「鋼鉄くらげ」さんのページ

総レビュー数: 292レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年10月28日

どうやら最新の科学技術では、メス単体の存在だけで次の世代の命を作る事が出来るらしく、じゃあオスの存在理由って何なの? っていう疑問の答がここにあるような作品。

つまり、ある免疫学者の言葉を借りるなら、男っていうのはやっぱり「現象」だと思うんです。「現象」だからこそ必要以上にその存在意義を強調したくなり、見栄やプライド、あるいは権威と言った存在意義を主張できるようなステータスを持とうとするんじゃないかと、そう考える訳です。

あ、ちなみにこの作品はそんな高尚な漫画ではなく、男子高校生のどうでもいい日常を一話につき何ページとかでダラダラとやっているような物凄いユルい漫画です。

道に落ちている棒を見つけてRPGごっこをやり始めたりだとか、サッカーの練習で必殺シュートを編み出したりとか、ホント男子高校生ってしょうもない事ばっかりやってると思うんですけど、そういうしょうもない事を真剣に、しかも必死にやってる生き物が「男子高校生」なんだと、世の女性方に分かってもらえれば幸いです。

ちなみに、個人的に好きなキャラトップ3は、唐沢さん、りんごちゃん、タダクニの妹の三人です。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-03-10 23:03:02] [修正:2011-03-10 23:03:02] [このレビューのURL]

問題
ある時、A、B、C、Dの四人が学校のトラック一周分のレースをしました。次の四人の証言を聞いて、このレースの順位を答えなさい。ただし、四人のうち一人だけは嘘の証言をしています。

A:私の次の次にゴールしたのはBだった。
B:私の前にゴールしたのはCだった。
C:私は一位だった。
D:私は一位だった。

この作品は、こういうタイプの問題を登場人物達がクイズ対決みたいな感じで次々と解きあっていく作品です。クイズとしても解きやすく面白い問題も多いので、結構楽しめるのではないかと思います。ちなみに、読む時は紙とペンを側に置いて読む事をおすすめします。読んでいると、答を出される前に自分でも解いてみたくなりますので。

結果としては5巻で完結とコンパクトな作品になってしまいましたが、ネタ切れになってダラダラと続けるよりは、よっぽどかスッキリした終わり方だったと思います。ただ、個人的にはもうあと1、2巻くらい続いて欲しかったというのが本音です。最後に、もう一問だけ、作中で面白かった問題を紹介します。

「2011年と全く同じカレンダーを使える次の年は、西暦何年か?」

答は5巻のとある場所に載っているので、探してみて下さい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-07 11:25:30] [修正:2011-02-20 22:49:58] [このレビューのURL]

正直な話、当時この作品がジャンプで掲載されていた頃、自分はあまりこの作品に共感できずにいました。その理由を一言で言ってしまうと、「問題解決の方法論に共感を得なかった」からです。

物語に起承転結の起伏がある以上、主人公がピンチになり、そこからの大逆転を経て物語がハッピーエンドの方向へと収束していくという過程は至極当然であるため、そこに異論の余地は無かったのですが、そこに辿り着くための方法論がどうしても自分の中で納得のできないものばかりだったのを記憶しています。

その方法論を相撲で例えるとします。ある力士が、ここからここまでしか範囲がない土俵の瀬戸際で相手力士に追い込まれています。するとその力士は突然、無理矢理外周の円を足で押し広げて、円をはみ出させてその場を耐え凌いでしまいました、といった具合の方法論を繰り返し取っているように思えたんですよね。つまり無理矢理ルールを拡張させてしまっているような。

勿論これは、物語の意外性という言葉で表現される部分でもあるため、これを意外性と取るか、ズルいと取るか。これは完全に好みの問題です。が、少なくとも自分はあまり納得できませんでした。

最近改めて読み直してみて、確かに話としてはまずまず面白いと思えたんですけど、やはり要所ごとの判断が自分とは噛み合わないなと。そんなことを感じさせられた作品でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-02-11 22:49:47] [修正:2011-02-11 22:49:47] [このレビューのURL]

