「朔太」さんのページ

総レビュー数: 740レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

映画の話で恐縮だが、最近2010年作カナダ映画「灼熱の魂」という作品を見た。
こんな無慈悲な人生があって良いものか、という凄まじい内容だった。
その作品に通じるえげつなさを感じさせる作品だ。

沙村氏は人間の狂気を理解している。
第1話から衝撃の嵐。
人間に対する不信感が、腹の底から湧き上がってくる思いだ。
狂気を孕んだ人間は、悪魔のような所業を行うことは周知の通りだが、
怖いのは周囲の人間もそれを拒絶しない、いや、できない。
それを直視するが、罪を論ったり問題があると声をあげたりしない。
ただ、悲しい目をするだけ。

振り返ってみれば、評判になるほどエログロのシーンはなかった。
しかし、かって感じたことのないようなグロい気持ちが残るのだ。
同時に最終話で感じる風の優しさに戸惑ってしまった。

やはり、沙村広明は天才漫画家である。

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[投稿:2023-02-19 09:05:20] [修正:2023-02-19 09:05:20] [このレビューのURL]

少年誌における料理マンガは難しいです。
大人テイストの高級料理を高度な料理技術と素材で
立派に拵えても、読者には価値が理解できません。
まず第一に味わうことができないという中での
料理勝負には限界がありますね。

そこで、この作品では遠月学園という過酷な競争社会を
舞台にして、その中の序列と勝負を見せることで、
緊張を維持し狙いは当初は成功します。
テーマは「食戟」なんで、より強敵を出現させることで
展開は続きますが、5巻辺りでマンネリ化が始まります。

ここでのレビューを見ても、最後は酷い評価を得てますね。
激しく同意します。

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[投稿:2023-02-14 09:27:08] [修正:2023-02-14 09:27:08] [このレビューのURL]

「ナニワ金融道」は青木雄二氏が築かれた裏金融界
独特のえげつなさが持ち味でした。
「カバチタレ!!」ではそのえげつなさをトーンを落として
継承しつつ、金融トラブルを表面的には法的手段で解決し、
実は裏手段で爽快に解決してくれる様が売りでした。

本作品は「カバチタレ!!」の続編ではありますが、
内容的にはネタが尽きたのか、展開に変化が見られます。
ライバルとなる新しい女性行政書士の登場は新鮮で
結構でしたが、全体にマイルドなんですね。
女性行政書士らは正攻法でいきますので、えげつない
戦いがなくなりがちです。

その点で満足度が減ってしまいましたが、ドラマ性は
相変わらずというよりパワーアップして、読む手が
止まらない感じです。
時代を経て、青木氏の世界も進化していくということでしょうか。

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[投稿:2023-02-09 09:49:28] [修正:2023-02-09 09:49:28] [このレビューのURL]

最初の設定が面白く興味を引きますが、少ししますと
内容はグダグダになってきます。
入れ替わりパターンはよくある話です。
これを使っていかに展開をスリリングにしていくかが
重要なのに、設定で満足しきった感じがあります。

「ウロボロス」でも同様の印象が残っていることを思い出しました。

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[投稿:2023-02-05 09:36:22] [修正:2023-02-05 09:36:22] [このレビューのURL]

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