「朔太」さんのページ

総レビュー数: 739レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

最下層の人種が織りなすドラマが、読み手の心を抉ってくる。
残酷シーン自体は、自粛のせいか直接的な描写は避けられているが、
間接的にグサッとナイフで刺される、切られる、抉られる。
そんな気分だから、自分の体調が良くないと、すぐに本を閉じて
しまって読めなくなる。

1か月以上かかって18巻分読んだけど、もう手が出ない。
基本的にダメ人間が堕ちていくんだが、世の中にダメでない人間と
ダメな人間は、紙一重なんじゃないか?
読者は「ああ、オレはまともな人間で良かった。」と安堵するかもだが、
長い人生、いたる所に罠がいっぱい仕掛けられていて、穴に堕ちた後、
ここが地獄だったと気づくんじゃないか、と不安にさせる。

大人の教育用教材として、国から18歳成人になったら無料配布
すればいいんじゃないか。
世の中、それで結構浄化されるかもよ。
いろいろ妄想を抱かせるこわーい漫画だった。
もう読みたくない名作。

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[投稿:2024-04-13 09:48:54] [修正:2024-04-13 09:48:54] [このレビューのURL]

80年代頃の少年誌には、定番のラブコメが不可欠だったようだ。
マガジン誌には「The かぼちゃワイン」が、サンデー誌には
大ヒット作品「タッチ」(その後もあだち充のラブコメは長く
サンデー誌の代表作家となる)がともに81年から長期連載されている。

マガジンだって負けてられない。
そこで登場したこの作品と推測される。
先の作品群には可愛さ、健気さが際立つのだが、ここは少し
大人への入り口を予感させる構成。
ロングスカートに大きな帽子という姿の表紙絵に特に代表される。

ただ、少年誌において、その路線は必要とされたか。
少なくとも私には合わなかったようだ。
今気づいたが、そういう意味では、ジャンプ誌はその辺りの
軟派なラブコメとはその後一線を引いていたような気がする。
それとも存在してもヒット作品が出なかっただけか?
いずれにしても、各紙が競い合ってラブコメを少年誌にも
揃えていた時代の産物というところ。

さて、内容ですが、当初の売りだった超能力少年は、いつのまに
やら脇にやられてるのが気になります。
多分、学園ドラマからラブコメ路線に変更したのでしょう。
結局、恋愛憧れ世代の少年たちのためのバイブルになりました。
しかし、ストーリーは毎回、毎巻そっくりであって、繰り返し
焼き直されます。
時折出てくる幽霊モノや、プールサイド、海岸ベリのお約束の水着モノ。
留守宅での二人のどきどきお泊りや風呂シーン。
温泉での入浴シーン。
もうベタ過ぎて、毎号10秒読みですね。
少年時代は読めても、大人になった今、どうでもよい感じです。

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[投稿:2024-04-07 09:43:37] [修正:2024-04-07 09:49:21] [このレビューのURL]

二つの家庭が同居して、ゲイでもない二人の男性が、協力、奮闘する展開です。
シングルファーザーの幼児育児は、「うさぎドロップ」他ありがちな設定です。
なぜ、2つの家庭が同居しているのかについての説明はなく、唐突に
物語が始まります。
余計な事情説明は省かれ、父親の作る料理に毎回焦点が合わされており、
潔さを感じます。
二人の父親は、まるでタイプの異なる男性ですが、互いを尊敬している
ので感じが良い付き合いができています。
男は、尊敬できる相手とだけ、良い関係が築ける生き物ですからね。

個人的には、運動会編が気に入っています。
子供にとって運動会は一生のトラウマになるか、安心して生きていける
糧になるかの分かれ目ですから。
総じて子育ての難しさ、親子の機微なんてものがリアルに表現できていて、
好感の持てる作品です。

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[投稿:2024-04-03 09:11:00] [修正:2024-04-03 09:11:00] [このレビューのURL]

寺沢先生が一連の料理マンガから脱皮した最初の漫画ではないかな。
実は料理が苦手な寺沢氏だから、いつかそれ以外の薀蓄漫画に
移行する機会を狙っていた感じです。

まず、薀蓄を中心に据えるために、台詞が多過ぎです。
台詞読まないで、ページをペラペラめくると、吹き出しだらけ。
一層、小説にしたら、って思います。
また、相当ニッチな領域に踏み込んでしまって、身動きとれずに
17話2巻で終了となってしまった印象です。
だって、修理をテーマにすると、取材調査は毎回大変でしょう。
ネタも数回で尽きてしまいそう。
読者にもそれほど受けそうにないし。
そんな訳なので、寺沢先生は好みですが、4点ということで。

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[投稿:2024-03-31 12:13:11] [修正:2024-03-31 12:13:11] [このレビューのURL]

