「鋼鉄くらげ」さんのページ

総レビュー数: 292レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年10月28日

この作品。言わずと知れた「2010年マンガ大賞」受賞作なんですが、自分の率直な感想を言わせてもらうと、そんなに面白くはありませんでした。にも関わらず、なぜこんなに賞賛され、絶賛の嵐を浴びているのかというのを考えてみたところ、歴史上で似たような事例が見つかりました。

その事例というのは、「コロンブスの卵」です。

「コロンブスの卵」についての詳しい説明は省略しますが、要するに、この作品は、風呂漫画という誰も考えつかなかった切り口で、おもしろおかしく漫画を描いたその斬新さが、世間一般で高く評価され、結果マンガ大賞を受賞する事となったのではないかと、そんな事を考えました。

ただやはり、話としては面白くない。というかワンパターンです。
古代ローマ人が現代にタイムスリップし、そこでの入浴設備やシステムの違いに驚き、深いカルチャーショックを受ける。やがて彼は、自分の時代に戻った後で古代ローマの入浴施設にも現代の入浴設備やシステムを取り入れて、やがて人々から賞賛され、絶賛の嵐を受ける。と、かいつまんで説明すればこんな感じです。

確かに発想の奇抜さや、設定の斬新さには多少驚かされた部分もあるんですけど、果たしてそれだけでその漫画が面白い漫画と言えるかどうかは全くの別問題で、少なくとも自分は面白さを感じる作品ではありませんでした。

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[投稿:2011-04-16 22:46:39] [修正:2011-04-16 22:48:26] [このレビューのURL]

面白くないわけでは無いけれども、面白い所は挙げられない、正に4点評価そのままの作品。

何かこう、あらゆる要素が中途半端というか抜け切れていない感じがします。キャラクター押しの作品でもなく、お色気押しの作品でもない。かと言ってストーリーを重視した作品という訳でもなく、今流行(はやり)のユル系脱力漫画という訳でも無い。テニスが題材であるにも関わらずテニスの試合も中途半端。

もう、どうにもこうにも着地点を見出せない作品です。アニメ化はしましたが、あまりオススメはしません。

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[投稿:2011-04-14 17:10:15] [修正:2011-04-14 17:10:15] [このレビューのURL]

あくまで「今のところ」の点数としての6点。

そもそも桜場先生の作品の特徴というのは、一話一話が断絶された読み切りタイプの話の中で、絶妙な落としどころに落ちたオチを、その面白さとして楽しめるところが作品そのものの、引いては作者そのものの大きな魅力であると感じている訳なんですが、この作品はあくまでストーリー全体が、一つの繋がりを持っているため、そのウリである一話ごとのオチがひどく弱いものになっていると感じます。

まぁ、まだ一巻だけなので何とも言えませんが、「今のところ」は6点です。

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[投稿:2011-03-10 23:03:45] [修正:2011-03-10 23:03:45] [このレビューのURL]

問題
ある時、A、B、C、Dの四人が学校のトラック一周分のレースをしました。次の四人の証言を聞いて、このレースの順位を答えなさい。ただし、四人のうち一人だけは嘘の証言をしています。

A:私の次の次にゴールしたのはBだった。
B:私の前にゴールしたのはCだった。
C:私は一位だった。
D:私は一位だった。

この作品は、こういうタイプの問題を登場人物達がクイズ対決みたいな感じで次々と解きあっていく作品です。クイズとしても解きやすく面白い問題も多いので、結構楽しめるのではないかと思います。ちなみに、読む時は紙とペンを側に置いて読む事をおすすめします。読んでいると、答を出される前に自分でも解いてみたくなりますので。

結果としては5巻で完結とコンパクトな作品になってしまいましたが、ネタ切れになってダラダラと続けるよりは、よっぽどかスッキリした終わり方だったと思います。ただ、個人的にはもうあと1、2巻くらい続いて欲しかったというのが本音です。最後に、もう一問だけ、作中で面白かった問題を紹介します。

「2011年と全く同じカレンダーを使える次の年は、西暦何年か?」

答は5巻のとある場所に載っているので、探してみて下さい。

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[投稿:2011-01-07 11:25:30] [修正:2011-02-20 22:49:58] [このレビューのURL]

