「朔太」さんのページ

美しい描画と美しいお話が、1ぺージ1ページに丹念に
かつ精緻に紡がれた作品です。
ゆっくりとした時間の流れの中で、原始の時代から
人間が築き上げてきた文化の恵みを受け継ぎ、
またこれを次代に継承していく生活を感じさせてくれます。

中心となるカルルクとアミルの8歳違いの微笑ましい
夫婦のお話も面白いですが、5人の兄弟に嫁いだ未亡人
タラスとスミスのお話が一番のお気に入りになりました。
現代社会ではあり得ないですが、大人の事情に泣く
女性の物語と中央アジアの背景がマッチしています。

作者の森さんは、子供時代から中央アジアの生活や
文化に憧れがあったそうです。
それを大人になって、憧れの具現化をこんな形で
実現されているのは、素晴らしいことです。

マンガらしくない漫画ですが、底流に流れる美しさ、
憧れを読者が共有できるのは表現力が豊かな森さんの力ですね。
2014年にはマンガ大賞を受賞されていますが、
それに相応しいものだと思います。
ちなみに前年と2011年にも2位を獲得されています。

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[投稿:2020-07-16 06:11:33] [修正:2020-07-16 06:11:33]

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