「朔太」さんのページ

総レビュー数: 739レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

7点 浮浪雲

長期連載を誇るレジェンド。
したがって、当然名を遺す名作と言いたいところですが、
ほとんどの話は消化不足の感があります。
人生には大小さまざまな人間関係の問題や息苦しさがあります。
どうにもならない貧しさや障害、すれ違いなど。
どうにもならないなら受け流していこう、肩ひじ張らない自然体で。
というのが全編を通した主人公の姿勢だけが主題です。
解決策はほとんど示されません。

これが人生の教訓になるかどうか、個人の感じ方次第です。
残念ですが、自然体で生きていけるほど世間の風は冷たく
甘くないと考えてしまう自分がいて、
私は羨ましくは思いましたが共感できないタイプの人間でした。

多くの読者に長く支持されたのでしょうが、私のような
消極的賛同者が多かったような気がします。


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[投稿:2018-02-24 15:33:11] [修正:2018-02-24 15:33:11] [このレビューのURL]

7点 鉄風

異端の女子高校生が主人公である点で、既に作品の骨格が
決まっている。
第一話からぐいぐい引き込んでいく。
スポーツはなんでもできて、努力する凡人達に対して、
退屈ささえ感じてしまう天才型主人公である。
性格は圧倒的にワルだが、高校生らしい可愛らしさも兼ね備える。

これまでこんなお話はなかったなあ、と意外性を重ねつつ、読ませた。
が、突然の連載中止で、まさに風のように消えていった。

記憶に残る作品になるかもしれない。

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[投稿:2018-02-17 08:39:52] [修正:2018-02-17 08:39:52] [このレビューのURL]

一言で言えば、純粋過ぎて、感情移入できない、ということになります。
しかし、本当に非現実的で、ドンは有り得ない人物像なのでしょうか。
画家の山下清との類似性も感じますし、キリストも同じような
人物像だったかもしれません。
ドンは、あまりに邪念というものがない存在だから、周囲の
人間は最初は反発しつつも、勝手に解釈して勝手に自分の
価値観を変えていくのです。

この辺りから、私はキリストを連想してしまいました。
キリストは、実はほとんど語らない人だったようで、
多くの説教は弟子によって残されたものでしたから。
宗教家たちや宗教に救われたい人たちが最終的に目指す
人間像を漫画で分かりやすく解説してもらえたような気分です。
これは正しい人間の姿なのでしょう。
が、そこに辿り着けないだろう自分をも改めて確認してしまいます。

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[投稿:2018-02-08 07:27:45] [修正:2018-02-08 07:27:45] [このレビューのURL]

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