反骨精神という言葉があるように、まだコンピューターグラフィックによる漫画の作成が出来ずに、更にはスクリーントーンさえ無かった時代、多くの漫画家志望者達は全て自分の手で(つまりは画力で)万物の全てを描写し、表現しなければなりませんでした。そういった逆境とも言える時代の中で育った漫画家達は、確かに今現在の漫画家達と比べても格段に画力が高いです。自分の手で描かなければ伝えたい事を伝えられなかった時代。上手くなる事は、むしろ必然の結果だと言えたのかもしれません。

そんな前置きをしてこの作品ですが、絵だけをとって見れば、文句無しに10点です。もう惚れ惚れしてしまうほど、その画力は素晴らしく、別マガの中でも群を抜いてその巧さが際立っています。同誌に掲載されている他の作品群が子供同然に見えてしまうほど、その巧さはもはや別次元です。

ただストーリーとしては、自叙伝に近いものがあるため、「楽しむ」というよりは「知る」という感覚の方が強いかもしれません。しかし幕末の時代劇物を楽しみたいという人にとっては、その抜群の画力と綿密かつ緻密な時代考証あるいは舞台設定から繰り広げられる、吉村貫一郎の壮絶な人生叙事詩に充分満足できる作品なのではないかと思います。

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[投稿:2011-02-20 22:28:19] [修正:2011-02-20 22:28:19] [このレビューのURL]

1巻の表紙絵とタイトルの「あざとさ」から、どうせ2、3点止まりのネタ本だろうと、その面白さに対して全く期待をしていなかったんですが、いざ実際に読んでみるとその予想に反して、結構な面白さを持った作品でした。正直、悔しさを感じるくらいに。しかも更に悔しいのが、面白いのはどうせ最初の1巻くらいで巻数を重ねれば面白くなくなるんじゃないかと思い、現行の3巻まで読んでみたのですが、それでもやっぱり面白かったという事で更にその悔しさが増幅されました。

簡単にこの作品の内容を説明すると、兄大好きの超ブラコンな妹が、思春期丸出しのバカな兄貴を心の中で罵りながらも、その行動を思うがままに手玉に取り、弄ぶという、言葉だけで表現すると何とも気持ち悪い事この上ない初期設定です。そんな訳で、まぁ、この漫画は変態だらけのギャグ漫画だと思ってくれればほぼ間違いないと思います。

おそらくこの面白さは一時的で、今後絶対に面白くなくなるはずだ。

そういう自分の「呪い」の意味も込めて今回は6点を付ける事にします。

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[投稿:2011-02-11 22:50:27] [修正:2011-02-11 22:59:29] [このレビューのURL]

正直な話、当時この作品がジャンプで掲載されていた頃、自分はあまりこの作品に共感できずにいました。その理由を一言で言ってしまうと、「問題解決の方法論に共感を得なかった」からです。

物語に起承転結の起伏がある以上、主人公がピンチになり、そこからの大逆転を経て物語がハッピーエンドの方向へと収束していくという過程は至極当然であるため、そこに異論の余地は無かったのですが、そこに辿り着くための方法論がどうしても自分の中で納得のできないものばかりだったのを記憶しています。

その方法論を相撲で例えるとします。ある力士が、ここからここまでしか範囲がない土俵の瀬戸際で相手力士に追い込まれています。するとその力士は突然、無理矢理外周の円を足で押し広げて、円をはみ出させてその場を耐え凌いでしまいました、といった具合の方法論を繰り返し取っているように思えたんですよね。つまり無理矢理ルールを拡張させてしまっているような。

勿論これは、物語の意外性という言葉で表現される部分でもあるため、これを意外性と取るか、ズルいと取るか。これは完全に好みの問題です。が、少なくとも自分はあまり納得できませんでした。

最近改めて読み直してみて、確かに話としてはまずまず面白いと思えたんですけど、やはり要所ごとの判断が自分とは噛み合わないなと。そんなことを感じさせられた作品でした。

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[投稿:2011-02-11 22:49:47] [修正:2011-02-11 22:49:47] [このレビューのURL]

作品としても随分前に完結し、自分自身も随分前に読み終わったこの作品なのですが、今まで長い間完結レビューをほったらかしにしていました。そんな訳で、いよいよ完結版のレビューをがっつりと書こうかと思います。

