「朔太」さんのページ

総レビュー数: 739レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

生身の人間をカードの中に閉じ込める、という設定は
とても新鮮で、恐怖心をあおられます。
その魅力的な設定を使って、先々にどんな展開が
待っているのか期待が膨らみます。
だけど、それは1巻まででしたね。

折角のアイデアを持て余してる印象です。
2巻以降、新たな登場人物が多過ぎて、謎がばらまかれ
そのまま放置されることが繰り返されます。
時折、力を入れてページ数と号数を稼ぐのは、無駄な
追跡劇だったり、敵基地への潜入だったりして、
結果的に展開が遅くなりストレスがたまってきました。
5巻まで読みましたが、恐らく原作者の限界だと
見切ってしまいました。

なんだか、とてももったいない作品でしたね。
それと失礼ながら、「DEATH NOTE」を連想
させる展開と描画ですね。
連想というか、はっきり言って○○りなんじゃないかな。
「FAIRY TAIL」ほどではないけど。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-09-30 07:40:03] [修正:2022-09-30 07:40:03] [このレビューのURL]

8点 一平

[ネタバレあり]

剣道の達人が学生時代に唯一勝てなかった刑事に師事する
ために、警察官になるというプロローグから始まる。
交番勤務の巡査の日々の警官としての生活を通した
ヒューマンドラマかと思いきや、回を重ねるごとに
一平の目指す人生の生き方が変化していく様がとても興味深い。

18巻を分類すれば、初期は剣道を中心にした青春ドラマ風
巡査の周辺日記、中期はヒューマンな古風な刑事ドラマ、
後期はスぺクタルなアクションドラマへと変貌していく。

剣道一筋の一平が剣業一致に目覚め、試合から引退したり、
交番勤務から刑事を目指したり、最後には国際犯罪捜査室で
世界を飛び回る国際派の刑事になってしまう。
母と酷似の女性は犯罪者であったため悲恋に終わり、
強く慕われる幼馴染とは恋人感情が持てないという
理由で交際を諦める。
色恋とは無縁と思いきや、最愛の女性に巡り合ったりと、
誠実実直一筋な一人の男の人生をなぞっている感があって、
最終話ではひとしお感慨深いものに仕上がった。

刑事ドラマというより一人の男の成長物語という印象が深い。
傑作とは言い難い面はあるが、記憶に残る良作というところだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-09-24 08:29:15] [修正:2022-09-24 08:29:15] [このレビューのURL]

グルメ漫画の中でも、極めて上品な香りがする食べ物が出てきます。
人様のお家に返礼品あるいは贈答品を”おもたせ”するので、
がっかりさせてはいけません。
うめさんの食べ物と文学に対する薀蓄も上品で上質なものなので、
作品自体は堅苦しくないのですが、
清潔で日本文化の香すら漂ってくる感があります。

出てくるおもたせはどれも美味しそうで、一度は食してみたいと
思ってしまいます。
残念ながら東京近辺のお店しか登場しませんので、
地方在住者には残念でしたが。
良い宣伝になってるだろうなと思いました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-09-21 17:46:52] [修正:2022-09-21 17:46:52] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

表紙で強調されるフィリピーナの絵姿と表題にすっかり騙された。
どうしたって、「愛しの・・」となるとヒューマンなお話を期待するもので、当初の寒村の40過ぎ独身者の悲哀、恋愛に対するコンプレックス、老々介護への不安、フィリンピン人の貧困に起因する売春、結婚斡旋ビジネスに殺到する登録者たち、などなどは、これから起きる小さな幸福が始まる伏線だと思うじゃないですか。

全然違うのね、これが。
いつまで行っても、明るい未来なんてものは見えてこない。
それどころか、どんどん事態は悪化して、遂には・・・なんてことが起こってしまう。
もう、戻れないから逃避行が始まると思いきや、人生を破綻させてしまうんだな。
途中、岩男は「あいつをフィリピンに帰す」と言ってたはずなのに、それも叶わずで、思いがけない結末へ。

いや、怒涛の勢いで息継ぎができないぐらい暗い展開。
一気に6巻まで読まずにはいられない。
連載中、読者はついてこれたのかな。
こんな暗くて惨めな話は、毎号続きを読みたいなんて思うだろうかね。
そういう意味で、やっぱり新井英樹はすごい。
誰もが知っていながら見向きもしないフィリピーナの物語をモチーフにしてしまうのもすごいし、変な純愛物語に改質してしまわず、悲惨なものはより一層悲惨なまま読者に届けてしまう。
絵はあいかわらず下手だが、「宮本から君へ」に続く彼の書きたい理不尽な世界だったと気づく。

これから読まれる方に忠告しておくが、最終話に至る一歩手前まで、悪い胸やけが続くので、それに耐える覚悟が必要。
最後まで読んだからといって、やっぱり胸やけは治らないし。

新井氏は本作品がお気に入りで、登場する人物が「好き勝手」なところが好きなんだそうな。
代表作として扱われないことを不満に思ってるらしい。
これだけ強烈な読後感を残す作品はあまりないので、やっぱり名作なのかな、いやワースト側で名を遺す作品かもだ。
あまり、再読をしたいと積極的には思わないが、変に後を引く作品とでも言っておきたい。
多分、何度も読み返すような毒がある。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-09-14 22:01:43] [修正:2022-09-14 22:01:43] [このレビューのURL]

家族を顧みなかった父親への復讐を目的に、裏ゴルフで
腕を磨く闇ゴルファー。
少年誌には似つかわしくない闇の暗い部分を強調し過ぎ
ていますが、トリッキーなゴルフ技が連発しますので、
やはり漫画だなと安心します。
親子の確執をゴルフに絡めた内容なので、さほど心を
動かされる部分もなく、淡々と読めます。

先を読みたくなる部分は、主人公の勝が窮地に追い込ま
れる場面ですが、元々化け物クラスのスキルがあります
ので、絶対負けないことを確信して読んでしまうのが
難点でしたね。
8巻完読しました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-09-06 22:28:14] [修正:2022-09-06 22:28:14] [このレビューのURL]

5点 0の男

第一話から衝撃的な始まりですので、グイグイと引き
込まれていきます。
少年誌にしては、殺人が日常的に起こります。
主人公の復讐劇が物語の中心になります。
当然、敵の正体、敵の目的、何故家族は皆殺しにされ
ねばならなかったのか、が関心をつないでいきます。
最終話は、なるほどという納得感の得られる内容には
なっていますが、これほどまでに殺戮が繰り返されて
きた謎、組織力の巨大さに比べて、最終話の敵の
無防備さなどの話のアラが目立ちますね。
少年誌ならではでしょうか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-09-06 22:22:30] [修正:2022-09-06 22:22:30] [このレビューのURL]

月別のレビュー表示