作品としても随分前に完結し、自分自身も随分前に読み終わったこの作品なのですが、今まで長い間完結レビューをほったらかしにしていました。そんな訳で、いよいよ完結版のレビューをがっつりと書こうかと思います。

この作品、序盤から中盤にかけては基本的にまったりのんびりとした喫茶で働く主人公、高村潤(たかむらうる)の日常風景が物語の主軸として進んでいきますが、後半の桜庭社長が出てくる辺りから全体的に雲行きが怪しくなり、終盤、最後の最後に出てくる物語の「核心」部分では、超絶ヘビーな展開が読者を待ち構えています。序盤、中盤の少年誌では考えられないくらいの絵柄・物語双方のユルさと、終盤の少女漫画らしい独特のおどろおどろしい雰囲気を醸し出した作品全体のヘビーさとのギャップは相当なものなので、ぜひ一度読んでほんわか&ハラハラしてほしいところです。

ただまぁ、何と言ってもこの漫画の魅力は、主人公「高村潤」の人間としての魅力に尽きると言っても過言では無いと思います。彼女の天真爛漫で純粋で、大ボケな天然っぷりは、まるで可愛らしい小動物を眺めているかのような癒しの効果を受けます。しかし勿論ただ純粋なだけでなく、芯の強さや、正義感の高さを持ちあわせながらも、それでいて繊細で、人の痛みも分かってあげられるという、どんだけ完璧超人なんだよとツッコみたくなるくらいに深い魅力を持ったキャラクターです。

物語が多少不出来な作品でも、キャラクターに好きな部分があると何となくそれを許してしまい、またそれに付随するように作品も苦なく読めてしまうという、それだけキャラクターというのは物語にとって大事な要素なのだと、そんな事を考えさせられます。

あまり少女漫画らしくない少女漫画なので、「少女漫画はちょっと・・・」という人にもぜひ読んでみてほしい作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-08-05 19:29:42] [修正:2011-01-25 20:22:16] [このレビューのURL]

発掘されてしまったアホ漫画。(受身形)

一巻の表紙絵だけを見たら、至って爽やかで可愛らしい少女漫画なのですが、その中身は何ともアホでやりたい放題のギャグ漫画でした。きっと、その次の二巻の表紙を見れば、この漫画の正体が見えるのではないかと思います。

私が思う、この作品の魅力は、いい年した大人が全力でバカな事をやっている所。中途半端なバカは見ていて腹立たしいものなのですが、行き過ぎたバカは見ていて憐れみにも似た同情や愛着、そして親近感を覚えます。

おそらく、バカと天才を秤に掛けた天秤が、バカの方に傾いたらきっとこういう作品になるんだろうなと、そんな事を考えさせられました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-06-16 20:23:53] [修正:2010-07-22 21:54:23] [このレビューのURL]

一応、21世紀少年が一連の物語としてのゴールなんですが、こちらに書く方が分かりやすいので、こちらに全体のレビューを書こうかと思います。

1 「ともだち」について

あんまり書くとネタバレになってしまうので、突っ込んだ表現はできませんが、この物語のオチについて、一言で言ってしまうと、「いじわる問題」。解答者に与えられる情報と、解答者が導き出す答の間に大きな不均衡が生じているため、解答者が不利な立場を強いられる問題が、この物語の結末にはあると思います。

では今回のこの作品で、読者は何が不利だったのかと言えば、それは“彼”の正体を知ってから改めて彼の足跡を辿った時に、あまりにも読者の想像に委ねられる部分が多い事にあると私は考えます。最初の“彼”の時にはまだ伏線という足跡があった。しかし次の“彼”の時には伏線というには、あまりにも霞のような朧気な記憶しか、その手がかりがない。

正直私は、次の“彼”は、あまりにも無理矢理な印象を受けました。「読者に予想させない人物」を考えすぎた結果、あまりにも突拍子も無い人物を選んでしまった。そう思えてならないのです。もし“彼”が “ともだち”として選ばれたのなら読者に説明しなければならない過程が山ほどある。しかし、それを置き去りにして「はい。“ともだち”は“彼”でした。」だけではやはり不完全だと言われても仕方ないと思います。

