「朔太」さんのページ

ジャンプ連載開始の号は1999年発刊ですが、今でもはっきり覚えています。
文明と古代がない混ぜになった独特の世界観の中で、陰影の少ない見や
すい描画が当初からオリジナリティを感じさせていました。

15年の長期連載だそうですが、連載中にストーリーを追いかけるには
読者に負担が大きい展開でしたね。
私も皆さんと同様に、中忍試験までは毎号が楽しみでHUNTERxHUNTERと
ともに、漫画というものに心を奪われました。
しかし、サスケが抜け忍になった以降は、ボリュームの大きさが辛く、
脱落してしまいました。
今回、大人買いで揃えて、一気読みをしました。
といっても全73巻700話ですから、4か月かかりましたが。

結論を言えば、名作ですね。
全巻を通して、主人公NARUTOのバリューがブレていません。
意識的に今どきの馬鹿キャラを当てはめて、周囲の人間からは落ちこぼれ
扱いされながら始まっています。
しかし、仲間に対する飢餓感が動機になって猪突猛進の性格を形成して
おり、その姿勢がNARUTOへの支持を集めていきます。
この展開はゆっくりと物語の骨格になってきており、少年誌に必要
不可欠な要素でもあります。

登場人物は多く、人間関係が極めて複雑で、穢土転生という忍術は死人を
生き返らせたりするものですから、さらに理解不能なレベルになって
しまいます。
連載中の読者は、相当コアなファンでないと、毎号の登場人物はほとんど
誰なのか分からなかったのではないでしょうか。
それでも、長期連載の中でほとんど破綻はなく、人間同士の絆を賛美する
姿勢を継続し続けた漫画として、強く心に残る作品となりました。

岸本氏には長期連載をご苦労様でしたと頭が下がります。
スピンアウト作品がその後も多数出ているようですが、岸本氏の違った
作風も読んでみたい気がしています。

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[投稿:2024-01-22 07:31:06] [修正:2024-01-22 07:35:43]

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