「朔太」さんのページ

総レビュー数: 741レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

小池一夫、小島剛夕両氏のコンビによる作品群には、
背骨に一本筋が通った生き方が見事に表現されています。

主人公山田浅右衛門も、傑物です。
実は幕臣ではなく、浪人だったのですね。
いわば、アルバイトで首打ち職をしていた。
命を奪う重大な使命に、嫁を取らず子を設けないという
意思を貫くわけです。
一徹な生き方に、この作品でも感銘を受けました。
また、十手持ちの坂根傘次郎と河童の新子が登場する回は、
いずれも楽しめました。
彼らもまた庶民の感覚で、一徹に筋を通した生き方をしており、
かつ人生を楽しむ余裕もあって共感を覚えます。

ただし、「子連れ狼」ほどダイナミックさというか
派手さはありませんので、2点減点としました。

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[投稿:2023-08-29 06:00:11] [修正:2023-08-29 06:00:11] [このレビューのURL]

絵も上手いし、設定も興味がそそられます。
ですが、展開が昭和のお茶の間テレビドラマのようで、
対象読者ターゲットの居所が不明です。
このお話をどの世代が支持してくれるのでしょうか。

小説にも映画にも絶対なりえない展開の無難さは、
漫画としては落第と言えます。
特に、最終話に向けた結末に少しは期待したのですが、
尻すぼみで最後まで盛り上がりません。

絵が上手いだけに残念な作品でした。

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[投稿:2023-08-20 15:44:36] [修正:2023-08-20 15:44:36] [このレビューのURL]

10点 子連れ狼

全403話28巻の長編である。長編ではあるが、無駄に長くはない。
武士道を語り、時代の理不尽さを語り、親子を語るには
6年の時間と403話の労力が必要だったのである。

本作品をはじめ、小池一夫と小島剛夕による漫画作品は、
エンターテイメントとしていかに優れているか、万遍の
言葉を尽くしても足りない。
本作は、その中でも頂点に立つ最高傑作である。

小池一夫が愛した「もののふの道」は、間違いなく美しく正しい。
現代の多くの人々に支持されながらも、その生き方は
尋常ならざる確信がなければ貫けない。
しかし、それを貫き通す美しい境地は、かくあるべしと、
小池が分かりやすく説明してくれているかのようだ。
紆余曲折の末、いかに最終話を迎えるのかと思うと、
途中で投げ出せなくなる面白さも備えている。
はたして、最終話は最高のエンディングである。
いろんな思いが綜する最終話だと感じ入った。

海外でもリメイクされた作品が紹介されているようだが、
肝心の日本では小池の残した作品群が古めかしく過去のものと
いう扱いがされているようで残念である。

是非、心ある日本男子には一読をお願いしたいと思うばかりである。

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[投稿:2023-08-13 09:00:29] [修正:2023-08-13 09:00:29] [このレビューのURL]

テーマが、ワイン醸造、父の夢を継承、悪役の叔父が事業を
妨害、腕は立つが偏屈な青年の手腕にかかるワイン・・・。

あまりにも定番過ぎて、先読みができてしまう。
「夏子の酒」以来の同じ系譜と言えば聞こえが良いが、
二番煎じどころか五番くらい。
直球だけの展開に変化球を交えてほしいところでしたが、
使い古されたワインをテーマにした時点で無理かな。

企画段階での失敗を感じてしまう作品でした。

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[投稿:2023-08-06 05:30:11] [修正:2023-08-06 05:30:11] [このレビューのURL]

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