2 ストーリーについて

回りくどくて、まどろっこしくて、思わせぶりな事この上ないストーリー。引き付ける演出と言ってしまえばそれまでですが、正直自分の好みではなかったです。
終盤、読みながら思っていたのが「この話、元々はどの位の長さだったのだろう?」という事でした。

結論から言えば、“ともだち暦3年”は、当初の構想には無かった話なのではないか?という事です。本来なら、その3年前に“ともだち”の正体が暴かれ、ケンジやかつての仲間達は無事に再会を果たし、物語は大団円を迎えた。そういう話だったのではないか。そんな事を考えていました。


何と言うか、子供の遊びに振り回されたような読後感でした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-09-02 20:35:24] [修正:2010-05-27 20:32:34] [このレビューのURL]

個人的に、今アニメで観てみたい漫画の内の一つ。

というのも、この作品は声優を目指して声優養成学校に通っている女の子を主人公とした物語で、当然、その内容も「声」ありきのモノが多いのです。まぁ、肝心のストーリーそのものは割と普通なんですが、話の要所要所に用いられる演出面に関しては、やはり実際に声があった方が面白いんじゃないかと思っています。

巻数を重ねる毎に、益々面白くなってきているので、今後が楽しみな作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-12 20:06:34] [修正:2010-05-12 20:09:56] [このレビューのURL]

個人的に、別マガ一押しのオススメ作品。

この作品の魅力は、何と言っても、その絶望的過ぎる世界観にあります。普通、物語の舞台として語られる世界では、何らかの悪の存在が予め提示されています。つまりそれは、物語を語る上で大前提となる「問題」そのものです。そして、その世界を生きる人々は皆、多かれ少なかれ、その悪の存在を畏怖し、それから解放されたいと心から願っています。ですが、そうした悪の影響力を大きく持つ物語の世界でも、何らかの形で「救い」となるような何かが残されています。それが普通です。

しかし、この作品にはそうした「救い」が全くありません。本当に、ここから先、人類が逆転出来る様な要素がどこかに残されているのか? と不安になるくらい、絶望的な舞台設定が物語の大前提として提示されています。この、斬新で残酷な舞台設定は、かなり衝撃的で新鮮です。一方の絵柄そのものにはまだ荒削りな部分も多々目に付きますが、別マガの中でもとりわけ、今後の展開にかなり期待している作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-12 20:05:24] [修正:2010-05-12 20:08:28] [このレビューのURL]

前半8点。後半6点。間を取って、総合7点。

後半、よく分からない学園ドラマになってしまったのが少し残念な作品です。自分は、どちらかと言えば前半のような、日常から半歩隔絶された不思議な世界観を持った話の方が好みでした。

まぁそれはさておき、こういう話を読むと、日本の民話というのは実に多様性に富んでいて、実に想像力豊かな伝承が多いと感じます。そして、それとともに、そうした物の怪や妖怪の類とバトルをするという、最近の漫画にありがちな発想は、実は、かなり野蛮で罰当たりな発想なんじゃないかとも思います。

「温故知新」という言葉の重みを、それとなく感じる事のできる、心優しい作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-02 20:09:11] [修正:2009-12-02 20:09:11] [このレビューのURL]

他の人達のレビューから興味を持った作品。成程、これはまた随分と、渋い作品です。

総括的な意見として、短編集全体を通して感じる事は、ひどく空虚な感情が物語を支配しているという事です。

これは、作者自身の心の中にある、絶望とはまた違った、ある種の諦念が生み出しているものではないかと私は考えています。しかし、その中でも心のどこかに寄り添える場所を求めている。そんな深層心理が窺えます。

おそらく完全に万人受け、メディア受けしない短編集ですが、こういう表現方法を採る漫画家もいる、という事で一度読んでみてもいいと思います。好みかどうかは別として、漫画に対する見方の幅が広がるはずです。

そして、この短編集をどう感じたかで、自分の人生の立ち位置が何となく分かるはずです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-11-20 20:31:48] [修正:2009-11-20 20:31:48] [このレビューのURL]

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