「朔太」さんのページ

素晴らしい!
長期連載ではありますが、30巻で密度濃く時代劇・
活劇を堪能できました。

不死人という設定もさることながら、敵味方の単純
構造ではない設定がよろしい。
逸刀流は当初単純な憎むべき仇役ですが、背景には
共感したくなるポリシーがあって、吐率いる無蓋流と
公儀から追われる弱者にもなってしまいます。
そんな事情に関係なく、双方の対立軸と絡み合う
主人公万次と凛。

登場人物が多いのも特徴です。
15巻で紹介されていましたが、その時点で100人
以上ですから30巻では一体何人出てきたのでしょうか。
しかし、魅力ある剣士や攻撃力がその都度、
ワクワク感を増幅しますね。

天津影久、吐鉤群、六鬼団、偽一らの凄みはそれぞれ
強い個性を持っていますが、なんと言っても乙橘槇絵です。
彼女は生きる希望はすでに捨て去っているという設定
ですが、その表情が設定通りに表現できていることが
素晴らしい。
彼女の顔だけでも描画力10点を差し上げたい。
その雰囲気のまま実力十分で悲劇の剣士が似合います。

最終巻まで魅せてくれます。
最高の舞台で最高の演者たちが最高のドラマを
演じたという感覚でした。

名作です。

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[投稿:2021-02-12 06:22:04] [修正:2021-02-12 06:22:04]

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