「朔太」さんのページ

総レビュー数: 735レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

スポーツ漫画と呼んではいけないと思う不思議な漫画です。

というのも、主人公は恩ある義父のためにビジネスの世界
でも成功者になったり、愛憎を絡めた展開だからです。
これも9秒台で走れば感じる「光の世界」の魅力は
ビジネスの成功以上だと説明するための伏線だった
とも思えます。

スポーツを主題にした少年漫画は、一定の定型があって、
努力しバトルに勝つプロセスをハラハラドキドキで楽しむ
ものですが、この作品ではバトルはありません。
戦う自分もおらず、「光の世界」に取り憑かれた者たちが
描かれているだけです。

「100mを9秒台で走ることのできた人間は、宇宙を
翔べた人間の数よりはるかに少ない。10秒の壁をうち
破ればそれを成し得た人間にしか体験できない、
9秒台の宇宙というものがきっと存在するんだ。」

そして迎える最終話では、一握りの天才たちだけが
感じる世界が表現されます。バトルのないスポーツ
漫画という分野では先駆的作品ですね。
その後の曽田正人の作品にも同じモチーフを感じて
いますので、想像でしかありませんが、少なからず
影響を与えたのかもしれません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-01-30 20:37:53] [修正:2017-01-30 20:37:53] [このレビューのURL]

設定が良いので、期待ばかり膨らみますが、一向に展開は
進まず、クローン同士の「私は誰?私は生きてて良いの?
意味ある人生って?あなたと私は違う。」の類の会話が
延々と続きます。

クローンが闊歩する時代の人類の葛藤を先取りしたような
お話ではありますが、学園内で小さくまとめて面白みが
欠けます。冷静に考えて、読み進めたい要素はほとんど
なかったと思います。
残念ですが私には合いませんでした。

ところで、表題の「放課後のカリスマ」の意味が不明です。
どこにも意味についての表記はなさそうです。
これが本作品の最大の謎かと。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-01-27 22:56:32] [修正:2017-01-27 22:56:32] [このレビューのURL]

平凡な登場人物が醸し出す平凡な日常に、非凡な非現実を
突き付けて、世界はどのように変化し、自分はどのように
変わるのだろう。
ヒーローになりたくてもなれるわけがない平凡な日常で、
アイアムアヒーローとつぶやいてみても、ヒーローには
なれない自分を再確認するだけ・・。

さあ、壮大な実験の始まり。
非現実的な日常を駆け抜けることで、ヒーローになろう。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2017-01-18 18:18:30] [修正:2017-01-18 18:18:30] [このレビューのURL]

警察組織に2つの特殊部隊組織があって、すなわち
SAT:警視庁警備部特殊部隊 Special Assault Team
SIT:警察庁刑事部特殊捜査班 Special Investigation Team
が凶悪犯などの排除、要するに狙撃も厭わない特殊部隊です。

しかし、日本という平和ボケした国家では、様々な制約があって、十分なコンセンサスが
得られているわけではない、という前提を理解しないと、この作品は楽しめません。
というのも、主人公たちの所属する新組織は、すなわち
NPS:警察庁特殊急襲捜査班 National Police Safetyrescue
の架空の組織なのですが、上記2つのS組織に加えて、必要性が理解しにくいのです。

読み進めますと、本来SATだけで十分なのですが、国民に十分必要性を認知されるためには、
排除ではなく確保を使命とする組織がその前に必要ということで組織化されたようです。
が、当事者のリーダーはその思惑以上にリベラルな考え方で、同時に主人公神御蔵は
拳銃を持たないで凶悪犯の前に立つ平和主義者なのです。

本作品の難しさというか、今一歩感情移入できないところがあるのは、SATやNPSに対して
イデオロギー闘争があって、どうやら原作者は主人公であるNPSに肩入れしているらしい
のですが、普通に考えてNPSなど不要で、SATを強化すべきと思えるところが原因です。
どう考えても凶悪犯の前に丸腰で立つ警官など非現実的でしょう。
だから、副題、”最後の警官”なのでしょうか?

娯楽作品としては、SATに一人で立ち向かう元警官の野戦は、良く練れていましたし、誘拐編も引き込まれました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-01-09 17:24:45] [修正:2017-01-09 17:27:57] [このレビューのURL]

人物描画もストーリーも粗暴で好きになれない感じです。
表題からしてピンポイントな狭い展開を感じましたが、
そのまんまですから展開も広がりません。
モチーフが狭すぎて、面白い展開になりようが
ないのでしょう。

短期連載終了もやむなしでしょう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-01-04 20:55:31] [修正:2017-01-04 20:55:31] [このレビューのURL]

10点 封神演義

1700万部世に出たらしい。
何といっても魅力的な登場人物が続々登場する点で、ワクワクさせる。

まずは太公望。
彼は12歳で両親や家族を失ったらしいが、その悲しみを表面に出さず、
頭脳戦が得意な崑崙一の策士として大活躍かと思いきや、仲間からは
尊敬されない普通の人を装う。
マイペースで飄々としたリーダーは、時に赤穂の昼行燈のように支持されるようだ。

聞仲も素敵な敵役だ。
たった一人で十二仙や元始天尊を撃破していく強さと部下に敬愛される
ストイックさがある(この点、太公望と真逆)。
しかし、何か悲しげな背中が魅力である。

妲己は、典型的な悪女であり、世の皇帝をたぶらかして悪政を引くトンでも女子。
しかし、常に語尾にハートマークを付ける可愛らしい喋り方は憎めない。
表面上の敵役だったことが,後編で分かるので、なお哀れな感じもする。

四不象は、太公望の片腕というか秘書というか乗り物だが、基本は
ツッコミ役である。戦いでボロボロになる時もあったりして、涙を誘った。

そしてラスボス、女禍。
これが登場する頃になると、戦闘の意味や世界感が一気に宇宙的規模、時空を
超えた哲学の世界へと誘う。やや難解な世界感でもあるが、それがまた
サプライズをもって受け入れられたのではないか。

本来は中国明代の小説が原作のはずだが、まったくもってとんでもない漫画に
仕上げてくれた点で、めったにあげない10点を差し上げたい。
感動した。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-01-01 07:07:56] [修正:2017-01-01 07:07:56] [このレビューのURL]

月別のレビュー表示