「朔太」さんのページ
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- 病弱だった少年時代から、読みたくて読みたくて仕方のない漫画が周囲に沢山ありました。他にすることもない寝床で読む漫画は、1ページ1ページが宝物のようで、丹念に時間をかけて食べるように吸収されていきました。漫画のある国に生まれて良かった、と思えるくらいの喜びでした。以来、数十年、私の周りには多数の未読の漫画本が常備されています。漫画がサブカルチャーと位置付けられて久しいですが、今や映画もドラマも漫画が原作でないものが珍しくなってきました。文化としての名作漫画を探しつつ、私個人の探訪歴(読書歴)として、このサイトを利用させてもらっています。

7点 どろろ
手塚治虫の充実期の作品の一つ。
生まれながらに魔界によって48の体の部品が奪われている百鬼丸が主人公ながら、
脇役の名前が作品タイトルになっています。
「おどろおどろしい話」から「どろろ」というネーミングがされたと長い間勝手に想像して
きました。奇妙で文字通りどろろな内容です。
戦国時代にあって、孤児の2人旅、飢餓や略奪、強盗、とことん悲惨でどうしようもない
時代背景を設定した上での、絶望的不具ですから、どれだけ暗いお話か、となります。
現代なら必ず教育関係者からクレームが来ることでしょう。
そんな中にあって、決して絶望を与えず、むしろ「何があっても生き抜く」ことをテーマに
していることで、微かな明るさ、希望を感じさせます。
悲惨な作品でも少年向け作品ですので、当時の隠し立てのないむき出しの過酷な現実を
知らせた上での子供の成長を願う大人たちの姿勢が感じられます。
深い印象を残す作品と思います
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[投稿:2016-05-15 22:02:13] [修正:2016-05-15 22:03:44] [このレビューのURL]
5点 百物語
悪魔の娘スダマに魂を売ることで、三つの望みを叶えて新しい人生をやり直す
武士一塁半里のお話。
三つの望み、すなわち富と権力と女が満たされた時、悪魔に魂を差し出すことになるが、
その時一塁は人生の本当の意味を悟ることになるというおとぎ話か
昔ばなしのようなテイストだ。
本編は、21歳の時以来、ゲーテの古典『ファウスト』の二度目のマンガ化ということで、
主人公一塁もファウストをもじったネーミングであることに気づいた。
先のファウストと比べて、より近代的な絵構図やシナリオ構成、結論への導き方に洗練度が
進んでいる。
同じモチーフを選んだことで、手塚治虫の成長を比較できる面白さもある。
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[投稿:2016-05-13 04:53:26] [修正:2016-05-13 04:53:26] [このレビューのURL]
6点 ツルモク独身寮
学校を卒業して都会の会社勤めを始める頃、要するに就職頃の緊張感、期待感って、
後から思えば人生の転機ですね。最初に入る独身寮も人生の登竜門ですし、社会の縮図です。
独身寮で出会う先輩や友人は、ひょっとすると貴方の人生を決める出会いだったかもしれない。
そんな背景を良く知った作者だと思います。
しかし、独身世代ですから、最大の関心事は、異性であり恋愛となってしまうのは
仕方ないのですが、その基になるのは独身寮で繰り広げられる友情だったはずです。
もっと恋愛や三角関係から距離を置いた独身寮の物語にもなり得た可能性を感じられたのに、
そこは消化不良気味で終わってしまったのは勿体ないと感じました。
ところで、ツルモクはカリモクのオマージュですよね。きっと。
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[投稿:2016-05-09 02:32:08] [修正:2016-05-09 02:33:49] [このレビューのURL]
9点 20世紀少年
8年にわたる連載にも関わらず、相当の構成力で企画されており、
読み返すたびに細部の隠し味に舌を巻く思いである。
様々な説明不足の謎が捨て置かれていて、一見、雑なつくりに見えるが、
これは読者の解釈に任せられているのであって、これを面白がるかどうかは、
読者の胆力次第である。
少し特徴を以下に書く下すと、
・登場人物が多いけれど、再出した時には結構重要な役回りをしている。
・主なキャストには、性格付けをするための副ストーリーが存在する。
例えば、オッチョ。タイでのショーグンとしての活躍や刑務所暮らし。
無くても良い話だが、それだけでも独立した話ができる位、入れ込んだ
描き方をする。これは本筋を追うだけの人には辛いだろう。
・”ともだち”は嘘の塊と断じながら、全体に予知力や念力の存在を示唆している
等々、胆力の弱い読者を振り落としていく身勝手な”浦沢ワールド”だが、
それも結構と多くのファンは割り切っているのではないか?
