「朔太」さんのページ

総レビュー数: 747レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

自身の体を改造した組織に復讐するために、暗殺稼業を
請け負いながら世の中の悪を滅していくという
二人の男女のお話です。
必殺シリーズと仮面ライダーorサイボーグ009を
連想させる内容でした。
しかも、数回ごとに読み切り形式で、分かりやすいです。

予定調和の感が否めませんが、絵も可愛らしく、
咎人会という組織の設定など、見るべきところも多く、
まあまあのテイストでした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-11-07 06:16:26] [修正:2021-11-07 06:16:26] [このレビューのURL]

ジェームズ・モリアーティ教授とは、探偵小説『シャーロック・ホームズシリーズ』に登場する架空の人物です。
21歳にして素晴らしい科学論文を書くほどの高い知的能力をもった元数学教授という表の顔と、ロンドンに暗躍する悪党一味の統領として機智を振るい、狙った獲物は必ずしとめる犯罪者という裏の顔の2つを併せ持ちます。
子供の頃、ホームズシリーズの中で、最もワクワクしたのは、モリアーティが登場する回でした。悪役なのに何故か心が躍りました。

この魅力あるキャラにフォーカスした本作品は、私と同じような思いを持った方が二次創作を思いついたのでしょう。
モラン大佐やヘルダーを部下にしたり、三兄弟を登場させたりといった設定は踏襲されているようですが、決定的な違いは容姿でしょう。
原作には爬虫類を連想させる老人とありますから、ここでの若いイケメン紳士とは180度正反対と言うことになります。

三兄弟モリアーティの悪事の動機を、貴族支配の社会を打破するという憂国の発露としており、完全悪というわけでもありません。
しかし、1巻では、親と弟と使用人を家ごと焼き殺してしまいます。
この一点だけは、その必要性と正義感の位置づけが共感できないものですから、その後いくら正義を振りかざしても、やや後を引いてしまいます。

基本は、姿を隠しながら、目的を達成するための手段の狡猾かを楽しむのがキモです。
この点は、十分エンターテイメント性がある作品でした。4巻まで。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-11-03 04:04:38] [修正:2021-11-03 04:04:38] [このレビューのURL]

古谷実氏の1993年「稲中卓球部」で、独特のギャグに魅せられて後、
「僕といっしょ」では新風溢れる新しいギャグ漫画が生まれたものと感じました。
人生の底辺にある主人公がくりなすペーソス豊かなギャグ漫画。

しかし、以降、「グリーンヒル」、「ヒミズ」、「シガテラ」、「わにとかげぎす」と、
何も持たない20代の若者を主人公とし、将来に希望が持てない閉塞感と
焦燥を背景に、狂気や宗教、混乱、場合によれば殺人へと発展する展開は
常に共通しています。
ギャグマンガからシリアス路線に転換しつつ、話の展開はほとんど同じ
という類似作品が続きました。
それなりに楽しめるのですが、さすがに同じような話が続くので、
ここでのレビュー評価も、「稲中卓球部」以来
7.53→7.16→6.12→6.8→6.69→6.5→6.57と右肩下がりで低下していきます。
しかし、社会的な問題提議とインパクトがありますので、20年もの間、
それなりに一定の支持が得られたものと思われます。
要するに、本作品も同じ路線の同じ展開ですが、一定のファンに
支えられた感が致します。
私も、その中の一人だったということです。

本作品に限った特徴を言えば、これまでになく絶望の境地にあった
青年が冒頭から登場します。
この青年の精神状態と行動を主軸にしながらも、高校の同級生たち
との絡みで別のドラマを二つ三つ並行させます。
とはいえ、そのドラマはこれまで通りのものを踏襲していますが。
結局、最初から最後まで、狂気をはらんだ青年の異常性を示しながら、
「君にも彼の狂気は理解できるでしょ?ひょっとしたら、君が
彼なのかもね」と問いかけているかのようです。

古谷氏のこの大いなるマンネリパターンは、二つの類型があります。
一つは、常に誰かを守るためだけに生きることを渇望しつつ、
それすら叶わない不幸です。
何も持たない人間に魅力を感じてくれる異性など、本当は世の中には皆無です。
しかし、古谷氏は、この種の不幸には必ず、変人の美女を登場させて
ハッピーエンドを迎えさせます。
そんな現実はほとんどないのにも関わらず。

二つ目は、本作品の主軸でもある生きることに意味を持たない不幸です。
このタイプには、古谷氏は救いを与えません。
与えないというより解決策が見当たらないということでしょうか。

古谷氏のライフワークともいえる同一のテーマに沿った作品群を飽きずに
追いかけた私も、同じような理不尽さや苦しさを全ての人間は実は
感じ取っていて、こうなりたくないと思いつつ生きているのだと考えるのです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-10-30 18:08:43] [修正:2021-10-30 18:11:29] [このレビューのURL]