この作品、序盤から中盤にかけては基本的にまったりのんびりとした喫茶で働く主人公、高村潤(たかむらうる)の日常風景が物語の主軸として進んでいきますが、後半の桜庭社長が出てくる辺りから全体的に雲行きが怪しくなり、終盤、最後の最後に出てくる物語の「核心」部分では、超絶ヘビーな展開が読者を待ち構えています。序盤、中盤の少年誌では考えられないくらいの絵柄・物語双方のユルさと、終盤の少女漫画らしい独特のおどろおどろしい雰囲気を醸し出した作品全体のヘビーさとのギャップは相当なものなので、ぜひ一度読んでほんわか&ハラハラしてほしいところです。

ただまぁ、何と言ってもこの漫画の魅力は、主人公「高村潤」の人間としての魅力に尽きると言っても過言では無いと思います。彼女の天真爛漫で純粋で、大ボケな天然っぷりは、まるで可愛らしい小動物を眺めているかのような癒しの効果を受けます。しかし勿論ただ純粋なだけでなく、芯の強さや、正義感の高さを持ちあわせながらも、それでいて繊細で、人の痛みも分かってあげられるという、どんだけ完璧超人なんだよとツッコみたくなるくらいに深い魅力を持ったキャラクターです。

物語が多少不出来な作品でも、キャラクターに好きな部分があると何となくそれを許してしまい、またそれに付随するように作品も苦なく読めてしまうという、それだけキャラクターというのは物語にとって大事な要素なのだと、そんな事を考えさせられます。

あまり少女漫画らしくない少女漫画なので、「少女漫画はちょっと・・・」という人にもぜひ読んでみてほしい作品です。

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[投稿:2009-08-05 19:29:42] [修正:2011-01-25 20:22:16] [このレビューのURL]

ある一人の新任教師が南端に存在する島の学校に赴任し、そこで学校の先生として島の子供たちとの交流を深めていく、という超有名小説そっくりな初期設定です。

まぁ確かに取材をしただけあって南国の島独特の空気感みたいなものはよく出ているんですが、はっきり言ってしまえばそれだけの漫画です。悪い作品ではないのですが、「漫画」としての面白さが全然ありません。絵が巧いとか、ストーリーが秀逸であるとか、あるいは構成が卓越であるとか、発想が斬新かつ奇抜であるとか、そういった漫画を読むときに楽しみとなる、作品としての妙味がことごとく欠けています。

表紙絵のパッと見の印象が良かっただけに、実に残念な作品でした。

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[投稿:2010-12-29 10:22:42] [修正:2010-12-29 10:30:20] [このレビューのURL]

最後の方は目も当てられない程のヒドい有様となったこの作品ですが、トータルで見るとやはり独特のセンスと面白さを持った作品でした。(それでも正直、素直に面白かったと思えるのは10巻前後くらいまでですが。)

ところで、どうして最初の方よりも最後の方が面白くなかったのかと考えてみたのですが、その理由はおそらく「ギャグに対する共感性」の低下なのではないかと考えました。例えばの話ですが、全身タイツの男が目の前から走ってきたとして、その男性が友人たちの間でも人気者のA君なら違和感なく笑って許せるはずですが、普段無口で全く喋らない無愛想のB君なら逆にキモくて、B君頭どうしたの?となる訳です。

つまりどういう事かというと、ギャグというのは起きている現象(=ネタ)そのものもさることながら、その現象を取り巻く環境やバックグラウンドも、ギャグの面白さを決定付ける重要な要素となるのではないかと考えた訳です。

あとは…そうですね。最後の方のジャガーは、最初の方に比べて読んでてツッコみづらいんですよね、ギャグに対して。ボケられてもそのボケが異質過ぎて、読み手としては反応しづらいというか。その辺りも共感性の低下の一部分だったんじゃないかと思います。

まぁ、前にも書きましたが、この作品は定食で言えば添えつけのお新香のような存在です。なのでメインとして楽しむというよりは、あくまで息抜き程度に楽しむと。そういう作品として捉えればいいんじゃないかと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-06-15 20:32:47] [修正:2010-12-04 14:03:07] [このレビューのURL]

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