「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

天下分け目の関ケ原を実質的な総大将だった石田三成中心に西軍視点で描いた漫画。絵柄がやや可愛い感じで独特ですが慣れて来ますし、漫画として十分な質があって面白かったです。石田三成周辺の面白い部分だけじゃなく、敵役である東軍家康の凄さもちゃんと描かれていました。

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[投稿:2015-07-11 03:26:22] [修正:2015-07-11 03:26:22] [このレビューのURL]

「県庁の星」の漫画版同作者のもので、タイトルと概要に興味が沸いたから読んだ作品。一言で言えばお金の道徳教科書です。具体的にお金を稼ぐビジネス本を期待していると肩透かしになります。かといって大まかな心構えという点ではお金のことを論じることが普段は難しい中で、本作は綺麗事が多いように見えて核心をついているかと思います。完全にこんな風に生きるのは難しいと思いつつも勉強にはなります。

こういう漫画で分かるシリーズで悪い意味でありがちな漫画が少し、解説文章びっしりというのではなく、全ページ漫画なので漫画作品とちゃんとなっているところは良かったです。お金が話題なのに作風が爽やかで登場人物にも好感が持てました。原作者の体験談をベースにしているようで(さすがにフィクションも盛り込んでいるのを感じますが)、成功者と毎回繰り広げる対談はリアリティを感じる部分がありました。具体案は乏しいですが、幸せな(金があるだけじゃない)お金持ちの成功談としては学ぶ価値がある道徳論だと思います。ただ具体的にビジネスをどうやればという指南書ではないこと、1冊の単価が活字本のコミックス化という形態なので割高なことが欠点ではあります。

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[投稿:2015-07-04 13:03:06] [修正:2015-07-04 13:03:06] [このレビューのURL]

大宰治の名作を現代にリメイクした作品。原作未読ですが出来は
かなり良いのではと思います。画力は相当高いです。主人公の歪みっぷりが半端なく、容赦なく転落して行くので、読んでいて気持ち良い類の作品ではありませんが、大宰の私小説遺書要素の濃い作品だけに痛々しさは作り物感が薄く一読の価値があるかと。

原作は今だと読みにくいものがあるので、現代かつ漫画というこの媒体は貴重だと思います。巻数も3で短く纏まっていますし。誰もが名は知っている大宰を深く知る上でも、作中にある結婚直後の一番心が安定してた時期に、教科書にも掲載されている晴れ晴れとした「走れメロス」を執筆したのだなとか思うのも感慨深かったです。

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[投稿:2015-07-03 00:27:45] [修正:2015-07-03 00:27:45] [このレビューのURL]

イギリス都市伝説設定を用いながら刑事もの要素を入れつつ、バトル漫画として昇華させた作品。作者の前作より画力があがっているところやイギリス都市伝説は勉強になり面白かったです。

あとは地味に纏めた感じでしたが、引き伸ばしなく
おそらく打ち切りでしょうが綺麗に全9巻で締めたのは良かったです。

前作から見てもダークな設定、雰囲気になりながらも芯の部分じゃ王道少年漫画を捨ててない作風は継続しており、今回も活きていたと思います。

上司刑事のセクハラ行為がギャグにもならない不快さだったのともう1つパンチがあればと思うところはありましたが、手堅い良作だったと思います。作者の次回作名作「レミゼラブル」も完結後読む予定ですが楽しみです。

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[投稿:2015-06-29 00:19:03] [修正:2015-06-29 00:19:03] [このレビューのURL]

1話完結が基本の職業物語で最初から最後まで面白いです。
画力が最初からあって多少崩れますが最後まで
高いまま。キャラデザも親しみやすいです。
内容がサービス業の薀蓄の解説だけじゃなく、人の生き方
、人と人との関わり方まで触れる内容まで進んで哲学にも
入っていて読んでいて刺激を感じました。
この辺に関しては他の薀蓄系と違い考えを変えるだけで良いので即効性もあります。
話も最初はオチが読みやすいのからちょっとした捻りが加わって、後半の方が熟成感がありました。