恋愛もの、特に女性作家が描く恋愛小説が苦手な私
ですが、これには嵌まってしまいました。
全5巻を2日で読んでしまう自分が意外でした。

三十路の二枚目という設定の関根君ですが、
既存の価値観には迎合していないモテ男でした。
その上、生徒会長でスポーツ万能のキャプテン、
女性には言い寄ったこともなく、去る者も追わず、
自主性を捨てています。
羨ましいばかりの関根君がする恋とは、どんなものなのか。
良かったです。
似合いの恋を否定しているところも良かったです。
如月皿さんが、最終回でのセリフ「次に見つけた関根さんの
恋は、きっと全力で協力しようって何でか思っていたんです」
に、関根君が眉間を寄せて涙を一筋流すシーンが最高です。

ぜひ、映像化したものも見てみたい気がします。
なかなかの秀作でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-10-27 08:55:44] [修正:2021-10-27 08:55:44] [このレビューのURL]

4点 ULTRAMAN

40年ぶりに現れたウルトラマンというファンには
堪らない垂涎の設定にも関わらず、一向に盛り
上がってきません。
宇宙からの異星人もいろいろな役割で登場しますが、
どれが味方か敵なのか謎を含みつつ展開が進みます。

しかし、ネタが小さい。
SNSでウルトラマンを支持するアイドルの悪口を
言った連中を狙って連続殺人が起こるって、
ウルトラマンの出番かよって感じです。
小さな小さな謎と事件を宇宙から来た異星人たちと
ウルトラマンが小競り合いを起こすお話と理解できた
5巻で撤退を致します。
累計300万部発行された人気漫画らしいのですが、
私には合いませんでした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-10-23 10:33:34] [修正:2021-10-23 10:33:34] [このレビューのURL]

雰囲気を楽しむ漫画。
急いで、ページをめくってはいけない。
次にどうなるのだろうと、期待をしてはいけない。
時には、行ったり来たりして読むべし。
場合によれば、最初まで戻って読み直すのも良い。
読み終わった後には、江豆町の住民になっている。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-10-18 09:20:48] [修正:2021-10-18 09:20:48] [このレビューのURL]

体操競技をスポーツ少年漫画にするのは難しかったと
思いますが、なかなかの出来でした。
長期連載になったのも頷けます。

通常のスポーツ漫画との決定的な差は、主人公藤巻駿と
平成学園の仲間たちには、ライバルたちに絶対勝ちたい
という闘争心がほとんどないところです。
原作者の森末氏のポリシーのせいなのか、体操競技と
いうものがそうなのか、ライバルたちに勝つことよりも、
体操の技を極めたいという気持ちが全面に出てきます。
それは、全巻でスローガンになっていますが、
「楽しい体操」という言葉で表現されます。
やや、陳腐なコピーですが、何度も繰り返し使われ
ますので、強い信念のように伝わってきました。

オリンピックが目標ですから、そこに繋がるプロセスが
面白いところです。
しかし、インターハイを捨てて、アジア大会選考大会に
高校全体で出場を決めるなどというのは、納得性が
低く分かりにくかったですね。
全体に技の習得に必要な努力の表現が少なく、体操を
始めて1年未満の運動オンチの中学一年生が、大車輪を
簡単にできるようになっているのも納得性がゼロでした。
誰もかれもがオリンピック代表選考会に出られるまでに
成長するのは、あり得ないでしょう。

また、恋愛模様や友情や嫉妬もドラマとして絡められる
のですが、全体的に幼稚で要らないかなと思う要素が
多いのが、少し難でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-10-14 08:42:33] [修正:2021-10-14 08:42:33] [このレビューのURL]

昭和の竹久夢二のごとく上村一夫の美しい女性画と
もの悲しい心情が映える作品です。
愛だけが生きている根拠でしかなく、それすらも
男女の感情の揺れ、将来への不安でいっぱいになります。
美しいといえば美しい、若さが痛々しいといえば痛々しい。
同棲というテーマを上村一夫の美的感覚で昇華させており、
見事な文芸作品に仕上がっております。
ところどころに挿入される誌も素晴らしい。

上村氏は月産400枚の売れっ子作家だったためか、
45歳で早世されています。
この辺りも大正ロマンを連想させる所以かと思います。
1970年代に素晴らしい才能が存在したことを記憶に留めたいと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-10-10 07:55:17] [修正:2021-10-10 07:55:17] [このレビューのURL]

不良高校生を題材にしたコミカルな漫画は、青年誌の中で常在しています。
一定のニーズがいつの時代にも存在するからでしょう。
そのため、先駆者が多く、真似っこした作品も多いです。

この作品が17年続いた理由は、青年誌に常在化されたヤンキー漫画を
焼き直して描いてくれる作家さんが枯渇したためと思われます。
だって、先人たちにたいてい書き尽くされていますからね。
そのせいか、この作品のギャグの質が相当低い。
読んでいて、これは売れない少年誌かと思いました。
ほとんどが下ネタ、女性関係です。

読者の青年層を見下した感があります。
もう少し捻れないものかというところですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-10-06 04:11:53] [修正:2021-10-06 04:11:53] [このレビューのURL]

アクションシーンが基本的に売りです。
しかし、ストーリー自体は、極めて退屈です。
台詞回しの気が利いている一面はありますが、多過ぎて頭に入りません。
人を選ぶ漫画でした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2021-10-02 03:28:13] [修正:2021-10-02 03:28:13] [このレビューのURL]

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