「朔太」さんのページ

“最上の命医”の続編ですが、命医の西條命医師はもはや
神の領域の文字通り、スーパーな活躍だけでなく、
人間性としても最上のポリシーが信条でした。
これはこれで満足できましたが、やはり人間臭さというか
弱さや欠点がないところで少年誌向けという印象も
免れませんでした。

今回の明医最上義明は、西條とは真逆のキャラクター。
“全てにいい加減が良い加減”というポリシーなので、
こんなにうまくいくわけがないと違和感満載になります。
別の意味で少年誌向けのお話という感じになっている。
しかし、相変わらず医療知識については確かな取材に
基づいた内容であり、現代の医療への問題提議も耳を
貸さないわけにはいきません。

特に、ケニア編での指導者上杉謙神の主張には、
日本のエセ民主主義やエセ人道主義を論破する迫力を
感じました。例えば、目の前の患者を救うことに奔走する
主人公たちを尻目に、“金をかけるべきは個人ではなく、
多くの命を救うためのシステムの考案である。”などは、
少年に対する本当の教育かもしれないと思った次第です。

副題から察するに、元ニートが大活躍する医者の話、
という観点が、第3巻あたりから置き去りにされてきた
ことは残念でした。

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[投稿:2016-08-02 21:06:51] [修正:2016-08-02 21:06:51]

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