「朔太」さんのページ

総レビュー数: 740レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

昨日まで知らなかった街を数時間歩くだけで、
愛着を持ってしまう感じは、よく分かります。
毎回驚くようなエピソードが出てくるはずもない
ので、淡々とした味わいに終始しましたが、
ゆるーい紀行文のごとく楽しめました。

この企画は長く続くわけもないので、12話で
終了しましたが、中身は結構濃厚です。
忘れた頃に再開するのも、アリかもです。

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[投稿:2022-02-28 07:45:28] [修正:2022-02-28 07:45:28] [このレビューのURL]

古典的な匂いのする初期のSFもの。
同人誌作家さんが志向するベクトルと同じものを感じる。
現代的なエンターテイメントとは真逆の方向にあるが、
これが堪らないと思うファンもいるだろう。

また細ペンだけで描かれた細密画のような緻密な画風にも、
郷愁を感じる向きも多いだろう。
現代に蘇る昭和初期の作風といった作品だった。

一握りのコアなファン層が獲得できれば、良いという潔さが感じられる。

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[投稿:2022-02-23 11:24:53] [修正:2022-02-23 11:24:53] [このレビューのURL]

松本次郎という作家に興味を持ったので、読んでみました。
松本大洋と同世代であり、かつ画風も大洋ほどエキセントリック
ではありませんが、名前と同様にやや類似性を感じます。

戦時下での三人の男女の青春大河ドラマという触れ込みで、
屈辱にまみれた悲惨さが先行します。
本作品は一編の映画のようなドラマを見せていますが、
娯楽性に乏しく商業的には成功はしていません。
「僕らはどこで間違えたのだろう?」というセリフが印象的です。

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[投稿:2022-02-18 08:52:20] [修正:2022-02-18 08:52:20] [このレビューのURL]

賭けごとの勝負師が主題の作品は数々ありますが、
多くは複雑なルールの中でいかに勝利の根拠を
英知で探り出すかが、興味を引きます。

本作品は、その点が弱く、ひたすら主人公の少年の
勝負への信念だけが頼りです。
対比的に確率論で勝利を導きたい相棒が出てきますが、
こちらの方が明らかに合理的なのに、
強引に主人公の勝利を導いてしまいます。
こうなると、やたらと強運の持ち主の少年の話で
あって、そんな馬鹿なとなります。
リスクを考えない荒唐無稽な少年向き作品は、
知的満足度の低いものとなりました。

また、私は絵の上手い下手はあまり拘りのない方ですが、
最近では見かけないレベルの描画スキルです。
人物は正面顔が多く、商業漫画のレベルを大きく下回っています。
この作品以降、あまり作品を出されておらず、
自身は描画を止めて原作者に転向されたのではないか、と想像しています。

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[投稿:2022-02-11 10:05:40] [修正:2022-02-11 10:05:40] [このレビューのURL]

最終話まで読んで、やっと作者の意図が理解できました。
最終話を描きたくて、この作品を始めたことを。
モチーフは最終話にあったのだと理解します。

しかし、そこに至る20話のお話が冗長で、表題の
メロドラマを感じさせる熱愛を感じません。
伯爵令嬢と出奔した10代から30歳過ぎまで恋仲にならない
熱愛など、とても理解できません。
それに反して、最終話での突然の盛り上がりは、ご都合主義です。

主題の恋愛については消化不良極まりないですが、
1900年初頭のフランス・巴里の絢爛さを表現する
画力には魅入られました。
村上氏は大正時代が似合う作家さんですね。


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[投稿:2022-02-08 08:47:15] [修正:2022-02-08 08:47:15] [このレビューのURL]

八重山諸島の実在のいくつかの島をモデルにした羽照那島は、
都会疲れした人間たちには、天国のような島です。
ここで繰り広がれる人間ドラマは、・・・と期待しましたが、
ヒュウマンな要素は少なく、シナリオ展開の面白さはほとんどありません。

うめ氏の大東京トイボックスでも共通する感想ですが、
今どきのドライな人間描写が多く、ドラマ性に欠ける面が残念です。
しかし、絵はしっかりとした描画力の上、作者の体験を含めた
きっちりとした取材の跡が感じられます。
作者うめ氏の南国愛に溢れた作品でした。

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[投稿:2022-02-05 09:29:32] [修正:2022-02-05 09:29:32] [このレビューのURL]

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