「朔太」さんのページ

総レビュー数: 357レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

溶接施工を生業にした鉄工所の日々をマニアックにテーマにした漫画です。

溶接は過酷な作業環境と忍耐力が必要です。
主人公の北さんは、溶接の奥深さを誇りをもって道を求める毎日です。
テーマは明確ですが、鉄工所で起こるほのぼのとした毎日が
何とも言えない味を出します。

話は変わりますが、こんなに鉄工所では、真面目に品質と効率を追求して、
夜中まで汗と痛みに耐えて働いているのに、生活は楽にならず
経営的に厳しい所が多いのが現状です。

その原因の一つに、社団法人溶接協会が実施する溶接施工資格試験があります。資格に3年前後の有効期限があるのです。
しかも、溶接法の種類、溶接材料の種類、姿勢(下向き、上向き、立向き・・)等
無数に条件が細分化されており、それぞれ数万円の受験料が必要ですし、
資格維持のための練習コストはバカになりません。
例えば、お医者さんの医師国家資格は一生に一度合格すれば生涯資格は
有効ですし、眼科の専門家は循環器はさっぱり知らなくても医師として
開業だってできます。
この両者の違いは何でしょうか?
溶接協会は既得権を持って、この制度の簡略化は何十年も絶対に進めません。
この結果、日本国民はあらゆる鉄構構造物は欧米の同種のものの
コストの倍を支払うことになっています。
その高コスト体質は政府は知っていて、海外の企業の参入障壁を
高くして公共事業は発注できないようにしています。
全ては、溶接協会が元凶になっていることを知っているのか知らずか?

同様に検査業界にも非破壊検査協会というのがあって、ここは溶接以上に
悪者の巣窟になっていて、資格試験が自分たちの力の源泉であることを
公言して憚りません。

この作品では、その辺りの日本の鉄工業界の腐った構造には触れて
いませんが、一工員さんの立場では3Kでこんなに働いても儲からない
カラクリには考えは及ばないのでしょう。
何とも悲しいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-10-17 19:52:02] [修正:2017-10-17 19:52:02] [このレビューのURL]

10点 巨人の星

何年経っても全編のあらすじが頭に蘇ってくるほど、しっかりと読み込んだ記憶があります。
現在以上にプロ野球の王者巨人軍だった時代がありました。
川上、長嶋、王、堀内が成し遂げたV9時代が背景にあります。
しかし名門巨人軍の影の部分を設定し、復讐をモチーフにする少年誌からぬ不純ぶり。
一方で純粋に野球を追求し続け、才能に恵まれない肉体をいじめに苛め抜く主人公とライバル達。
高校野球編までは、貧乏と常軌を逸した鍛錬ぶりに引き込まれていきますね。

高校野球編が一旦終結し、苦労が実る瞬間があります。
宿敵川上監督が、謝罪とともに背番号16を禅譲してまで巨人軍に勧誘に来る場面では、ここで話を終えても良いのではと思えるぐらい幸福感満載です。

しかし、第二部と言えるプロ野球編において、伝説の大リーグボール1号、2号、3号が炸裂します。
この辺りになると、原作者梶原一騎の天才ぶりも炸裂しています。
ライバルが命を懸けて対抗する、父が親友が大リーガーが敵になる。

何といってもすごいと思うのが、常に登場人物たちに、自身の行動の根拠となるマインドを論理的に整然と語らせるのですよね。
例えば、親友伴忠太や姉明子には星飛雄馬から離れていく理由を、花形にはなぜ命を懸けてまで特訓するのかという気持ちを、左門豊作には花形が羨ましくて仕方ないと吐露させ、オズマにまで飛雄馬は野球ロボットだと語らせます。
登場人物に多くを語らせることで、細やかな人物描写を成功させます。
そして、いずれも真剣で硬派の人間達が頑張れるだけ頑張るお話だから、魅力的なんですね。

私はと言えば、それほど感動して読んだことはないのですが、野球好きもあっていつの間にか体に沁み込んでしまった人生の一冊と言える存在になってしまいました。
やはり不朽の名作と言って良いと思います。


ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-10-11 03:32:36] [修正:2017-10-11 03:34:24] [このレビューのURL]

霊能力を持っていることで人の背景や裏事情に通じてしまう。
そのことが結構悲しく辛いことを知ってしまったり、
引くに引けない諸般の世事を引き受けることになって
しまう人々のお話です。

ホラーっぽくならず、雰囲気を醸し出すことに成功していると思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-10-05 02:53:05] [修正:2017-10-05 02:53:05] [このレビューのURL]

不細工上等。童貞OK。非モテ承知。
絶対そうは思っていないどころか、コンプレックス満載ながら、
空威張りで精一杯の虚勢を大声で張り続ける青年、田西君。
普通に自分の隣近所にいれば、ちょっと避けたいタイプでしょう。

