世界観が深まり、それぞれの目的が見えて来て、全体の描写に巧みさが出て化けて来ます。
そこからは勢いが落ちないで綺麗に終わったのが素晴らしいです。序盤も無駄じゃなく終盤への様々な伏線になっていることも判明します。画力も同様に序盤は拙いがどんどん向上して美麗になり、ドンパチの少なさも終盤の戦いでしっかり補完。現実イタリアの南北問題など情勢も終盤になると勉強になってしまうというのは大したものかと。総合的には名作クラスだと思います。

ただ問題は序盤の一話完結的な淡々話ですね。それも異国情緒は出せているので辛うじて自分は切らなかったですが。そして
終盤に繋げる伏線のようなものなので、二度目読みすると相当違うのではという意味では構成がしっかりしているかと。序盤でこりゃ無理だと感じた人でもその後に期待して我慢して良い作品だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-04-04 17:59:49] [修正:2014-04-05 11:50:05] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

前作からと内容面は一緒。面白さの質は出来不出来が多少振り幅
が増した感じ。でも面白い話は業界の核心にシリーズ頂点で突っ込んで行く部分があり前作以上でした。前作からシリーズ通して藤田先生絡みの話はあんまり面白くなかったと思います。後述の傑作選でもほとんど除かれていてその通りだなと(からくりサーカスを知っていてもでしたから、知らない人にとっては余計にでしょうね)。

前作シリーズから見ている人にとって、前作最終話で死亡したかのようで、後味悪そうなヒーローというキャラのその後がちゃんと描かれているのは救いでした。ただ、今作最終回でそれまで否定して来たパクり行為を肯定することを編集から言い含められて、格好悪い炎尾燃で終わるのがなんか違うなあと思っていたら(話自体はそこそこ面白いが)、連載を止められた事情を含めて後に出版された傑作選で真最終回があり、そっちの方が相応しい出来かつ格好良い炎尾ですっきり終わるので納得でした。差し替えの事情も漫画で描かれていて、漫画界の業界の厳しさが本当に理解出来ます。値が張りますが傑作選まで含めての評価で長期渡って、それなりに安定して面白く、まずまず綺麗に終わった良シリーズだったと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-03-20 09:28:22] [修正:2014-03-20 09:33:24] [このレビューのURL]

古い漫画ですがかなり面白くて驚きました。
一話完結の漫画家漫画なんですが、完全にこれは出る漫画間違えてるだろキャラ揃いの良い意味で昭和の熱血モノ。
絵柄もそんな感じなので一々笑えてしまう。笑わせようとして
いないシーンでも所謂シリアスなギャグになっています。

かといって現在にも通じるであろう漫画家の仕事ぶりや真実、主人公炎に代弁させる作者なりのメッセージについては本気で描かれているのが凄いですね。絵柄の古さは別に画力は相当高いかと。この作品は一巻で完結ですが、ここから新シリーズに移行して長編になったのも納得です。引き続き読んで行きたいと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-03-15 05:06:09] [修正:2014-03-15 06:51:17] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

序盤は中年主人公黒沢の悲哀を描いたあるあるネタギャグ漫画
でたまに滑りながらもまあ面白いくらいでした。
しかし、それ以降対不良のバトル漫画になってからは盛り
あがって来て、テンポ良く一気に読めました。

ただのバトル漫画じゃなく、強さのみならず
弱さを持った主人公(肉体的にも精神的にも。これがバランスが良いです)、随所に繰り出されるギャンブル漫画でも評価される福本節が相まって、独自の
世界観が出せていたと思います。絵柄はかなり癖あれど画力
自体はある方なんじゃないでしょうか。ただ女性の顔の描き方
は下手だなとは思いますが。

終盤はそのメッセージ性に感動すら覚えました。ただ黒沢が
感動的ながら死亡するというのがこれもまた衝撃的かつ綺麗に
終わったと思ったのに、実は生きてましたで最近続編が始まったのは蛇足感が否めないかと。本作だけ読んでいれば知らないで済む事情なので自分の中ではこれで綺麗に終わったと思って
おきます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-03-06 23:14:24] [修正:2014-03-06 23:14:24] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

