「朔太」さんのページ

総レビュー数: 740レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

素晴らしい!
長期連載ではありますが、30巻で密度濃く時代劇・
活劇を堪能できました。

不死人という設定もさることながら、敵味方の単純
構造ではない設定がよろしい。
逸刀流は当初単純な憎むべき仇役ですが、背景には
共感したくなるポリシーがあって、吐率いる無蓋流と
公儀から追われる弱者にもなってしまいます。
そんな事情に関係なく、双方の対立軸と絡み合う
主人公万次と凛。

登場人物が多いのも特徴です。
15巻で紹介されていましたが、その時点で100人
以上ですから30巻では一体何人出てきたのでしょうか。
しかし、魅力ある剣士や攻撃力がその都度、
ワクワク感を増幅しますね。

天津影久、吐鉤群、六鬼団、偽一らの凄みはそれぞれ
強い個性を持っていますが、なんと言っても乙橘槇絵です。
彼女は生きる希望はすでに捨て去っているという設定
ですが、その表情が設定通りに表現できていることが
素晴らしい。
彼女の顔だけでも描画力10点を差し上げたい。
その雰囲気のまま実力十分で悲劇の剣士が似合います。

最終巻まで魅せてくれます。
最高の舞台で最高の演者たちが最高のドラマを
演じたという感覚でした。

名作です。

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[投稿:2021-02-12 06:22:04] [修正:2021-02-12 06:22:04] [このレビューのURL]

テーマが多数散らばらせており、興味を引かされて
いく導入部です。
虐待、子育て放棄から始まり、多重人格、天才子役
といったところが、キーワードになります。
何かが起こる予感がありますが、台詞が多用されて
おり、大した事件も起こりもせず、
次第に興味が薄くなってきました。
子役同士のバトルが中心になると思いきや、
全体に不気味な雰囲気だけが、続きます。

名脚本家である野島伸司を原作に迎えて、
期待の作品だったのでしょうが、
漫画としては未消化に終わるという印象です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-02-11 16:09:50] [修正:2021-02-11 16:09:50] [このレビューのURL]

いや、驚きました。
少年誌で舞妓さん芸妓さんお茶屋さんの世界をテーマにするとは。
これは最初の回から、青年誌で扱う内容ではないかと感じました。

舞妓さんの世界は、一般的には大人のしかも
エグゼクティブな最上層の人たちの世界ですよね。
これは、大人といえどもほとんどの人たちは
一生縁のない世界ですよ。
その世界を少年誌で扱うことに躊躇はなかったのでしょうか?

しかし、私はこの大胆な試みは、成功したと思います。
田舎者の少女が舞妓修行に挫折しながら、
本人は適正のなさを自覚した上で、舞妓さんたちの
サポートに回ります。
同郷の幼馴染は、順調に成功しており、妬みを覚えても
不思議ではないのに、むしろしっかり応援します。
その彼女の前向きな姿が、この作品の主題ですね。

上品でほのぼのとした彼女の性格がとても可愛らしく素晴らしい。
少年たちにも、その魅力はしっかり伝わっていると思います。
可愛らしい描画ともマッチしています。

繰り返しますが、少年誌にはありえない背景を
テーマにしたチャレンジは成功しており、
また一つ新しい境地の漫画が世に出たという点で感銘を受けました。

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[投稿:2021-02-06 06:56:01] [修正:2021-02-06 06:56:01] [このレビューのURL]

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