考える思考も短絡的、直情的だし、結果を考えない支離滅裂な
行動は、相当周囲にとって迷惑な存在だから孤立してしまいます。
何ができるわけでもない負け組が協調性を無視して頑張るって、
何をどう頑張れば良いのでしょうか?
「非力な人間は負け続けなければならないのか?」と
シューマイ先輩はつぶやきます。
諦めちゃならないと田西は無茶をやり通します。

1巻から登場の植村ちはるは、最初非力なヒーローの救いと
なるヒロインかと期待しましたが、全く違っていましたね。
それどころか悪魔のような所業を本人は意図しないでしてしまうのです。
それも数年後に再び偶然出会っただけにも関わらず、善意の
人からその再会の瞬間から悪意が芽生えるのです。
その豹変ぶりに私は驚いたのですが、普通の女性から見て、
どこにでもいそうな普通の女性だそうです。

非力な人間が社会の底辺でしか生きられないとしたら、
ならばその底辺でどのように生きるべきなのでしょうか?
社会に唾して生きるより、弱者が弱者であることを
認めつつ、やはり走り続けること、
そこにしか解はないということでしょうか。

最終回、最終話には異論はあるでしょうが、
私にはベストな結末で終えてくれたと満足しました。
読み進めるうちに「宮本から君へ」との類似性を
感じましたが、同じ熱を持った主人公だからですね。
だからと言って二番煎じとは思いませんでしたよ。

久し振りに最終巻まで一気に読ませる迫力を持った作品に出会えました。
満足しました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-10-02 20:20:54] [修正:2017-10-02 20:23:50] [このレビューのURL]

芸能界やテレビ局を背景にした妄想エロ漫画です。

思春期向け作品なので軽くスルーすればよいのですが、
それなりのドラマ性もあって主人公への感情移入も
若干感じることができる点もヨロシイと思います。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-09-28 17:02:38] [修正:2017-09-28 17:02:38] [このレビューのURL]

原作者によれば「ラブコメのふりをしたホラー作品」だそうで、
そう解説されると納得できる部分はあります。
何を考えて生きているのか分からないJKという生き物は、
ホラーになりますから。

オムニバス形式なのですが、画は綺麗で1作1作が
丹念に作成された感じが好印象です。

しかし、理解できない生き物JKがくりなす物語には、
なかなか感情移入はできないので漫画としては失敗でしょうか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-09-25 20:38:06] [修正:2017-09-25 20:38:06] [このレビューのURL]

エセ自伝的作品だそうです。
何か朝倉さんの持つ感性に共感なり共振なりが必要なのでしょうね。

明らかに知恵の足らないマリエ以外には男性的振る舞いの
多い女性が多数登場するのですが、
残念ながらつまるところ「私は恋愛したいんだ。」としか
叫んでいないように見えます。
深い渇望とは、結局はエロスなのでしょうか?

どうでもよい、どうとでもしてくれという感想が残ります。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-09-24 15:50:47] [修正:2017-09-24 15:50:47] [このレビューのURL]

雰囲気のある描画、雰囲気のある設定、これだけでスタートさせて、描いている間に何かが加わるだろうという、行き当たりばったりの作品でしたね。

泣ける話を作りたいけれども、何も思いつかない。
その挙句ひねり出したのが、猿の親子の絆の話だったり
(これで1巻を使った)、妹の復讐のために演奏会に
嫌がらせに来るやくざの兄貴との対決(これで2巻を使った)
だったりするわけです。
主人公たちのドジや誤解がどんどん事態を悪化させる様は、
もうドタバタ劇になってしまっており、感動も何も起こりようがないわけです。

素晴らしい設定、背景に期待が大きかっただけに、失望が大きい作品でした。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-09-17 06:55:14] [修正:2017-09-17 06:55:14] [このレビューのURL]

主人公がMIT出身の高校生という設定で、数学的な解決が
多くみられるのが特徴です。
したがって、トンでもトリックはほぼ皆無でした。
理にかなった謎あるいは謎解きなので、満足度が
高いミステリー作品になっていました。

月1回1話完結のキチンとした短編読み切りになっています。
他の少年誌ミステリーに比べても良質で正攻法の
ストーリーになっていますので、月刊誌ではなく表舞台で
活躍してほしかったような勿体なさも感じてしまいます。

良作と思います。

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[投稿:2017-09-11 20:52:44] [修正:2017-09-11 20:52:44] [このレビューのURL]

曽田正人だから、どうしても期待してしまいます。
曽田正人なりの新境地と言えば新境地なのでしょうが、将来的にRGB用原作にしたい編集側の企画に乗った感じが致します。
鳥井明の2番煎じをご本人ではなく、周囲が期待したような気がします。
どこにでもあるチープな架空の国の戦国時代の設定は、新人の作家さんなら、誰も見向きもしなかったはずです。
曽田正人だから、ひとまず見てみようと許される。
ただし、側近や敵役が最初から権謀術策のため裏切り、寝返りを相互に実行する展開は、さすがに予想外でした。
また曽田正人らしく、セリフの多いことも特徴です。
完結したようですが、3巻までとさせてもらいます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-09-06 20:00:52] [修正:2017-09-06 20:00:52] [このレビューのURL]

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