「朔太」さんのページ

総レビュー数: 828レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

安田氏らしいシニカルな女性目線の物語や時折見せる愛らしい心温まるお話が混在する。
寿司の妖精のごとく設定のガールがとても良い。
お気に入りの話もいくつかある。
いつもならシニカルな視線で終える安田氏のファンタジーもなかなかのテイスト。
ご馳走様の気分だ。続編を期待したい。

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[投稿:2025-06-14 08:39:53] [修正:2025-06-14 08:39:53] [このレビューのURL]

松森氏は、1947年生まれの作家さんですので、現在相当ご年配だと思われます。
「片恋さぶろう」でその存在を知ったわけですが、小池一夫氏とのコンビで
良い作品を描かれています。
そこで、さらに初期の作品を探して読んでみました。
驚いたことに、1971年の少年誌掲載の作品にも関わらず、劇画調なんです。
また、人物の表現が川崎のぼる氏あるいはさいとうたかお氏にそっくりです。
両氏との関係、例えばアシスタントをしていたとか、そういう背景は不明ですが、
とにかく似ている。
時代的には同時代でしょうから、その影響を強く受けられたのかもしれません。
因みに「片恋さぶろう」では別人の作品かと思うような描画の変化が見られて
いるのは面白いところです。

さて、内容ですが、ゴルゴ13の原型とも言えそうなかなりなハードボイルドで、
子供でも親友でもどんどん死んでいきます。
こんな過激な作品が50年前の少年誌に存在していたとは驚きです。
いや、現在の方が過激さについては抑制されているでしょうか。
また、殺人のプロが女性であること、主人公が運命に苦悩する姿勢が大人びて
いること、表題が奇抜でセンスのあることなど驚く要素が満載です。
当時の少年キング誌の起死回生を狙った作品の一部らしいです。
しかし、小池一夫氏に似合わないストーリーがやや現在では陳腐な印象も
あるのは仕方ないところかもしれません。

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[投稿:2025-06-11 11:23:49] [修正:2025-06-11 11:23:49] [このレビューのURL]

少年誌にしては実に奇妙なタイトルが、最初に目を引きます。
コメディかギャグ漫画かと想像すると、これが軽いSFとスパイ漫画でした。
当時でしたら007ジェームズボンドを連想させる冒険活劇といったところでしょう。
最近では全く見かけなくなった昭和のスタイルですね。
牛次郎氏の脚本はイマイチではありますが、桑田二郎氏の作画で一定レベルの
作品として見れるようになっています。
最終回では敵が一致団結して、地球の危機を救う辺りは満足度を高くしました。
50年以上前の少年向け漫画も今以上の活力が感じられます。

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[投稿:2025-06-07 07:53:18] [修正:2025-06-07 07:53:18] [このレビューのURL]

文字通り、可もなく不可もなくです。
コミカルな家族物語なんだけど、大きなお笑いはないので、読者層をどこに
置いて誰に楽しんでもらいたいのでしょうか。
青年誌に連載されたのですが、青年誌の読者は決して笑いませんね。

婦人雑誌のおまけ漫画位なら、一定の読者層の支持は獲られたかもしれない感じです。
小さな子供さんを持った30代ファミリー辺りには、ちょっとした共感は獲られたのかな。
まあ、面白くはないわけでも不愉快になるわけでもないので、こんな作品も
あっても良いかな、ぐらいの感想です。
一応、最終話まで読ませてくれました。

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[投稿:2025-06-01 10:17:31] [修正:2025-06-01 10:17:31] [このレビューのURL]

かわぐちかいじ氏代表作「沈黙の艦隊」が1990年連載開始なので、その5年前の作品です。
いろいろな世界を題材に、いろいろ模索していた時期だったものと想像します。
沈黙の艦隊では軍事問題、アクターでは役者、本作では華麗なる一族という具合に、
何が読者の関心を引くのか懸命に探っている印象です。

かわぐち氏の作品に共通する点は、着想というか設定はなかなか良いのですが、
主人公に無計画で型破りな行動をさせたいので、展開が結構ぐちゃぐちゃに
なってしまいがちです。
そこをスリリングな展開と思えるか、あるいは行きあたりばったりと考える
のかで評価が変わってきます。
最後に納得しがたいものはありますが、まあ人間的に魅力のある主人公が
読者の代わりに面白おかしく人生を送ってくれているような痛快さは残りますね。かわぐち氏らしい作品ですので、ファンは必読でしょう。

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[投稿:2025-05-24 10:47:59] [修正:2025-05-24 10:47:59] [このレビューのURL]

