「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

タイトルと印象が違い国とか名誉の戦死とか英雄とかより俺達が生き延びてこそだろって真っ向から違う、如何に合理性を追求するかというスタンスの作品でした。画力が高く、演出も上手く、絵も見やすいために難しい戦争ものですが内容が頭に入りやすいです。

キャラも上記スタンスの指揮官新城が主人公として他の漫画じゃ
あるまじき見捨てや焦土作戦など駆使するところが引き込まれました(それらの行為に心を痛めてますが士気のため冷徹に堪えて振る舞います)し、主人公側がこういうことをすることで戦争の悲惨さがもっと伝わるものがあると思います。略奪行為を戦術的に否定しないで効能を説明するセリフが入る辺りも深みがありました(だからこそ戦争は怖い)。
戦闘に関してはファンタジー要素をいれつつも、現実的・戦略的に描くことに徹しています。その駆け引きが面白かったです。

良い漫画ですが注意的としては徹底的に戦争しかやってません。そしてその戦争は負け戦の撤退時間稼ぎという地味なものです(個人的にその役が主人公の仕事というのが独自性を感じましたが)。そこで区切りまだまだこれから第一部完という感じで終わります(打ち切りらしいですがギリギリで区切りはつけました)
これらの点は相性に影響が大きい気がしましたので、読む人は念頭に入れて読んで欲しいと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-02-02 20:01:10] [修正:2013-04-29 23:18:44] [このレビューのURL]

7点 HELLSING

超能力ありですが銃も用いたアクション漫画として良作だと思いました。
決め台詞や盛り上がるシーン、高い画力やキャラが立っている
ことなど凄いグロですが正統派的に抑えるところ抑えてる
のが良いですね。
展開も読めやすいながらテンポ良く引き伸ばさないで
勢い良く全10巻で綺麗に終わった辺りも良かったです。
狂気的なキャラが多いですが言ってる内容は電波
的ではなく何が言いたいのかは分かる(賛同は別ですが)ので個人的には気にならなかったです。宗教戦争やナチスなど絡んだ三つ巴の戦いはどうなるのかといい見どころがありました。
主要キャラも敵味方関係なく結構殺すのでそれも緊張感や
余韻がありました。

欠点として感じたのは謎っぽく示唆されていて、舞台背景にもなる肝心の主人公の過去が実際のヴァンパイア
関連話から複数引用しているのは良いとして、作中に解説がない状態なので予備知識がないと最後まで分かりにくかったです。
これから読む人は是非事前に調べた方が良いかと。
ブラム・ストーカー作「吸血鬼ドラキュラ」の概要と串刺し公ヴラド・ツェペシュのおおまかな生い立ちは事前に抑えておくと
解消して「おおっ」となります(こういうやり方
はあまり好きではないです。専門知識が必要なら作中で説明すべきなので)。
あとギャグの時落書きレベルに酷く絵を崩して内容も面白くないので興をそがれる場面がありました。アクションシーン
も見やすくない場面がたまに見られました。
この辺がちょっとしたストレスになりましたがお薦めしたい
作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-02-20 11:55:04] [修正:2013-02-20 11:55:04] [このレビューのURL]

忍法なんて完全に越えた超能力バトルのバトルロワイヤル作品
舞台は史実を流用してなかなか上手い舞台だと思います。

一発芸大会なので「何の力持ってるの?」、「それを
破るにはどうしよう」って所が見どころです。
オチが大体読めちゃう作品だからこそそこが重要ですがこの巻数
でテンポが良く密度が高かったですね。
引っ張ることなくどんどん決着ついて犠牲者が出るのは
最近ある引き伸ばし
バトル漫画へのアンチテーゼになっています。

画力が高く、キャラも二十人もいますが読んでいるうちに
全員ちゃんと把握出来る辺り技量が高いです。
さっさと死んだキャラのために途中で前日談を入れているのも
上手かったです。一気に全巻読むことをお薦めしたいし、
それが可能な作品かと。

残念だったのはシンプルだからこそ良い面ともっと複雑な
バトルが見たかったなという矛盾するがどうしても残る気持ち
。ラストバトルが誰と誰がやるのかすぐに読めることです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-02-10 06:16:17] [修正:2013-02-10 06:16:17] [このレビューのURL]

評価数少ないけど十分お薦め出来る作品。何の漫画と言われる
と原作者も困ったなと言っていますがその通りのSF、バトル
、知略戦なんでもありのヴァンパイア漫画ですね。

メイン的な知略戦、二転三転する展開が素晴らしくデスノートとか好きな人には合うんじゃないかなと思う作品です。原作者もそういう筋の人らしく事件の真相を少しづつ解明する推理要素もあります。伏線をたくさん貼ってますが、ほとんど回収した辺りも上手に出来ていると思います。

絵柄がかなり癖がありますが書き込みが多く丁寧さは感じました。
欠点を言うとネタバレにもなりますが、登場人物がみんな良い人達
だったから悪い方にひたすら転んだってオチ(これはあんまり気分良いものじゃない。解けた時のカタルシスが落ちてしまう)。
そういう意味でちょっとキャラの幅が弱いです。

