「朔太」さんのページ

総レビュー数: 818レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

生命と神と時間と宇宙。
読み進める中で、4つのキーワードが常に頭をよぎります。
昔読んだ本で、よく似た印象を持った作品を思い出しました。
手塚治虫大先生の「火の鳥」でした。

もちろん、先生のライフワークとも言える大作ですが、未完に終わっています。
山下和美先生に置かれても、同じような意気込みを感じますね。
神のごとく少年の振る舞いは、とても人間臭く、かつ深い哀しさを感じます。
風に吹かれてゆらりゆらりと飛び回る少年の姿が、とても印象的です。
その眼下に広がるちっぽけな人間たちの営みは、雲霞のごとく愚かしさを感じます。
しかし、個々の営みに焦点を合わせて細かく見ると、とても興味深く、愛おしさが込み上げてくるのでしょう。
少年は永遠の命を持て余しているかのようでもあります。

山下和美先生にもライフワークとしてエンドレスな物語を紡いで頂きたいと思います。

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[投稿:2024-07-31 00:09:48] [修正:2024-07-31 00:09:48] [このレビューのURL]

原作が細野不二彦さんだけに、初期設定は面白そう。
ところが、数話進んだところで停滞模様で、短期連載打ち切りの匂いが漂います。
結局、あっさり2シーズンで終了。
良いネタで一気に読ませる魅力もあったんだけどなあ。
何かもったいない無念さだけ残す悔しい作品でした。

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[投稿:2024-07-28 06:17:58] [修正:2024-07-28 06:17:58] [このレビューのURL]

プロ野球の実在する賞の中でも、カムバック賞というものがあるくらい、
一度最前線から力を落とし、元の活躍をするのはとても大変です。
一度引退した選手がカムバックするのは、あり得ない現実です。
漫画ならではの絵空事ではありますが、なかなかに大人を堪能させる
リアリティがあり、一気に読ませてくれました。
柳沢きみお氏は多数の作品を世に出されていますが、本作品はその中で
ベスト1と私は思います。

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[投稿:2024-07-25 04:54:40] [修正:2024-07-25 04:54:40] [このレビューのURL]

4点 STAND UP!!

ボクシングを武器にした、いじめられっ子の逆襲大化け物語です。
すなわち、どんなに弱くても練習の日々を積み重ねて努力すれば、
道は開ける、というコロコロコミック風成り上がり成功物語です。

個人的には、捻りもない子供ダマシに感じますので好きではありません。
子供だって馬鹿にするなと言いたくなるでしょう。
でも、一定の教育的効果や配慮が、漫画にも必要だと思いますので、否定はしません。

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[投稿:2024-07-17 08:24:45] [修正:2024-07-17 08:24:45] [このレビューのURL]

スクールカーストを破壊する、というキャッチコピーに
魅せられて読み始めました。
なるほど、スクールカーストなる階層社会が高校や中学には存在しますね。
下劣ないじめ社会や不良が牛耳る悪ガキ社会も十分つまらないですが、
学園エリート(成績ではない、本当の意味でのエリートたち)が
学園を牛耳って、そのまま大学でも社会でも自由を謳歌して生きて
いるのが実状ではないでしょうか。
そこに青臭く抵抗できるのも、実は高校生だけの特権ということでしょうか。

理屈と感情をない混ぜにして、やたらと台詞を多く配したシナリオに
途中から苦痛になってきましたが、最後はすっきりとまとめたので
良かったです。
最も気に入ったのは、担任の教師だったりするのが皮肉でした。

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[投稿:2024-07-13 05:40:25] [修正:2024-07-13 05:40:25] [このレビューのURL]

「ウチご飯」の続編だけれど、「呑み」に特化した内容に変貌しました。
男やもめ所帯なので、簡単レシピが魅力です。
ただし、食べログなんかが充実している現在、「クッキングパパ」ほどの
料理レシピの価値は相当下がっていますよね。
ただただ、男やもめ所帯のくつろぎタイムを一緒に味わう癒し系
漫画としての価値ではないでしょうか。

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[投稿:2024-07-10 07:33:32] [修正:2024-07-10 07:33:32] [このレビューのURL]

原作は高校生の頃に読んでいて、夏休みの宿題であった読書感想文として
提出すると、なんと県大会応募されてしまったので驚いてしまいました。
しかし、実はその感想文は評論家の評論文を半分写し取った搾文だったので、
内心それがバレないか戦々恐々で、といって自白することもできず、
落選することを祈っていました。
これは、私の17歳の頃の小さな「人間失格」の始まりでした。

こんなことがあっても、自分の中の「人間失格」要素は懲りることもなく、
どんどん増幅していくのでした。
無自覚に存在する「人間失格」要素は、どこの誰にもあるのかないのか、
本人にしか判断できません。
無垢なる少女にすらそれは内面に蛇がとぐろを巻いて存在するのか、
確かめようもありません。
本当にそんな真実が明かされた時、それを知った時に、人は絶望して
死んでしまうのだろうか。
あるいは逆に人間失格と思った自分を許し、狂気の世間を渡っていく
覚悟ができていく瞬間なのかもしれません。

感受性豊かといえば美辞麗句過ぎて、虚弱で傷つきやすく自活力の
ない青年の自伝ではあるのですが、実は私の中の別人格の一つだったと
気づかされてしまいました。

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[投稿:2024-07-03 07:51:27] [修正:2024-07-03 07:51:27] [このレビューのURL]

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