「s-fate」さんのページ

総レビュー数: 878レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年12月08日

8点 幽麗塔

 江戸川乱歩の大人向け猟奇倒錯小説が好きな人にはストライクだと思います。さらに罠いっぱいの塔の中に財宝が、なんて設定も付いてくるのでなおさら。時代も昭和二十年代後半と微妙に近代化が進んでいない時期を設定していますので、隔離された島、村の忌むべき因習とかそういったものも織り込んできたりします。
 しかしなんといってもこの作品の中では性的倒錯が異彩を放ってると思います。男装の麗人だけど実は当時では社会的認知が進んでなかったであろう性同一障害に悩まされるテツオ、敏腕検事として圧倒的権力を持つ丸部の一言では言えない特に妹への嗜好。ついでに流されて女装した結果やや覚醒しつつある天野、ガチショタ刑事山科など、主なところだけピックアップしてもお腹いっぱいです。
 また、晩年の江戸川乱歩を彷彿とさせる土蔵で執筆する小説家が出てきたり、妹を深窓の令嬢に育て上げて、普通の生活には耐えきれなくして見えない鎖でさらに縛り付ける丸部の闇の深さの演出など、小技があちこちで効いているところもこの作品を重層的に面白いものにしていると思います。
 今後が楽しみです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2013-11-04 01:23:22] [修正:2013-11-04 01:23:22] [このレビューのURL]

古いマンガですが、面白いです。連載自体は今の超長期連載が横行する時代と比較すると、短いにもかかわらず、実際に連載されていた時期とアニメ化までの期間の長さ、宝塚の長期にわたる人気。今の短期間に商売ありきで一気にメディアミックス展開してすぐ風化してしまう作品と違い、ナチュラルにかつ長期にメディアミックスが進んでいった理由がわかる気がします。手頃な巻数でしっかり完結している。そして世代を超えてファンがいる。理想的なマンガですね。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-12-11 01:04:09] [修正:2009-12-11 01:04:09] [このレビューのURL]

マンガがあるとは知りませんでした。カラー版を読みましたが、貸本時代の色付けの仕方ですね。そういえばアニメも最初は白黒だったから当たり前といえば当たり前です。前半は人間界の常識から外れた行動が目立ちますが後半はドタバタと人助けといった流れです。一巻で終わりの割には途中からアニメが始まってアニメのキャラが逆輸入される等色々あったようです。一番のインパクトは作者:横山光輝、です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2022-08-21 07:52:46] [修正:2022-08-21 07:52:46] [このレビューのURL]

「死神くん」の流れを汲む優しい世界の死を扱うマンガ、という感じです。ただちょっと薄味。興味のある人はサイトで公開されている震災モノの長編も読めるうちに読んでおいたほうがいいと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2021-04-29 07:53:15] [修正:2021-04-29 07:53:15] [このレビューのURL]

新世代のマンガだなと思いました。誰もが今まで読んできたものが下地としてあると思いますが、下地が新しめであること、またその取り込み方が新鮮でした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2019-09-29 22:23:50] [修正:2019-09-29 22:23:50] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

 生まれた時点で魔法使いになれるかどうか決まってしまうはずが、ひょんな事から憧れだった魔法使いの弟子になる。弟子を続ける試練もあるが、帽子で判別できる敵対組織との戦いに巻き込まれ、というような話です。世界観もしっかりしており、絵も細かく密度の濃いものです。まずは一巻を読んでみることをお勧めします。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2018-10-20 12:00:53] [修正:2018-10-20 12:00:53] [このレビューのURL]

これは食欲と性欲を入れ替えたアイデア勝負の作品だと思います。あらすじの「飯」の字を「女」に変えれば古式ゆかしいエロ劇画みたいな内容が想像できます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2018-03-09 15:51:48] [修正:2018-03-09 15:51:48] [このレビューのURL]

いろいろと詰め込みすぎですね。そして人気キャラの濫用とキャラ乱発で、収拾がつくのは何巻になるのやら。現時点では「だれる部分もあるが、ところどころ楽しめる漫画」という評価基準そのまんまなので5点。雑誌では読まないので二巻同時発売まで待っては見たものの、よい方向に評価を覆すには至りませんでした。
 とはいえ個人的には嫌いな漫画ではありません。なんとなくこの作者には当初から実力以上の重い使命が偉い人から課せられてしまっているように見えます。連載当時ほぼ新人。そしてアニメ化以降メディアミックス三昧の上、週刊で長期連載化。この条件でだれないまま終われた作品を探すほうが難しいと思います。評価は低いですが作者は十分がんばっていると思いますので、ところどころでも楽しめる限りは、読んでいこうかと思います。

追記:最終回まで読んで、これは初期の段階で終わりが決まっていてあとは続けられるだけ、という手法だと思いました。おそらく何章か飛ばしても、いや飛ばしたほうがこの最終回はしっくりくるかもしれません。賛否はあるでしょうが、大御所でもブツ切りで終わらせてしまうご時世にまだ誠実なほうかと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-04-20 21:48:35] [修正:2017-06-24 17:46:19] [このレビューのURL]

 干潟を題材にするのは悪くないと思います。メインではありませんが、思いつくだけで矢口高雄さんの釣りキチ三平、小山田いくさんのウッドノート、はしもとみつおさんの築地魚河岸三代目で取り上げられていたと思います。それぞれ面白かった。しかしこのマンガは干潟をメインにしてくるからには次々といろいろな生物を紹介してくるのかと思いきや、何度も同じものが出てくるし、かと思えば日常マンガっぽくなったり、デビュー作リメイクして取り入れたり、なんとなくハーレムっぽい展開見せたりと、なんだかわからないものになっていました。
 作者が干潟が好きという前提ですが、干潟の良さに焦点を当てて一点突破でよかったんじゃないかと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-05-02 08:56:36] [修正:2017-05-02 08:56:36] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

原作者の実体験がベースになっているだけに面白いです。クリエーターを使い捨てにする外道、ヤクザすら食い物にする業界ゴロ、違法コピー問題、連鎖倒産等々、修羅場が次々に起きて、結果的には仕置や仲間に支えられることによりオチがつきハードな内容の割には爽快です。主人公の神田がもともとスペック高いので、要所要所でいい仕事しているところがポイントかと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-03-13 00:02:31] [修正:2017-03-13 00:02:31] [このレビューのURL]

<<前の10件
123456789

月別のレビュー表示