「鋼鉄くらげ」さんのページ

総レビュー数: 292レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年10月28日

話の序盤や途中部分はそこそこ面白かったんですが、物語の最後の最後。この世界に現れている「ウソ」は何なのかという、物語の一番大事な部分で、いい加減な結論を出したというか、ズルい結論を出してしまいました。

(ここから先はネタバレです)

話の流れからすれば、主人公とこれまで一緒にいた「ナオ」は既にこの世にいない存在で、途中から現れた「ナオ」こそが、本来この世界に留まるべき「ナオ」だった。というのが自然な話の流れだったはずなんですけど、それを「死んでいる存在をどちらか片方に選べる」ようにし、更には「選ばないことでどちらも生かす」という、これまでの前提条件を全てひっくり返すような、とんでもない解決方法で無理矢理ハッピーエンドに持っていってしまいました。

まぁ、確かにどちらか一方を選んでも後味が悪いことには変わりはありませんが、それでも力技のハッピーエンドよりはマシだったんじゃないかと思います。

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[投稿:2013-07-12 23:30:51] [修正:2013-07-12 23:42:02] [このレビューのURL]

結構好きな作品だったのですが、何故か急に、しかもやけにあっさりと終わってしまいました。

まぁ、後書きで作者も語っている通り、あまり話を広げられるタイプの話では無かったので、この辺で終わるのは妥当なところかなとも思います。

常に伯爵か男爵のような喋り方をして、尊大で傲岸不遜な態度を取り続ける、喋る猫「とんぬらさん」。しかしなぜかそれが嫌味にならないのは、あくまでネコだから。あくまでネコだから「まぁいいか」で許してしまう可愛さとズルさが「とんぬらさん」の魅力なんじゃないかと思います。

ちなみに、絵柄はけっこうアクが強く、初見だと軽く引いてしまうようなタイプの絵柄なんですが、中身は至ってフツーのコメディ漫画なので、絵柄さえ気にならなければそれなりに楽しめるんじゃないかと思います。

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[投稿:2013-06-28 23:08:30] [修正:2013-06-28 23:17:06] [このレビューのURL]

いかにも優等生な印象の坂本が、他者からの嫉妬攻撃や日々襲い掛かるトラブルに対して、エレガントかつ華麗に切り抜けていく○○漫画。

○○漫画と表記したのには理由があり、かつ、それがこの作品の抱える問題点でもあると思い、そう表記しました。

この漫画は何漫画か? と考えた時「ギャグ漫画」と結論付けるのが一番無難かと思うんですが、しかし第3話以降では話の方向性がやたらシリアスな内容ばかりになります。ここが気持ち悪い。というかすっきりしません。

ギャグならギャグで。シリアスならシリアスで。話の方向性を統一してくれれば読み手もそれに合わせて読んでいけますが、話全体の方向性がギャグなのか、シリアスなのか、どうにもはっきりしないので、ひどく不完全で中途半端な印象を受けます。

結局のところ面白いのは1話と2話のファーストインパクトだけで、それ以上の面白さは見出せない作品です。

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[投稿:2013-05-24 22:21:33] [修正:2013-05-24 22:58:52] [このレビューのURL]

土産物のお菓子って、お試し的な感覚で1個か2個くらい食べるから美味しいのであって、さすがに何箱も買うものじゃないんだな、とそんなことを思います。

要するに、この漫画は毎週本誌で数ページ分だけ読むから面白いのであって、単行本一冊分160ページ近くも一気に読むのはちょっとくどいな、という感想です。

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[投稿:2013-05-24 22:20:44] [修正:2013-05-24 22:20:44] [このレビューのURL]

そういえば昔、日本史の授業に「西 周(にし あまね)」なんていう人物が出てきたな。
なんていうのは、今回のレビューとは全く関係がありません。

「無敵看板娘」の佐渡川準先生の新作ということで読んでみましたが、正直あまり面白くありませんでした。所々出てくる露骨なお色気シーンも「ドキドキする」というよりはむしろ「軽く引く」というようなものばかりですし。