アメフトというマイナースポーツを題材にして長期連載
で王道を描き切った漫画です。

キャラそれぞれ立ってその描写を上手く挿入している、
ルールが分からなくても作中の丁寧な
説明で世界観に入れる、努力・友情・勝利・
感動と演出が巧みな部分など古典的名作漫画にも十分
並ぶ面白さや熱量を持った作品だと思います。

画力が最初から高めでテンポ良く話が進み、
上手く行き過ぎではありますが、初心者
レベルから全国大会決勝(クリスマスボウル)、その後
オールスターの世界対抗戦まで
纏めた点は評価出来ると思います。
意外に知略、頭脳戦な描写が多いので読んでいて
楽しかったです。

欠点は中盤に最大の山が続いて(西部、神龍寺、
王城の3戦は凄い戦いばかり)
、終盤特に肝心のクリスマス
ボウルがイマイチ盛りあがらず、余韻もあっさりに
なったところ(ただ最後の主人公ではなく脇キャラの伏線を使ったキックで決めたラストは好きでしたが)ですね。
試合展開も途中から細部は違いますが、大量点負け→ギリで逆転のワンパターンになったのも残念でした。
思わぬリードから詰められたがギリで逃げ切るとかいうのも
欲しかったですね。

かなり不評な最後の世界戦はオールスター
顔見せ、どうしても才能で勝てない相手との折り合いというテーマで評価出来る部分がそれなりにあったとは思います。
この競技は短距離走などと同様に人種的に世界では日本
人が才能的に通用しないスポーツですが、その現実を
隠さず掘り下げ考え抜いてました。

上記の欠点はありますが、全体的には良く纏まった名作
と言っても良い漫画だったと思います。この年代で
こういうスポーツ漫画がまだ残っていたという意味でも
貴重に感じます。




ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-09-20 18:33:38] [修正:2013-09-20 18:34:30] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

超有名レベルの長編妖怪バトル漫画です。
絵柄に癖はありますが画力は高く演出が上手いのは
藤田作品の特徴だと思います。
ただ前評判聞いてないと10巻くらいまでは主人公潮の
暑苦しく青臭すぎる叫びがうっとおしい、相棒妖怪とらが
主人公を助ける態度がミエミエでわざとらしい、各地を
転々と人情妖怪退治で説教臭くグダグダとか問題点を感じました。何度か止まってしまったのが正直なところです。

しかし、中盤くらいから物語が展開、加速してそこから最終決戦は怒涛の勢いのまま綺麗に畳んだのでやはり名作だと思います。
それまでの中だるみ的な登場人物までしっかり絡めましたし。
伏線も膨大ですがちゃんと回収して、槍の文字、
お役目様の行動の意味、ラスボス
である白面こと九尾の狐やとらの正体などには驚きました。
流のような良い兄貴分キャラかとみえて主人公うしお
への逃げ的な憎悪で本気で裏切っていた、とらがどうせ
助けるのかなと思いきやしっかり殺すなど予想外の展開
など終盤のインパクトも大きかったです。
最終決戦の見事さは特筆もので、このために全ての物語は
あったというほどになっています。

ラスボスである白面こと九尾の狐は実在の伝承を絡めつつ、その狡猾さ、邪悪さ、強さは絶大であり、最初から最後まで一貫してラスボスから動かなかった点でも漫画界有数の存在感があった悪役だと思います。

個人的に序盤が本当に厳しかったのでそこは短所ですが、
それ以外は高評価されてしかるべき歴史的名作漫画だと
思います。自分同様に序盤で駄目だと思った人も我慢して
最後まで読む価値は間違いなくある作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-09-11 01:22:06] [修正:2013-09-11 01:26:57] [このレビューのURL]

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