スカウトマンを主人公にした作品です。
プロ野球のスカウトの実態をネタにした「ドラフトキング」が最近ヒット
していますが、その先駆け的な作品です。
1990年代なんで、科学的な評価手法を否定し、昔堅気の直観と自身の評価眼を
根拠にスカウトするところが、実に昭和的です。
そこに加えて、人情を絡めてその気にさせる人格者であることが要求される
職種ということです。
まあ、面白くはあるのですが、一言で言えば、昭和過ぎるかな。

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[投稿:2025-05-18 14:23:34] [修正:2025-05-18 14:23:34] [このレビューのURL]

10点 特攻の島

百田直樹の「永遠の0」をはじめとする特攻隊や原爆をテーマとする作品は、
どちらかというと苦手でした。
主張が画一的になり、「もう十分に分かっているから。」となりがちでした。
したがって、毎回驚きをもって読んできた佐藤秀峰氏の作品群で最後まで
手に取らなかった作品でした。
しかし、先入観は今回も見事に覆され、新たな感動を持って読み終えることができました。

太平洋戦争の悲惨さ、特攻隊員の残された家族への愛とそこに裏付けらた
使命感、選択肢のない死への道などは、当然のところ底流に存在し、
外せないモチーフではあるのですが、狂気のごとく執着で敵を討つ精神
構造の蓄積を全70話を通じて重ねていくのです。
主人公が最後まで肉弾の塊をもって攻撃に当たることに、何故鬼畜のごとく
執着することになったのかが、見事に表現されています。

途中の潜水艦戦術行動も、とてもエンターテイメントとして優れた展開でした。
戦争はスポーツのように絵にかいたゲームプラン通りに進まないのは当然です。ルールなんかない中で命のやり取りをするのですから当然です。
甲板に上がった艦長が飛来する一機の航空機の一発に被弾するなんて
アクシデントを用意するなど、これが戦争のリアルってことを驚きをもって
感じさせてくれました。

老若男女がそれぞれの世代とそれぞれの立場で読むことをお勧め致します。
戦争ものは嫌とか、敬遠せずに読んで下さい。
画も上手く、南洋を照らす洋上の月とか、黒煙を上げて沈んでいく戦艦とか、
井上雄彦氏ばりのイラストも最高レベルでした。
戦争反対なんていうイデオロギーとは別のところの感想が千差万別で
得られるような気がします。
そんなレビューを沢山読んでみたいところです。

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[投稿:2025-05-14 09:58:12] [修正:2025-05-14 09:58:12] [このレビューのURL]

ウルトラマンシリーズの中でも最高傑作。
ウルトラセブンのみならず、ウルトラ警備隊の武器装備は洗練された
スタイリッシュさがある。
また、ハーフ顔したアンヌ隊員やただ乱暴かつ侵略目的でない宇宙人の設定など、
現代にも通用するモダンさがある。
桑田氏の絵柄とも相性が良く、記憶に残る作品となった。

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[投稿:2025-05-10 08:59:45] [修正:2025-05-10 08:59:45] [このレビューのURL]

8点 オーレ!

意外な拾い物でした。
「Giant Killing」と類似点はあるのだけれど、連載開始は2006年で
1年だけこちらが先行しているんですね。
だけど、あちらは50巻を超える超長期連載なのに、こちらは5巻終了。
編集部の理解と指導があれば、負けていない展開が望めたはずです。

2部リーグ残留を賭けた数試合のドラマは目が離せなかった。
この苦難と勝利のドラマをもっと継続するシナリオが欲しかった。
あまりにも主人公中島順司の目線にこだわり過ぎた感がある。
恋人との顛末に続き最終回での終わり方は慌ただしくて、編集部の
打ち切り宣告があったことを伺わせる。

私も言わせてもらおう。
いろんな意味で名作になり損ねた、もったいなくて「惜しい」作品でした。

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[投稿:2025-05-07 09:44:00] [修正:2025-05-07 09:44:00] [このレビューのURL]

佐藤秀峰氏はこんな作品も描けるのですね。
2001年といえば、海猿をヒットさせて、本人いわく雑誌社の一方的な契約に
苦しんでいた頃とブラックジャックを連載開始する間ですね。
なかなかの緊迫感があって、読む手が止まりません。
1巻で連載打ち切りはもったいないです。
ブラックジャックが連載両立を妨げたのでしょうか。
表題が表題ですので、1巻を踏み台にもっと話の展開が拡がったと思われます。様々な分野でも描ける佐藤氏の力量を感じる作品です。


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[投稿:2025-05-03 10:05:23] [修正:2025-05-03 10:05:23] [このレビューのURL]

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