「朔太」さんのページ

物語は昭和54年の夏から始まる。高度経済成長期の象徴である団地は、

その後日本の経済発展とともに”うさぎ小屋”と揶揄されながらも、

当時は確実に経済発展の証しだった。

団地生活を巡る日本人の家族の有り様は、昭和の時代の一断面でもあった。

日本歴史の中でもたった30年程度の短い期間だが、その時代を表現する

ために不可欠な生活様式である。

そこに焦点を当てて、昭和の家族群像を表現し、同時に今は老朽化した団地を巡って

平成の家族への変化を通じて、普遍的な家族愛を表現してみせた。

柴門ふみ以外の作家では向田邦子にしか描けない、フィールドかな。

「家族の食卓」と違った背景は、やや老齢化日本への変化が織り込まれて

いる感じか。

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[投稿:2011-09-23 16:29:11] [修正:2011-09-23 16:29:11]

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