何より主人公のキャラクターが気持ち悪いです。行動の一つひとつがいちいちあざとすぎて、可愛いと思うよりもむしろ、彼女の内に秘めた腹黒さを邪推してしまいます。

(自分はそうならなかったですが)よっぽどこの主人公のキャラに魅力を感じない限り、二巻目を買うことは無いと思います。

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[投稿:2013-04-19 22:54:51] [修正:2013-04-19 22:54:51] [このレビューのURL]

凄まじく「表紙詐欺」な漫画です。

基本ムサ苦しい男子高校生だらけの物語なのに、ほんの少ししか登場しないメインヒロインをコミックスの表紙に持ってくるという、その辺の雑誌や週刊誌と同じ販売手法を取っています。

ある日突然未来にタイムスリップし、自分の好きな女の子が自分のお嫁さんになっている姿を見てしまった主人公。彼はその女の子との幸せな未来を実現させるために現実世界をより良い方向に導いていこうとする、という設定自体は面白いのですが、どうにもそれが上手く活かされていないように思えます。

プラスにせよマイナスにせよ、未来での変化がもっと目に見えて分かりやすい形で描出されていれば、タイムスリップして未来が見えるという行為にも意味が出てくるものですが、基本「昔こうだったよね」という既成事実の通告ばかりなので、結果として、主人公が自分にとって都合の良い未来に導くだけの物語に終始していることが大きな問題なんじゃないかと思います。

なので、気がついたらヒロインとの未来が全然変わっていたとか、もっと「この先どうなるのか分からない」と思えるような展開にした方が良いんじゃないかと思います。

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[投稿:2013-02-22 23:27:32] [修正:2013-02-22 23:39:12] [このレビューのURL]

自分にとって水沢先生の描く絵柄っていうのは、初恋の人に対する思いと似たようなもので、実際に話が面白いかどうかはそれほど重要ではなく、ただその絵柄を見ているだけで癒されるというか安心できるという、そんな存在な訳です。

で、そんな存在だったこの作品なんですが、何とわずか3巻で終わってしまいました。正直、もうあと3巻分(三姉妹一周分)くらいは続いて欲しかっただけに、この段階での終了はとても残念です。

お寺で暮らす三姉妹の、それぞれの恋愛模様を描いたこの作品。それぞれの姉妹が持つ恋愛事情は実に明確で、はっきりとしたテーマが提示されています。しかし、だからこそ三姉妹全員に共通する肝心要の「跡継ぎ問題」を、物語の結論としてきちんと提示してほしかったというのが、一読者としての率直な感想です。

個別の話は面白いんですが、最終的なまとまりがいまいちだったので、今回は7点にしました。

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[投稿:2013-02-22 23:26:44] [修正:2013-02-22 23:26:44] [このレビューのURL]

火星に移住したい人類が、ゴキブリを撒いて地表面を黒くすることで温室効果を発生させ、火星の地下内部に眠る冷凍の二酸化炭素を溶かす計画を考えた。500年後、人類が火星に降り立ってみると、どういうわけか、火星にばら撒いたゴキブリが異常な進化を遂げ、生身の人間ではとても対処できないような、途轍もない身体能力を持った生物に進化していた。

なんていう、さすがにSFものはツッコミどころ満載だなと思う基本設定のこの作品。

ただ、SFものに現実的なツッコミをいれても仕方が無いので、今回はそういうのはナシでいきます。

『このマンガがすごい!2013』のオトコ編で1位になったこの作品。多分自分は、この作品が『このマンガがすごい!2013』で1位を取らなかったら、一生この作品を読むことは無かったんじゃないかと思います
(絵柄的な好みの問題で)。ですが、確かに1位を取るだけあって話の内容は面白いです。

タイプ的には同じ雑誌に掲載されている『GANTZ』と似た様な感じです。なので、人体がバラバラになって血しぶきが飛び散ったりだとか、臓器が体からはみ出たりするようなグロい描写が苦手な人は、きっとキツいと思います。基本バトルはガチの肉弾戦なので。

1巻の終わり方はまるで最終回のような終わり方なんですが、1巻の内容は言わば2巻目以降の壮大な伏線みたいなものです。1巻でベースとして築き上げた物語の基本設定が、歴史の積み重ねによって2巻目以降に更に活かされていきます。なので、1巻だけで読むのをやめてしまわずに、ぜひとも2巻目以降も読んでみて欲しいと思います。というか、2巻目以降がゴキブリとのバトルの本番です。