戦艦大和が空母として建造されていたら、歴史は変わったかと
いう命題で物語が展開される。
史実とフィクションが綯い交ぜになっており、中途半端な知識
しか持たない向きには、面白さが伝わらないだろう。
一部オタクのための作品のように思うが、1997年当時でも
これに興味を持つ読者がどのくらいいたのであろうか。
3巻途中にて脱落した。

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[投稿:2024-03-23 12:15:18] [修正:2024-03-23 12:15:18] [このレビューのURL]

心温まるほのぼのした短編集です。
1年後に「Theかぼちゃワイン」で漫画賞を受賞するくらい
大成功をおさめますが、その原型がこの作品にあります。
三浦みつる氏は手塚プロダクションのアシスタントを経験されていたようです。
描画はもちろん、ストーリーも手塚治虫氏の影響が大きく、共通点を感じます。

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[投稿:2024-03-17 17:12:17] [修正:2024-03-17 17:12:17] [このレビューのURL]

4点 Order-Made

テーラーを死んだ兄に代わって継ぎたい女の子の物語です。
職業ものは、専門知識とドラマで魅せるものです。
両方とも一応提供されていますが、サプライズに欠けます。
致命的なのは、主人公の女の子が魅力に欠けることです。
男子高校生並に乱暴な言葉使いをするのですが、可愛さが
伝わってきません。
見たまま、そのままでした。
女性作家にしては、絵が余り上手でないのもこの作品では裏目に出ています。

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[投稿:2024-03-14 16:19:45] [修正:2024-03-14 16:19:45] [このレビューのURL]

タイムマシーンで過去との行き来に伴うドラマ。
既視感でいっぱいです。
台詞が多過ぎて入ってきません。
説明臭さが鼻につきます。
B級作品ですね。

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[投稿:2024-03-09 08:46:30] [修正:2024-03-09 08:46:30] [このレビューのURL]

6点 銀魂

作品の魅力を一言で言えば、高等な漫才的な会話とアクションの応酬。
ボケた行動に対して、高度な突っ込みが返される。
単発で終わらず、サーブ、リターン、リターン、スマッシュ。
決定的なのは、サプライズを伴った突っ込みに特徴がある。
笑いのツボを心得ている。
売れない芸人は、この本で笑いを研究すべきである。
まさに、お笑い芸人のバイブル、教科書になり得る。

しかし、私の評価は低い。
上記の笑いは、何でもない日常の日々で生かされるのであって、
バトルの日々や戦いの中では笑えない。
真剣なバトルとお笑いは、共存できない。
多くのファンが10巻を越えた辺りで、つまらない作品と見切りをつけていく。
編集者も気付いているのに、無駄に77巻続けさせたのは、読者に対する
誠意ある姿勢と思えない。
これは、ジャンプ誌の他の作品でも指摘されることであるので、編集部は
とっくに気づいているはずだが、完結させない理由は他にあるのだろう。
読者カードの支持率が全てと信じられているが、実は別のしがらみ、
判断が介入しているのは明らかだ。

かくして、第二の手塚治虫、石ノ森章太郎や赤塚不二夫の誕生を阻害し、
人生でヒット作品がただの一作で終わり、一生その印税で暮らすことを
許容してしまう漫画家が生まれる。
才能が30代までに枯渇してしまう前に、適度な休憩を与えながら
中長期な視点で育成しようという出版社が皆無なのは、実に残念である。

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[投稿:2024-03-02 10:33:40] [修正:2024-03-02 10:33:40] [このレビューのURL]

小島剛夕氏の初期の作品を読んでみたくて、探し出して読んでみました。
初期と言っても40歳の作品です。
後年の作品に比べて、まだ絵が稚拙で女性美もなんだか荒いです。
とても白土三平氏の絵に似ており、忍者が主人公の作風もそっくり
なので、白土氏との関係を調べてみました。

小島氏が1928年生まれ、白土氏が1932年生まれで年上なのですが、
共に紙芝居作家から出発し、白土氏が漫画家デビューを先に果たして、
なんとそのアシスタントを担当されていたのです。
そのせいか下積みを長くした上で、39歳から商業誌での活躍となったようです。
その5年後に不出世の作品「子連れ狼」で第一線の作家となられたようです。
この時、既に44歳ですから、現代ではありえないくらい相当な遅咲きです。
生年月日が同じ手塚治虫氏とは対極的ですね。
2000年に71歳で亡くなりました。
また、2021年89歳まで生きた白土氏とも対極的でした。
小池一夫氏との出会いが小島氏の僥倖でした。
とはいえ、活躍時期は20数年と意外と短かったようです。
白土氏にそっくりなこの作品で、小島氏の隠された経歴が知ることができて良かったです。
(多分、ここまで関心を持って調査したのは、私だけでしょう)

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[投稿:2024-02-23 17:54:29] [修正:2024-02-23 17:54:29] [このレビューのURL]

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