「朔太」さんのページ

総レビュー数: 740レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

ゲームクリエータと業界の実態が良く分かります。
聞きしに勝る時間との闘い、体力の凌ぎ合いの世界のようです。
仕様変更や販売方針の変更が日常的ですので、
その辺りが精神を消耗させるのでしょう。
新しい修羅的ビジネスの最前線として取り上げた感じです。

私はゲームクリエータとしてゲームをとにかく作りたい
モモや天川よりも、現代の「海賊と呼ばれた男」とも
言える御堂や仙水、須田にむしろ共感を覚えました。
敵役は最後までキーマンとなりましたが、
それほどのインパクトもなく終わりましたが。

娯楽作品としての評価は、それほどでもなく、というところです。

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[投稿:2018-09-29 13:31:23] [修正:2018-09-29 13:31:23] [このレビューのURL]

8点

オトナの社会科見学マンガとは、言い得て妙です。
ただし、タイトルにあるような銭、すなわちお金に
まつわる裏側の事情と謳っているわりには、
いまいち踏み込みが足りないなあ、という印象です。
金貸しの世界を徹底的に抉り出した「なにわ金融道」の
方がすごみがありましたね。

本作は代わりに、各業界特有の事情、力関係などの解剖に
余念がなく、面白く読ませてもらいました。
また、圧倒的に画力があり、女性も可愛い系、美人系、
普通系、ブブ系、全てに描き分けられる力がありますので、
漫画としての価値は高いでしょう。

この種の社会科見学系漫画はもっと読みたいニーズはあると
思いますので、鈴木みそ先生の更なるご活躍を期待します。

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[投稿:2018-09-22 04:11:30] [修正:2018-09-22 04:11:30] [このレビューのURL]

あだち作品は相当の数を読みましたが、その中ではストーリー
の変化に乏しくサプライズも最終回だけ、はずれの方の作品でしょうか。
特に、変装してまで同時に別人とデートや旅行をするくだりは、
ナンセンスで長くつまらない不要な部分でした。
ソフトボール漫画だったはずが、途中からはどうでもよい
状態になりました。

と言っても、あだち作品はどれも同じ類型の思春期の高校生が
織りなす学園生活とスポーツと家族、三角関係という舞台が
共通してますから、作品ごとの差はつけにくいです。
大いなるマンネリと言っても良いのですが、それはそれで
数十年にわたり確実に支持者が存在します。

その秘密を文庫本4巻の巻末で山崎哲氏が長文の解説をしています。
かいつまんで紹介しますと、「主題は“性”である。しかも
思春期の男でも女でもない中間期の性である。
したがって、好きになった者同士が結ばれる恋愛ではなく、
思春期の性は選び直しをする過程、すなわち恋愛の準備
段階にある。家族からの離脱、三角関係は、必要な舞台で
ある。」とのことです。

やや難解な表現ではありますが、思春期の中間的な性は
確かに存在するし、誰もがその段階を経て大人になって
いくことを経験しているから共感を得るのだと要約できます。

大人の恋愛以上に中間的性時代の淡いざわざわした気持ち
を懐かしむ若い人も含んだ大人が多くて
、支持されるということでしょうか。

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[投稿:2018-09-11 18:12:29] [修正:2018-09-11 18:12:29] [このレビューのURL]

2巻を2時間程度で読み下しますと、一編のホラー映画を
見させて頂いたという感じです。
子孫を根絶やしにするという怨念をもった彷徨える怨霊と
対峙する少女の美しさは、しっかりと映像化に値すると思います。
例えば、50年間霊を鎮めるために山寺で籠りをしてきた僧が、
「私は徳を積めたでしょうか?」と少女に問いかけるシーンでは、
少女は「モチロンです」と答えます。
その姿に僧は菩薩を見ます。このシーンは美しく、高橋ツトムの
渾身の描画だと思いました。映画なら一番の見せ場でしょうか。

ところで現世は修行であって、徳を積むために生まれ変わって
くるという輪廻の教えは、仏の立派な知恵ですね。


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[投稿:2018-09-03 19:39:57] [修正:2018-09-03 19:39:57] [このレビューのURL]

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