最初はただのマスコットヒロインかと見えた涼子が主人公
になって、最上・水無月・朝霧という三者三様の先輩一流コンシェルジュと触れ合い、自分のコンシェルジュ像を確立
するという大きな物語が存在している辺りも読み進めてどんどん面白くなったと思います。最上主人公でヒロイン涼子でスーパーコンシェルジュ話で進んでたらマンネリ傾向になっていた
でしょうが、最上の存在感を抑えて他のキャラ話も交えて
涼子を中心とした良い成長群像劇になったかと。
仲間との協力や雰囲気が良いのでただの職場って感じじゃなくてアットホーム感があったのも良いですね。
雑誌関係で急遽の終了だったようですが綺麗に畳んでいるので
質が高いまま終わったと思います。
付録4コマも結構面白くてキャラ達の掘り下げに貢献していました。

欠点は政治の話になった時に明らかに特定の主張をする
キャラを賛美して(対論は示さない)、その逆は容赦なく貶してる感じだったことです。現実のモデルとなる人をかなり酷似
したまま出しちゃうのでここへの偏り感は残念になりました。作者はブログで炎上事件を起こしたことも
あるらしく勇み足気味らしいですが(ガッシュの作者を誹謗中傷してしまったようですが)。しばらくするとこの手の話をグッと抑えたこと(この漫画の推す某政党が政権交代されるほど不人気だった時事が大きかったと思われる)、それ以外上記の普遍的な価値話は良く出来ていたので欠点は低めに見て、職業もの1話完結型を探している人、特にサービス関係に興味がある人にはオススメしたい漫画です。十分完結しているので第二部的なプラチナム以降は話の内容、質的にも蛇足だと考えます。

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[投稿:2013-03-02 18:25:02] [修正:2015-06-22 01:23:52] [このレビューのURL]

一昔前のホラーパニック漫画ですが、人類の死活命題(本作は食糧)と危険な科学技術について考えさせられる設定は今でも十分に通じるかと思います。時代が変遷して登場人物が変遷する3部構成(10歳、13歳、20歳)ですが、それぞれの話に繋がりと変遷ならではの面白みがあり、全12巻で中だるみなく一気に読み切れる面白さがあります。作者が舞台作家らしくテンポの良さ(現在の漫画ならどれだけ引き伸ばされたか)、たまにハッとするセンスの良いセリフは上手さがあります。

画力はあれど絵柄に癖が強く、年齢に合ってないような老けキャラ達の連発、悪人は見るからに悪人相の少年漫画の悪い意味での定番、キャラ達の年齢設定は地位や行動みるともう5歳はあげても良かったのでは、三部は展開にご都合色が強い、など問題点も感じましたが、チャンピオンの暗黒時代を支えたとの評もあるだけの隠れた名作だと思います。大団円でまとめながら一抹の皮肉を残すオチも印象的で良かったと思います。

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[投稿:2015-06-16 21:54:58] [修正:2015-06-16 21:57:09] [このレビューのURL]

物足りない。これが総評ですね。一話完結系で設定、主人公とヒロインのキャラも悪くない、それでも基本のストーリーが感動系なんですが、作者がこの系統を狙ってやって無理してる感があるんですね。絵に癖はあれど画力は素晴らしいですが。おそらく作者の実力がフルに発揮されるのはこの分野ではないと思いました。

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[投稿:2015-06-16 21:38:39] [修正:2015-06-16 21:38:39] [このレビューのURL]

終盤の恋愛絡みで連載中に騒ぎが起こった作品かつ競艇というマイナー競技を題材とした漫画で長いなあというのが読む前の印象だった作品です。最初の6、7巻くらいが競艇学校でレースにはなかなか行きません。これがつまらないことはないのですが、いきなり敷居を感じました。しかしこれがあってこそという作品だったのは間違いないです。

