「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

「僕の小規模な失敗」の続編。前作同様に味のある半生漫画で面白かったです。前作読んで面白さを感じて、その後がどうなったのか気になったならば読んで損はない作品かと。

メリットとしては生活が安定して行くため、前作にあったノリの暗さが減ったことですかね。前作でまさか結ばれるとは思わなかった妻も本作では堂々とヒロインと呼べるかわいさがあります。デメリットとしてはそのせいで前作では上手く抑えられてた(本人談で苦しすぎて卑屈になってたと)作者の嫌な面が散見する部分です。あとがきに読めないレベルの気持ち悪い箇所もあったりします。たまに挟まれる作者のストーリー漫画が正直つまらないので、エッセイ漫画家としての才能が逆にあるんだなと実感しました。癖がありコアな人気が限界っぽので、実質打ち切り状態らしいのが残念ですが、似た題材で続きが読めそうな「うちの妻ってどうでしょう?」も読んでみたいなと思いました。

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[投稿:2016-05-08 08:02:54] [修正:2016-05-08 08:02:54] [このレビューのURL]

タイトル通りの人類荒廃後の世界観は独自で面白く、原作設定を用いただけで内容が違うらしいですが、そこは原作未読だったので違和感はなかったです。絵柄が可愛く、主人公のサバサバした性格も良いと思いました。人類の滅びに対して悲壮ではなく哀愁を出せていた1、2話は出来が良かったと思います。しかしその後4話が深みのない日常話で全6話(合計1冊)で終わったのが物足りなさがありました。最初2話のノリで全1冊なら短くても納得の出来だったと思うのですが。

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[投稿:2016-04-23 10:00:14] [修正:2016-04-23 10:00:14] [このレビューのURL]

3点 生活

登場人物達が現代で必殺仕事人みたいなことをする話。前作「僕の小規模な生活」は面白かったのですが、これは途中で読めなくなりました。設定的にもこんな狭い街中設定で犯罪者ゴロゴロの治安の悪さ(作者自身同じ特異なニュースを繰り返す報道に影響されてる可能性が高い。実際は日本は世界的にも相当治安が優秀だが)という最大の突っ込みどころがありますし。前作の湿っぽいダウナーな雰囲気もこっちだとただ盛りあがりを欠くだけになります。

なんと言っても実録漫画だからこそ許された感もある画風がアクションを含むこっちでは足枷にしかなってません(本のサイズ的にもコマが小さいのも前作では情報量が豊富だが、今作では読みにくさに)。前作が受けて他にも実録漫画でコアな人気を得た作者オリジナル作ってことで、強固な支持層による高評価なのかもしれません。今年実写映画化されるようですが(これで作者作品に興味を持った)、相当な映像クオリティが評価されるには必要になりそうな気がします。

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[投稿:2016-04-23 04:55:34] [修正:2016-04-23 04:55:34] [このレビューのURL]

漫画家になるまでの作者実録漫画は他にもありますが、かなり底辺に位置する独自性、葛藤など心理描写、同じ底辺の周囲に対するシニカルな分析と意外な作者のバイタリティとか見るべきものがある作品。下手にもみえる絵ですが表現力と読みやすさはあります。

笑いの要素がほとんどないのが残念ですが、上記のバイタリティでなんとか欝作品にはならないギリギリのラインを保っています。奥さんとの関係は現実だからこその驚きがありました。あれだけ振り回されストーカー扱いされ、何度も関係切れたかなの繰り返しや危機があったのに最後は落ち着くことが出来たことは事実は小説より奇に近いものがあります。

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[投稿:2016-04-23 02:21:46] [修正:2016-04-23 02:21:46] [このレビューのURL]

「マンガで分かる心療内科」の心理学部分に焦点当てた学園版的な作風。作者が専門家ではないのですが、よく勉強している感じで、心理学ウンチクにギャグを絡めて面白かったです。絵がやや雑なシーンが散見しますが、この作風なら許容は出来ます。サブキャラが増えて、ノリが良くなり、人情的な話も入ったりして、さらに面白くなって来たところで終わったのが残念でしたね。あと数巻は続いて欲しかったです。あとがきで作者が再開への未練から最終話という表記をしなかったところに続編への期待を持ちたいと思います。

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[投稿:2016-04-15 21:13:01] [修正:2016-04-15 21:13:01] [このレビューのURL]

設定の発想(記憶を飛ばせる薬)は面白いと思いました。ただ一話完結の連続話ですが、あまりにも「記憶は大事なんだよ」という定番メッセージを説教臭い感じで主張している序盤数話で読めなくなってしまいました。画力や演出などは水準には達していると思います。

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[投稿:2016-04-09 01:09:30] [修正:2016-04-09 01:09:30] [このレビューのURL]

8点 聲の形

[ネタバレあり]

生々しい障害者へのいじめで連載中話題になった感のある作品ですが、それもテーマの1つという感じでいじめ、人間関係全般を扱っている感じの作品だと思います。それがむしろ良かったですね。健常者である主人公石田の転落、苦悩やそこからの再起など心理描写も含めて良く描けていたと思います。

