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7点 結界師

正義感にあふれる猪突猛進型主人公が、宿命に抗うことなく、家族を含めた周囲の人たちとともに森を守るという少年誌らしい展開です。

森の謎からさらに世界感を拡大できる可能性もあったはずですが、そこは最初に設定した結界師の使命から逸脱してしまうせいか、こじんまりとした世界感、すなわち主人公の生まれ育った町と関わり合いのある人を守るという、まあどう転んでも大差がない感じの緊張感のない背景が生まれてしまいました。
これが結局、最後までたたってしまい、本作品の魅力を半減させた理由でしょう。

兄との確執も前半から絡めたはずですが、途中から後回しになってきました。主人公より兄の方が能力も人間的魅力もずっと上回っているのも困りものでしたね。猪突猛進感情支配型の主人公は無骨で戦略の才に欠け、主人公としての魅力に乏しいものでした。これも本作品の致命傷だったかもしれません。

結界師の異能ぶりも単純で、世界感も分かりやすく設定されている割には、その世界の裏側で様々な権力闘争と森に対する謎が最後まで温存されているため、先の展開が楽しみになり、どんどん読めました。
ヒーローやヒロインには、特別強力な武器があるわけではないのですが、その武器の使い方と組み合わせ方で様々なバリエーションを見せた攻撃には感心しました。

以上は、30巻あたりまでの感想でしたが、最終巻までの大団円までは魅せてくれました。女性作家らしく、テーマは家族愛として、うまくまとめてくれました。
長短いろいろ申しましたが、総じて満足ができる作品かと思います。

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[投稿:2016-11-27 17:12:20] [修正:2016-11-27 17:15:50]

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