正直、1巻ずつチマチマ読んでいくと話の続きが気になって仕方が無いので、本当は全部物語が完結してから読んだ方がいいんじゃないかと思います。

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[投稿:2013-02-15 22:23:33] [修正:2013-02-15 23:34:16] [このレビューのURL]

野球で言うなら「三回に二回の割合で右中間ヒットを放つ三番打者」といったイメージのこの作品。要するに、大事な場面できちんとヒットを打って、確実に1点を取る技巧打者。そんな、手堅い印象を与える作品です。

主人公の山田は相手とキスをすることで、相手と自分の人格が入れ替えてしまう能力を持っている。そんな、少女漫画とかでありがちな基本設定に少年漫画らしいお色気シーンもプラスした、正に男の子の好みのツボを的確に押してくるかのような、堅実さ満点のストーリー展開です。

そんな手堅い印象を与える作品なので、別段褒めるところも非難するところもありません。話の内容も、どこまで優等生なんだと思うくらいに普通の起承転結ストーリーです。強いて言えば、主人公や男性キャラが皆同じ顔(正確にはみんな前作の『ヤンキー君とメガネちゃん』の主人公、品川)に見える、ってところくらいです。(おそらくこれは、作者の趣味が反映されているのだと思います。)

基本、話のノリは前作のヤンメガそのままなので、前作(の最初の方)が好きだった人は、ほとんど抵抗なく読めるんじゃないかと思います。

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[投稿:2013-02-15 22:22:50] [修正:2013-02-15 22:35:14] [このレビューのURL]

自分が好きなギャグ漫画のトップ3に入ると思うこの作品。

この作品の面白さは何と言っても「フィクションとして守るべき最低限のルールを『ギャグだから大丈夫』という訳のわからない理由で平然と飛び越えてしまうところ」にあると考えます。

当たり前ですが、フィクションがフィクションとして存在するためには、ある程度のリアリティを排除しなくてはいけません。恋愛ドラマのクライマックスで、彼氏が彼女に愛の告白をしようとしている時に、どこからともなく石焼き芋の声が聞こえてきたら変ですし、そのあと、キスをしようとしてお互いの顔を近づけたら、彼氏の鼻の穴から鼻毛がはみ出ていたなんてこともあり得ません。しかし現実にはあり得ます。可能性としては限りなく低いですが、あり得ないことはありません。人間ですから。現実ですから。つまりフィクションというのは、ある程度のドラマ性を確保するために、そうした現実的な、引いては人間的な側面を排除しなければならない舞台設定だと言えます。

しかしこの作品は、そんな、物語がフィクションとして存在するために必要な「現実性の排除」をことごとく無視しまくっています。

ダンジョンに入ればどこからか焼肉の匂いがしますし、シリアスな場面では他の誰かが屁をこきますし、勇者の投げたナイフで盗賊のお頭(おっさん)が半ケツ状態になりますし、資金集めのために始めた店屋では半裸のオヤジが脇の下でおにぎりを握っていますし、しまいにはラスボス戦で勇者がう○こに行きたいと言い出す始末です。もうやりたい放題です。

ただ、そうした発想こそがギャグの本質だと思うんですよね。シリアスな場面にあえて人間臭さや現実的な側面を持ち込むことで、それがギャグにつながり、見る人(読む人)の笑いを誘うというか、そんな感じがします。

しかし、勿論そうした下ネタ気味なギャグだけではなく、まるで少女漫画の様なメルヘンチックでロマンチックでファンタジックな要素もふんだんに盛り込まれています。(特に10巻辺り)ギャグだけではなく、繊細な心の描写もきちんと描ける辺り、さすがプロの作家だなと感じます。

ちなみに、この作品の中で自分が特に好きなエピソードは、「ノコギリ山」と「ゲソックの森」の二つです。この二つだけは10点を付けたいほどの面白さなんですが、途中、長期連載の弊害からか結構長い期間、物語が中だるみするので、その点を考慮して今回は少し減点して8点の点数を付けました。

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[投稿:2013-01-25 23:19:45] [修正:2013-01-25 23:19:45] [このレビューのURL]

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