「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

単純に暴れまくるヒグマと戦うモンスターパニックサバイバル。絵が綺麗で迫力があって、クマの恐ろしさが存分に伝わって来ます。ボリューム的にもその手の映画を観ているような感覚で引き込まれました。クマに関する豆知識も話に随所に絡めています。絵だけではない表現が生々しいグロさがあるので苦手な人は注意。原作未読ですが絵が付くことでの付加価値が大きいのではと思いますが、ミステリー関係の賞が貰えたのは疑問です(少しそういう要素があるが大したものではない)。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2017-12-22 20:12:47] [修正:2017-12-22 20:12:47] [このレビューのURL]

作者にとって最新かつ最長作品。これまでの作者作品の特徴を踏まえつつ、世界の神や異形達を絡めながらのハードボイルドアクション作品(ギャング街風)。特徴としては

1、作者作品では特に絵が見やすい(ただ終盤などに簡素化し過ぎていると思える箇所も)
2、異形のウンチクを話に上手く絡めるだけでなく、作中でもしっかり解説してくれる(今まではやや素っ気無かった)
3、個々の事件を扱う短編と全体の復讐・抗争劇のバランス進行
4、謎や伏線が多くそれについてはほぼ回収して、主人公マッコイの物語としてはちゃんと完結する(終盤真相が明かされる舞台となっているエリア51の問題は何も解決していない)

尖っていたがセンスの塊だった「ジャバウォッキー」、丸くなりつつ総合力の「エリア51」という感じで双璧だと思いますし、どちらか一作なら本作を薦めたいと思える出来でした。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2017-09-24 10:52:35] [修正:2017-09-24 10:53:14] [このレビューのURL]

「海猿」と同じ原作者の作品でこちらの方が知名度がずっと低いですが、個人的な面白さではかなり上でした。この系統でさえマイナーなサルベージ業の解説には興味が惹かれますし、毎回のミッションも緊迫感、熱さやカタルシス(「海猿」との大きな違い)があって読み応えがありました。
絵が綺麗で見やすいのも特徴的。男女ともに主要キャラはこの業種のイメージと異なり美形ですが、それも違和感なくむしろ良かったです。最後が駆け足感がありますが十五巻でまとまっています。序盤主人公のウザさ(前の方が仰る通り。次第に成長して行く)、終盤の駆け足感もあってサブヒロインの扱い、伏線めいたラスボス的存在のあっさり感など惜しい点もありますが、もっと評価されても良い作品だと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2017-04-10 19:21:48] [修正:2017-04-10 19:22:54] [このレビューのURL]

8点 蟹工船

原作を一度読んだことはあるのですが、古典だけにイメージがあまり沸かないでしばらくすると忘れてしまったというのが正直な
ところでした。この漫画版は画力・演出(絵が綺麗なのが悲惨さを多少は和らげて、演出は熱い)などクオリティが高くて、分かりやすさと物語の面白さを担保しつつ、最近再びブームになっただけの名作である原作が現代に突きつける鋭い問題提起もしっかり表現されているのではないかと。とっつき易く、面白くなったと感じるだけのコミカライズなので思想を越えて多くの人に読んで欲しいと思いました。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2017-03-26 11:47:35] [修正:2017-03-26 11:47:35] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

連載誌の看板にもなったダークファンジーバトル漫画。
悪く言えば良くある世界観ですが、駆け引きありの能力バトル、エグい描写やキャラの容赦ない死など凄惨さを個性に立たせて行った力作だと思います。たまに挟むギャグは面白く、熱血展開にも引き込まれました(根は王道な感じ)。序盤から最強と断言され実際それだけの存在感を放ったラスボスの美人将軍エスデスも印象的(ちゃんと最初に断言された人間がラスボスなのは一貫性があり)。無駄な引き伸ばしもなく程よい巻数でちゃんと終わりました。

何より絵がどんどん向上して、美麗かつ迫力あるものになったのが大きいです(バトルは見やすい)。女性キャラが特にかわいい、美人なキャラデザなのも良かったですし。気になったところはタイトルにもある主人公アカメと彼女より比重があった主人公的存在のタツミのバランスに困った感じですかね。どっちが主人公と言われれば困るかつ二人で一人とも言い難い関係に見えてしまいました(タツミに他の恋人が出来たのもあるが)。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2017-03-05 21:05:24] [修正:2017-03-05 21:05:24] [このレビューのURL]

少年サンデーのノリを踏まえつつ、大人が読んでも示唆を感じるような最近の時事も含めた経済&政治要素を上手く絡めた作品です(主人公側の主張を押しつけにならず、対立相手も否定しない穏当なスタンスなのも良い)。学園マネー闘争と選挙を独特の世界観を構築して最初は無茶だろと思いつつ次第に慣れと細部の設定で「こんな学校(世界)があっても面白そう」と感じるように。

キャラも主人公市場クロガネの変人天才設定も個性的に描けていて、彼と絡む周辺人物も上手く掘り下げられていました。序盤の画力不足、後半の選挙編がややグダった(面白いが立候補している訳でもなく、悩んでしまう主人公の存在が薄い時期が続いた)、女性キャラかわいいのに恋愛要素がほとんどないのが惜しいなど思ったところはありますが、裏サンデー連載で13巻も続いた面白さ、綺麗に完結したところは大したもので表サンデーにも劣らない(どころか最近のより面白いかも)隠れた良作だと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2017-01-21 01:00:19] [修正:2017-01-21 01:00:19] [このレビューのURL]