宇宙人が出てきますが舞台装置以上の価値がなかった扱い、最後の最後はさすがに展開がほぼ読めてしまうので、最終巻入るくらいまでが盛り上がってあとは消化戦になってしまったことですかね。あとひたすらってほど重い話で息抜きもほぼないなのでそういうのが苦手な人は注意。9巻でちゃんと畳みましたし、最初に挙げた良い部分が好きな人にはかなりお薦め出来る作品なので、タイトルや絵柄で敬遠するのは勿体ないなと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-11-17 05:32:13] [修正:2012-11-17 05:32:13] [このレビューのURL]

7点

画力も表現も及第点で、基本一話完結の構成も良く出来た
山岳救助漫画です。5巻くらいまでは話題になって、賞貰えるだけ
あるなと質が相当高く印象に残る山の厳しさを物語る救助
話でした。助けられない人間の数が多いのもリアルで心に
残ります。主人公の三歩の底抜けに明るく優しいがときに
厳しさや暗さを内包、天然かと思ったら緻密な
計算をしている的なキャラが魅力的でこれで物語
を引っ張れてるのはたしかです。シビアな物語も多いのに
緩衝されます。

しばらくしてから人情話、周辺キャラ話にシフトして、それはそれで今度は山の魅力を語って面白いのですが、最初の頃からするとインパクトで失速したな感は出ますね。
話のパターンもちょっと読めて来るのが増えます。
三歩を他キャラから間接的に語るシーンが中心になったのも熱量が
落ちたかなと。浮世離れした三歩をヒロイン久美が尊敬
して行くものの、山岳救助の師弟的な感じ
に終始して安易に恋愛にならなかったのは良かったですが
(この辺人間関係の機微も広く描けている)。

しかし15巻くらいで三歩の周辺に事件が発生で
酷いことになって衝撃を与え、三歩が限界登山に挑戦するという
最終章になって緊迫感が出てきます。日本アルプスに限定
されていたのが、世界の山へという形ではじまり最終巻で賛否
両論のようですが、また衝撃の結末で物語を終えました(個人的には肯定です。心に残りました)。

もっと巻数絞れたかな、人情話は上手いけどもっと登山の技術論
にも踏み込んでも良かったのではとは思いますが、良作漫画
だったのはたしかです。この漫画を読むと山は良いなと思いますが、シビアな面が濃いので行きたくなくなる気持ちも生じてしまいますね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-10-27 14:29:45] [修正:2012-10-27 14:33:23] [このレビューのURL]

7点 銭ゲバ

金のためなら殺人を含めてなんでもする
成りあがり物語を描いた作品。
先のストーリーが読めない、衝撃的展開とアシュラとの
違いですが構成がしっかりしている感があり話も纏まっています。
現在含めてもここまで荒んだ作品ってそうそうないですね。

公害問題とかこの時代を感じさせますがそれでも興味深かったです。金に振り回される人間の本性や愛に対する餓えなどのメッセージ性はアシュラよりも分かりやすい感じもします。
後者は被りますが。

ただ主人公の殺人がいくらなんでも多すぎますね。ここまで
殺人鬼になると時代が中世で餓えという死活問題が
絡んだアシュラと違い
主人公への共感は難しいと思ってしまいました。
生い立ちは悲惨ですが非難されてしかるべきとなってしまい
ます。
誰でも彼と同じとまで作品は言いますが、そこまでじゃないだろ
という結論にどうしても感じてしまいました。困ったらすぐに
殺すということに話が頼った故にこうなったのではないかと。

作品の完成度はアシュラより上だと思いますがこの部分で
互角かなと思ってしまいました。絵柄や画力の古さの我慢は
前提として当然必要になりますがお薦め出来る作品です。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-10-13 06:35:44] [修正:2012-10-13 06:35:44] [このレビューのURL]

応仁の乱(一番日本が荒廃してた頃かも)時代頃の
日本での人肉食少年が主人公の物語です。
当時発禁になったらしく
生まれ前後から非常にショッキングな描写で…。

映画化で気になって作品調べたら興味湧いたので読んでしまい
ました。画力はさすがにかなり
古い漫画で拙い面はありますが、
描かれたテーマは今の漫画にはないものが見えます。

ストーリーが勢いで描いた部分も大きくてゴチャゴチャ
や超展開(アシュラや母が人外のしぶとさ)していますが、
場面・場面は引きつける演出、セリフが巧みです。

特に法師が真理をついた良いこと言ってるんですよね。
途中からアシュラが人として目覚めたからこそ人を殺して
しまう(餓えだけじゃなく幸せそうな家族を見ると
トラウマ刺激が入って来る。ただし人は食べなくなっている)皮肉な描写。ただ食がないから人を殺すのも仕方ない
じゃないかという話よりもっと深いと感じました(映画は
そこに話を帰結させてしまっています)。

