「朔太」さんのページ

総レビュー数: 747レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

医療漫画、特に医者を主人公にした漫画は星の数だけあります。
1991年連載開始のこの作品には、「ブラックジャック」は存在したに
しても、「研修医なな子」は4年後、「Dr.コトー診療所」は10年後、
「ブラックジャックによろしく」、「医龍」は11年後に、
「コウノドリ」は21年後に誕生致します。

これらの作品に少なからず同様の味付けを感じますし、ヒューマンな
医療現場や苦悩、問題は共通しております。
そういう意味では、本作品は医療漫画の先駆け的存在であったかもしれません。
しかし、問題提示はしても、解決策は曖昧でご都合主義です。
最終回の主人公が出した結論も安直で、薄ぺらな博愛主義的な
考えがつまらなかったです。
全体的に結末を放り投げている印象です。

漫画ですら解決できないのだから、医療の現場はさらに矛盾を
抱えた社会の縮図なのかもしれません。
コンパクトで単純な医療漫画として、お読みください。

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[投稿:2024-05-18 13:52:30] [修正:2024-05-18 13:52:30] [このレビューのURL]

人の怨みを代わって請負い、復讐するお話です。
必殺仕置き人のように、怨み→請負→復讐の殺人というような
単純なストーリ展開ばかりではなく、依頼人にも災厄が戻って
くるようなケースもあり、バリエーションに富んだ内容です。
画には難があって平面的なので、ワイルドな内容の割には
濡れ場は極力省略を心がけているようです。
青年誌において、ここは致命的な気がしますが、長期連載を果たしています。

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[投稿:2024-05-15 08:30:50] [修正:2024-05-15 08:30:50] [このレビューのURL]

7点 鬼門街

第一巻の巻末に、本作の構想にイニシエーションに関する記述がある。
作者の幼馴染が、集団暴行事件によって、ある日突然亡くなる。
その理不尽さ、残酷さに対して、暴力事件への抑止力となる
漫画を描きたいと願ったそうである。
そういう意味では、この作品は空想、妄想とは呼べず、
ある意味においてリアルである。

安部元首相襲撃事件は悲惨であった。
加害者に対して「民主主義への挑戦で、この暴力には屈しない。」とか
口走る政治家のなんと想像力のないことか。
安部氏の政治信条には関係ないと報道されているにも関わらず、
コメントを求められたメディア関係者は一様に同じセリフを
口にするにつけ、こいつらは被害者である安部氏に何の同情も
していないことが分かった。
ましてや、加害者の背景に思いを馳せる人間は皆無であった。
事件の背景が明らかになるにつれて、加害者と加害者の母、兄妹に
対する世間、社会、特に旧統一教会の鬼のごとく仕打ちが
明らかになってきた。
この世に鬼がいる、というのは本当である。
餓鬼もいる。そんじょそこらに、うようよといる。

この作品に描写された世界は、まさにリアルな現実社会である。
先の安部氏襲撃事件の加害者にも、その鬼の存在が他の誰よりも見えていたのかもしれない。

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[投稿:2024-05-11 09:04:07] [修正:2024-05-11 09:04:07] [このレビューのURL]

女性漫画家の私的温泉旅行記のようなもの。
旅行といっても作品投了後の合間をぬって、時には旅館に書き
掛け原稿を持ち込んで、地獄の日々の合間の癒しを求めた
逃避活動のようなものです。
もう一つの特徴は、温泉旅行中に必ずイケメンのパートナーが現れ、
温泉以上の癒し効果をもたらすことです。
こんなのは絶対妄想なんですけど、女性作家ならではの作品でしょうか。

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[投稿:2024-05-06 10:53:08] [修正:2024-05-06 10:53:08] [このレビューのURL]

なかなかのディープな世界なので、人の好みが別れるところだろう。
とても笑える作品もあったが、どうにもどこで笑えば良いのか
不明な作品もあって、読者と小田扉氏の波長次第で共振したり、
消波したりといった感じだ。
疲れている時には、とても読む気がしないので、
エンターテイメントとしてはどうかとも思う。

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[投稿:2024-05-05 08:43:03] [修正:2024-05-05 08:43:03] [このレビューのURL]

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