ここでルールと基礎を覚えたことが競艇の奥深さをその後理解できるという格好になり、完全に初心者でも門戸を開くようになりましたから。それからは安定した面白さを保ちました。主人公波多野、ライバル洞口が無双する訳ではなく、それなりに挫折があり(怪我の下りは印象的。古池さんという主人公に物言う師匠がついたのも良かった)、課題を克服しつつ互いに地位が上下するのは面白かったですね。時間をかけてトップレイサーになって行きます。周辺人物達も実力、地位様々ですがそれぞれの活躍を描けていたと思います。

「帯ギュ」に比べると登場人物の人間性に黒さも出ますが、人間臭くて良かったとは思います(本当の腹黒人間はほとんど居ませんし)。終盤はその恋愛絡みは多少縺れましたが、積み重ねて来たのものが活きて実に綺麗に畳んで関心しました。恋愛絡みもありますが、普段はレース・競艇絡みの話が「帯ギュ」に比べると多いです(競艇選手の私生活の厳しさを逆に描けているが、息抜き部分がないとも言える)。浮気と言ってもキス1つしてないし、波多野は最後にはちゃんとケジメをつけた訳で(その選択も人として正しいもの)、人物達が納得する良い落としどころに行き着いて良かったです。振られた青島が行き着いた心情独白には感動しましたしね。なんだかんだで終盤の人間ドラマにも盛りあがりを感じました。

全30巻と長いですが、競艇という独自の世界を正面から描き切った功績は大きいと思います。レースの奥深さ、選手達の舞台裏も分かり敬意を抱けました。ギャンブルなのに不思議な爽やかさもあります。クオリティは同等だと思いますが、個人的な好みは「帯ギュ」以上でした。スポーツ漫画の名作だと思います。

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[投稿:2015-06-13 14:45:48] [修正:2015-06-13 14:45:48] [このレビューのURL]

どこかで見たような既視感ある世界観、流行りの「進撃の巨人」に影響受けてるなと思う部分、「ベルセルク」投げ出しで新作かよという部分などで評価はあまり高くない印象ですが、さすがにベルセルク作者作品だけに面白かったです。全1巻ですが主人公とヒロインはじめキャラは立っているし、バトルは迫力あり、それなりに纏まっているところも好印象(再開しようと思えば出来るししなくても良い終わり方)。息抜き的な佳作読み切りという感じです。

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[投稿:2015-05-23 02:36:36] [修正:2015-05-23 02:36:36] [このレビューのURL]

「岳」、「神々の山嶺」と並んで三大登山漫画と呼んで良い作品だと思います。この作品の抜けているところは画力です。現代的で初期から上手くて、途中からは画集レベルになっています。これは登山漫画としてはかなり重要なところかと。三大漫画の中で登山の技術論は巻末に用語解説があるように一番詳しいのではと思います(後半は減って来ましたが)。ストーリーは史実人孤高登山家加藤文太郎を主人公として、現代に彼が産まれたら的にアレンジした感じです。タイトル通りかなり暗い作品ですが、惹きつけられるものがあり、話題も現代だからこその時事が盛りだくさんで先が気になり、読むスピードが速くなりました。
欠点としては時系列が分かりにくいかなり癖の強い表現が多いです。序盤は良い意味で王道的なんですが、すぐに周囲人物に不快・善人っぽいのに一転堕ちてしまう人に溢れて、主人公が孤高どころかいじめ、振り回されている可哀想な人に見えてしまうことですね。「岳」の主人公三歩の方が泰然としてよほど孤高の人ではありました。この辺が人によっては途中で切ってしまってもおかしくないとは思いました。しかし、後半から主人公の理解者も出てきて、作風的にもある程度丸くなったなとは思います。結末も史実とは違いますが、アレンジ舞台設定なので許容出来る加藤文太郎という人物に思いを馳せさせるものでした。

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[投稿:2015-05-22 01:06:57] [修正:2015-05-22 01:22:51] [このレビューのURL]

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