知名度低いですが悲惨な終わり方をした本編後の完結編(別冊
で入手可)まで
読んだ方が良いです。皆のその後や法師の人の道しるべを示した
最期には感動しますしアシュラが
それで救わた終わり方で印象が違いますから(映画は若狭が
その役ねじ込んた感が強く無理があったと思います)。

ヒロインの若狭がヒロインらしくなく、アシュラを救えない
様子、人肉食に堕ちて彼女を聖母視してたアシュラを絶望
させるシーン、二人の男の間で迷って愛より利をとる(そう批判できないと思います。それほど食は深刻ですし)描写も古い漫画なのにやるなと感じました(映画はここも何故か改変しています)。

拙い点は多々ありますが、映画を見た人も見てない人も是非一度は読んで考えた方が良い漫画かと思います。



ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-10-12 02:01:46] [修正:2012-10-12 02:02:54] [このレビューのURL]

こんな作品よく思いついたなって発想が凄いですよ。
もっと知名度出て欲しい作品ですね。
ツンデレな(ツンデレ要素もありますが
タイトル通り暴れん坊要素の方が強いと思います)清少納言主役のコメディ物語なんて誰が思いつくかと。
キャラが立ち、話として安定感がある日常ものです。平安
文化については毎回解説してて面白かったですね。
トリビア的には勉強になります。

絵柄とキャラ付けとか言葉使いとか行動が現代的に改変して
ますが、一方で当時の本当の風習とか史実との違いとかは4コマでちゃんと解説されています(ある種言い訳ですがこれがあるから史実との違いをちゃんと意識するのは大きいです。4コマ自体が面白い)。枕草子、当時の歌も引用とかで作中出て来ます。
史実じゃ面識がない紫式部なども出て来てどうなるかと心配しましたけど、なんとか噛み合わせて作品に厚みが出ています。

その辺は年代とかイベントとか順番変えたり色々やりながら、話に筋を付けて最終巻の巻末年表みるとそこそこ
拾ってて驚きました。全7巻でダレることなく清少納言の
出仕から引退まで華やかに(史実じゃ最後は暗そうですからこの作風なら改変して良かったです)描いて終わったので高評価が付けられると思います。欲を言えば枕草子が300段越えるくらいあったのだから、もっと引用量を増やした方が清少納言主役としては
良かったかなとは思いました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-09-30 09:21:57] [修正:2012-10-02 17:41:17] [このレビューのURL]

めぞん一刻とモロじゃないけど想起させる点が
あるのは欠点ですが、人型パソコンを題材にした人外
との恋愛をテーマにするとなかなか重厚に描いていましたね。
中だるみもなく8巻で終わるのも好ポイント。

絵が上手く、小ネタも面白かったり、ヒロインのちいが
初期データから成長して可愛くなって行くのが微笑ましかった
です。

何より一番引かれたのがそのちいの謎が絵本ネタ絡めて
どんどん分かっていく部分でした。特別なパソコンなのは
最初から示していましたが、ミステリアスに描いて惹きつけます。
少しホラー気味です。

最終的に綺麗に謎が解けますけど、主人公にとっては残酷
な辺りも深いですね。まさかあのスイッチの位置に重大な
意味があったとはW
それでも主人公がちいを受け入れるセリフには感動しました
(ちいを作った人のコンセプトが極端すぎるなとも思いましたが)。
こんな可愛いパソコン居たら恋愛しなくなって今後の人間
が大変だなとか思わせるような生殖不可能なものとの恋愛
の難しさを暗に考えさせるような描写があったのも印象的でした。

たしかこれはアニメ版も見たことありますが出来が良かったです。
ただ最後の伏線回収、演出は原作が圧倒的に上だったので、
アニメだけ見た人も終盤だけはこっちも読んだ方が良いと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-10-01 16:45:09] [修正:2012-10-01 16:48:44] [このレビューのURL]

7点 赤龍王

途中から明らかに駆け足でしたが秦滅亡から楚漢合戦に関しては
最高の漫画だと思います。
全9巻でまずまず要点は纏めている方かと。淡々と史実を語る
だけにならずにインパクトや熱さがある
演出が随所にされています。
劉邦と項羽の性格の違いや単純能力じゃ劣る
劉邦が勝る部分も作中人物に言わせていますし。
現在連載中の「キングダム」直後の時代なのでセットで読める
くらい作風に親和性もありますし、漫画の出来は良いです。

有名な虞美人を二人の英雄を挟む
三角関係にもって来たオリジナルが強引で消化し切れて
ない感じだったこと、劉邦の即位場面がないほど
最後は項羽主役みたいな終わり方でタイトルとやや
一貫欠いたかなというのが残念ではありました。
項羽が自害の後殺し合いになるほど、遺体を八つ裂きにして
漢軍が奪いあったという史実シーンは入れて欲しかったですね。
この戦いを一番象徴する場面だったと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2012-09-18 12:32:02] [修正:2012-09-18 12:33:15] [このレビューのURL]

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