「朔太」さんのページ

総レビュー数: 740レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

小島剛夕は手塚治虫と同じ日に生まれているのはあまり知られていない。
全く異なる劇画の世界での手塚とは異なる意味での先駆者だった。
小池一夫との共作で、多くの名作を世に出したが、本作品はその代表作と言える。

徳川家康を支えた伊賀一の忍者服部半蔵の物語だが、他の忍者ものの代表作品
(白土三平「サスケ」「カムイ」、横山光輝「伊賀の影丸」「飛騨忍者赤影」、
小山ゆう「あずみ」他)とは一線を画する大人のテイストである。
忍者・武将の戦いをベースに、主従の美しさ、男女間の間合いの美しさ、戦国武将の知略
など見どころ満載である。
漫画読者ではなく「週刊現代」という土俵で(一般的に漫画を読まない)サラリーマンを
対象とした読み物を意識したのではないか。
後世に残したい名作の一つである。

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[投稿:2015-08-27 05:20:22] [修正:2015-08-27 05:21:03] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

ゴルフを人生になぞらえた格言は数多く残されていますが、織部金次郎は17年の下積みでも
一向に目が出ません。17年間を支えた妻子もついに離れていきます。
主な原因は、オリキンの人の好さ。メンタル重視のスポーツで、自分のことより周囲を
優先して思いやる性格はプロには向いていません。
しかし、それでもオリキンの周りには、彼のひた向きさ、誠実さに心動かされ、
心底応援したくなる人たちが集まってきます。読者もいつの間にか、こんな優しく善良な
人間が不幸でいるのは見ていられなくなり、頑張れがんばれと応援します。

最終巻では努力が報われるエンディングで、予定調和と言えばそれまでですが、
とても爽快な気持ちにさせられます。
人生はこうでなくては、と納得して読了しました。

ぜひ読んで下さい。名作です。

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[投稿:2015-08-22 16:04:06] [修正:2015-08-22 16:04:06] [このレビューのURL]

妖怪を題材にした漫画は、水木しげる御大の大ヒット作品をはじめ、数多くあれど
人間と対決したり退治したりと、敵対関係にあるのが一般的でした。

見えること、憑きやすい体質で悩み苦しむ(都会の親と一緒に住めない、行動範囲が
限られるなど)姉妹ですが、病気のような感覚で運命と受け流しています。
母親にすら理解されない、親戚には狂人扱いを受ける不遇にも腐らず、運命を享受し
制約の中で懸命に生きようとする姉妹の姿勢が爽やかなのです。

気持ちの良い姉妹の毎日が主題であって、妖怪や霊が主題ではないので要注意です。
今が不幸せと感じている人へのヒントになっているかも。

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[投稿:2015-08-15 11:30:56] [修正:2015-08-15 11:32:14] [このレビューのURL]

一言でいうと、「心地良い日記風ラブコメ仕立てのホームドラマ」かなあ。
探偵っていっても、ほとんど仕事がなく、バイト三昧ですからね。
ハラハラドキドキの場面は、探偵物語なのにほとんど出てきません。

心地良さの理由は、シャーロキアン(ホームズオタク)で変人で極貧だけど男前の探偵の
魅力と、涼子さん、大家さん、イワオなどの脇役キャラの醸し出す雰囲気ですね。

全巻読破。シナリオで読ますというより、キャラで読ます作品でした。
極貧でも、面白可笑しく生きてさえいれば、人生は捨てたものじゃない、って感じが
好感度を上げている気がします。

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[投稿:2015-08-09 08:55:20] [修正:2015-08-09 08:55:20] [このレビューのURL]

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