ヒロインであり聴覚障害者の西宮のかわいさはそれが多少あざとくなる面はあったとはいえ、それでも障害者の苦しみ、彼女が抱える自虐など彼女との交流が安易じゃないところも描けていたと思います。作品としてはヒロインがかわいいのは純粋に評価出来ますし。彼女との恋愛要素を主題ではなく、奥ゆかしい感じで描いていたのも良かった(ただラストは性的なことももうハタチなので扱っても良かったのではと思うが)。
脇を固める人物達も生々しい嫌な部分を描きつつ人間臭かったところにときに腹立ちつつも理解はしました。

終盤衝撃の西宮自殺騒動から話の収束がやや上手く転び過ぎではと思う部分は感じつつも、最終巻石田のこれからの生き方への決意と本当に西宮に謝罪して和解した時は感動もあり、後味良く綺麗に終われました(島田達との決着を描かないのは良かった。島田達の本心は悪意にも向き合う石田の決意をみると改心してなくても構わない訳で、彼らにもし苦悩があったり、改心まで描いてしまうと安易に見える部分もある)。連載中は話題になり過ぎた感もある作品であって、その反動で細部に批判も多かったイメージでしたが、練られた本質を捉えつつ心に響く良作だったと思います。

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[投稿:2016-04-04 20:05:34] [修正:2016-04-04 20:05:34] [このレビューのURL]

頭モジャ女子高生(このモジャは強いて必要な設定だったのか。癖ある絵だが可愛いルックスが描ける作者なのに、人気的にこれでさらに狭めてしまった感じ)の探偵漫画。本当に一話完結物語をほぼ徹底しながら、週刊連載で日常の謎から警察と協力するような事件、感動からブラックな話まで様々な話を提供したのは大したものだと思います。隠れた名作と考える「フランケンふらん」の作者だけに独特の上手さがある作品です。他の探偵漫画と違い現実的な調査に重点を置いて、最近の作品らしくネットやSNSをフル活用しているところが特徴がありました(金田一、コナン的な正統派作品風探偵キャラを皮肉る話がそれを示唆している。この話は特に印象に残った)。欠点としては強引に一話に押し込んでしまった感じの説明的な感の話も散見すること、大筋としての宿敵メカニック事件があまり盛り上がらず駆け足で終わったところです。全体としては様々な面白いネタを扱う一話完結良作だったと思います。

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[投稿:2016-03-26 03:12:22] [修正:2016-03-26 03:12:22] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

時間系作品では「過去を直接変えられない」という制約を課しつつ、再現を体験して今の生き方を変えるという独自のコンセプトがある作品。清潔感ある画風が良くて、画力も高いです。主人公である研究所所長亜紀が魅力的でした。一話完結依頼話と大きな軸である研究所の因縁に謎解き話が平行するのも面白かったです。

ただ全体としては良かったものの、ややご都合色ある良い話だな系が多くワンパターン的(後味がどうしようもなく悪い話があっても良いと思う。そこから今に活かせるものだってあるはず)。大きな軸も伏線回収は良いのですが、平行世界を用いたのはともかく、あちこちに「実はこうだった」と説明調にまくし立てた感が(もっとシンプルな方が良かった)。それでもラストシーンを見た時の余韻はなかなかでした(ずっと片想いされていた所長が今度は片想いになり、本当に初対面でしかない平行世界の助手に再会し声を掛ける)。

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[投稿:2016-03-17 23:22:06] [修正:2016-03-17 23:22:06] [このレビューのURL]

知名度がほとんどない作品ですが、代表作「3×3EYES」に比べても劣らないどころか全10巻中だるみほぼなしで伏線めいたものは回収して、綺麗に終わるので読みやすさでは勝る作品。珍しい航空業界の事故回避をテーマに女性パイロットを主人公にしつつ、毎回勢いがあり破天荒ながらストーリーが楽しめます。飛行機事故頻度の多さやありすの奇抜な操縦法についても、現実性が薄いのを予知能力を絡めたり、作者や監修がなんとか現実を意識して合わせようとしている感じも伝わりました。

一番の魅力は主人公(ヒロインでもある)ありすです。その独特なキャラ、顔芸含めてヒロインがかわいい漫画として一見の価値があると思います。欠点としては彼女の影に焦点当たる後半よりやっぱり前半の方が作風は楽しめたところ、彼女の相手役であるゴリラ顔機長(これ自体は珍しく良かったが)が終盤株下げまくった(理由があるにせよありすを邪険にし過ぎたり、彼女と一度別れて他の女と付き合うなど)ところですかね。

総じてベテランの域に達した作者が代表作に加えてこれだけの作品を作っているのが、あまり知られていない感じなのは残念なほどの良作だと思います。

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[投稿:2016-03-16 20:45:59] [修正:2016-03-16 20:45:59] [このレビューのURL]

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