追記:2016年5月 21世紀少年を含めて、3回目の読み直しをしてみた。
改めて、浦沢氏の構成力に驚嘆する。ストーリーに一切の破たんはない。
全ての謎は説明できている。特に素晴らしいのは、ケンジの姉の一連の行動の謎は説明され、
カンナの超能力すら持つにいたる理由が軽く説明されていた。
ともだちの正体に焦点が合わされがちだが、存在を消去してしまう少年たちの残酷さ
がかくも壮大な復讐劇につながったと解釈できるだろう。
文字通り何度も読み返してしまう名作と呼んでも異論はないだろう。
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[投稿:2011-09-13 20:58:27] [修正:2016-05-06 22:29:27] [このレビューのURL]
4点 ファウスト
乱暴者の悪魔メフィストに対して、神さまは学者のファウストを地獄へひっぱりこんでみろと
命じる。一方ファウストは、いくら勉強しても満足できない学問の奥深さに絶望しており、
そこへ現われた悪魔メフィストと「自分を満足させてくれたら地獄へ行く」という契約を
結んでしまう。 メフィストは魔法でファウストを若者に戻し、街へと飛び出すというお話だ。
手塚治虫21歳の作品。ディズニーの影響を受けたと思えるような構図や
ミュージカル風セリフ回しなど、古典的漫画手法から一歩抜け出した創世期作風である。
考えてみれば太平洋戦争終結から5年後の発表作品であり、不十分な物資や劣悪な環境下での
執念とも言える長作である。
少年期に読み込んだゲーテの戯曲「ファウスト」をマンガ化した作品であり、
相当の思い入れがあったものと思われる。
現代のアニメや漫画に比べると、娯楽性の点で比べるべくもないが、
漫画史における貴重な遺産と言える。
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[投稿:2016-05-06 08:19:15] [修正:2016-05-06 08:19:15] [このレビューのURL]
2点 翔子の事件簿
事件簿という題名に騙されて読んでみると、まさに三流テレビドラマの焼き直しでした。
事件と言っても、
1)偶然入院先で出会った女性の彼が、保険金目当ての結婚詐欺で殺人を計画中だとか、
2)道の傍らで苦しむ老人を助けたら、その愛犬に気に入られて家までついていくと、
実は資産家で、その資産を巡って家族はバラバラで骨肉の争いだとか、
3)自分が生んだ双子の一人が誘拐されるが、犯人は愛息を1年前に失った女性が神経症で
おこしたこと、
なんてどこかで見聞きしたようなネタばかりです。
30年も経ってない作品なのに、古典的な幼稚な話の構成に、途中でギブアップ
してしまいました。
最近の作品まで目を通さず申し訳ないのですが、2度と手にすることはないでしょう。
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[投稿:2016-05-05 18:13:57] [修正:2016-05-05 18:15:27] [このレビューのURL]
6点 アクター
演劇の世界の異常なまでのストイックさや人間関係の特殊性は、
文学や伝聞でよく伝えられるところです。
演劇世界の特殊性もさることながら、俳優キララの奔放だが、
天才肌の人物像が魅力です。
講談社漫画賞も受賞しており、やや玄人好みのテイストです。
が、私のような平均的読者には、強い感動はありませんでした。
かわぐちかいじの中期作品。
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[投稿:2016-05-03 16:24:03] [修正:2016-05-03 16:24:03] [このレビューのURL]
4点 陰陽師
極めて難解。
安部晴明と博雅の掛け合いを楽しむ分には普通のマンガだが、
6,7巻あたりから相当怪しくなってきた。
陰陽道の世界感、宇宙感を共有できなかった私には、意味不明になって、
頭から“?”マークが花火のごとく飛び出てくる始末だ。
10巻まで買ってしまっていたもので読んだが、そのまま断念した。
その道に興味ある方だけ読むべし。
ひょっとすると専門書なのかもしれないので。
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[投稿:2016-05-01 19:54:54] [修正:2016-05-01 19:54:54] [このレビューのURL]
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