9点 BECK

音楽漫画最高峰という評も多い名作。主人公ユユキが歌うシーンの表現と迫力が評判ですが、使いどころは意外に抑えているところに工夫を感じます(他の演奏者やユユキはギターのみというシーンも多い)。
音楽漫画としてのウンチクは説明がほぼないですが、音楽の魅力など本質は伝わって来ます。比重としては青春漫画な感じですが、ギャグが笑えるように基本明るいのが特徴。友情(良い奴が多い)、恋愛(ヒロインがかわいい)、グッと来る話を混ぜながら(苦しい中支えてくれる人達には特に感動)、話を展開して、34巻の長編ですが熱量は維持して、綺麗に収束させましたと思います。
サクセスストーリーながら他作品にはそうそうないほど、苦労や失敗が目立ち、最後の大成功に説得力がありました。連載中なら中だるみ的に感じたかもしれない下積みだったので、完結後一気読みで良かったなと思います。要因である業界のリアルみたいなのは、現在はステマという言葉があるほどより増している感じなので、良いところ突いてるなと思いました。
気になったのは序盤はさすがに絵に癖以前に下手さが目立つのと(次第に最後まで向上する)、話は綺麗に終わったもののエピローグをキャラ立ちしていた脇キャラ達中心にもっと見たかったですね。このサイトでも既に高い評価ですが、自分も一票を投じたいと思います。一昔前の作品ですが、現在でも十分読むに値する作品です(むしろ一気読み出来るのが大きい)。


ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-09-28 01:53:09] [修正:2016-09-28 01:53:09] [このレビューのURL]

原作以外の「レミゼラブル」じゃ最高の出来ではないかと思うほどの作品。漫画媒体の魅力を存分に活かしているので、原作とも別次元で競えるのではと思います。作者の連載作を全部読んでいますが、もともとの安定した実力に加えてキャラ描写、画力、演出全ての面で成長が感じられました。現在の最高傑作だと思います。みなもと先生の同漫画化作品を読んで先に大まかに把握したのが今となっては惜しいほど(あれはあれで楽しめたしギャグはともかく上手く要約してたんだなと再確認は出来たが)、全8巻で忠実かつエピソードが豊富、ダレた感じもないまま円満に終われた感じで綺麗に完結しています。古典名作をこのような形の質量で漫画化というのがもっと広まって欲しいと漫画好きとしては願います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-07-23 11:46:03] [修正:2016-07-23 11:46:51] [このレビューのURL]

輪廻転生を題材に長年に渡る主人公、ヒロインの宿縁(宿敵的)を描いた作品。まず「惑星のさみだれ」では痛いキャラやノリが目立ったものの、こちらではそれは抑えられています。本筋が中心なので目立たずに済んだというか。そして何よりストーリーが全6巻と思えないほど壮大です。

過去、現在、未来それぞれの時代や場所を舞台(編)として、リンクさせて行く手法で唸らされました(感覚的に「火の鳥」の猿田などに近い)。特に現世の主人公以外の登場人物達も舞台ごとに配置しつつ、未来の世界を過去生とする時の円環を利用したのが効いたなと。後半やや霊学というSF的な説明調が増えてテンポを削いだなと思うところ、最後に本筋と関係ない部分で少し謎を残したところはありましたが、全てを現在に集約して、輪廻転生というものに肯定的な深みを感じつつ余韻を残した畳み方は見事でした(握手のシーンは感動)。最近「さみだれ」の方は一時の高いネット評も落ちている感じですが(批判も目にするようになった)、こちらの作品の方はそういう人にも薦められるのではと思えるほどの作品でした。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-07-08 00:20:03] [修正:2016-07-08 00:20:03] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

完結後の評価になります。近年増えてるデスゲーム系作品。絵が非常に綺麗なのが印象的。ただオチはやっぱり実はこの世界は作られた系に該当しちゃいましたね(現実との一定のリンクはあるにせよ)。前半はゲームがシンプルながら運動系含めて種類が豊富で緊張感もありました。世界観もビザ期限を用いての時間切れ死亡制度など独特です。群像劇的な番外編で主人公アリス以外の人間を描くのも面白い試み。しかし後半はゲームより哲学的な論戦、作者の主張が出過ぎている感じだったり、主人公アリスがもうゲームには金輪際参加しない宣言から、番外編で本筋に絡まない人間模様を延々と見せられてグダグダしてしまった感が。後半で例外的に面白かったどくぼうゲームの勝者コンビ(今際の国完全肯定)がまさか終盤に全く絡まないとは悪い意味で想像出来ませんでしたし。このオチやるなら全十数巻くらいで番外編をもっとカットして主人公アリス(とヒロインウサギ)の物語に集中させスムーズに終わった方が良かったのではないかと(一貫してアリスが地頭良い程度のチート感ない主人公でウサギがかわいい運動系ヒロインなのは良かったが)。ただ後半の欠点を考慮しても、近年のデスゲーム漫画ではかなりの良作だったと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-05-24 20:11:45] [修正:2016-05-24 20:11:45] [このレビューのURL]

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