「朔太」さんのページ

総レビュー数: 819レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

5点 辻占売

この世に未練を残したままの魂を浄化する話がほとんどでしたね。
そこに悔恨や無駄な恨みを絡めて、穏やかに諭してくれるようなお話です。
女性作家ならではの優しいタッチで物語が進みますので、
癒される方も多いでしょう。
1日1話ずつ読み進めるような作品でした。

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[投稿:2022-04-19 07:44:53] [修正:2022-04-19 07:44:53] [このレビューのURL]

フェティッシュだけど「すけべ」(紹介文より)ではないと思う。
作者も周辺の見知らぬJKや若い女性たちを眺めながら、
可愛いと心底感じるらしい。
男性はもちろんそんな気持ちになっていることは想像できたが、
女性もそんな気持ちになるらしい。
微かなエロスはあるけど、それは女性の体が本来的に持つものと気づいた。

この作品は何だか気に入っています。
この手の作品って、作者が自分に酔っていたり、
独りよがりっぽかったりすることも多いのですが、
こちらはそうではありませんでした。
一話読み終えるたびに、微笑しながら鼻歌が出る感覚です。
絵柄もシンプルで女性特有の柔らかさが出ていて、好みでした。

意外な掘り出し物でした。

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[投稿:2022-04-09 11:19:42] [修正:2022-04-09 11:19:42] [このレビューのURL]

6点 ヘヴィ

ヘヴィ級世界チャンピョンを目指す青年の物語です。
主人公は日本人ですが、NY貧民街育ちですから、
アメリカンドリームの再現のような展開、
いわば漫画版ロッキーでしょうか。
登場する人物たちには全員、悲惨な過去があって、
そのトラウマにとらわれています。
これは、村上氏の作品作りの特徴ですね。

ボクシングの方は、とても勝てそうにない難敵が二人登場します。
この二人をいかに撃破するかが興味をそそります。
意外だったのは、ヒルトンとの戦いですね。
ここは、上手い決着を考えたものです。

少し古い作品ですが、古さをあまり感じさせません。
8巻を一気読みしました。

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[投稿:2022-04-05 09:05:55] [修正:2022-04-05 09:05:55] [このレビューのURL]

「一平」を連載していた頃に比べて、太田垣氏の画力が一段と増している。
成熟したガンダムとして、あるいは宇宙戦記の進化形として、
大人にも鑑賞に堪えるレベルだ。
特に、戦争ものにつきまとう戦争の是非に関する葛藤や罪悪感の
ような感傷は、主人公二人からは排除されているのがスゴイ。
相当ドライな仕上げになっている。

まだまだ連載が継続中だが、ライフワークになりそうな感じだ。

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[投稿:2022-04-02 10:08:53] [修正:2022-04-02 10:08:53] [このレビューのURL]

帯に「日本漫画史に残る奇才、三山のぼる。
最後のメッセージ」とあったため、これは是非に読まねばと思った次第。

当方の無知のせいか、さほど名を遺したような気がしないが、
一部のコアなファンが存在したのは確からしい。
あとがきには原作者の嶋本周氏の、途中には関係者や同業漫画家たちの
追悼文も寄せられており、51歳急逝時には大変な衝撃があったことと
想像できる。

「ファウストの天使」は後の「ファウストの女神」の原型が残る。
個人的には「薫ゆる秋」が良作と感じた。
目標を見失った中年男女のよくある話といえばそうだが、倦怠感が
よく表現できており、最近この種の文芸的漫画は見当たらない。

読んで損はなかったと思う。

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[投稿:2022-03-31 08:49:20] [修正:2022-03-31 08:49:20] [このレビューのURL]

Jリーグ草創期には、日本人にはWカップはまだまだ手の
届かない夢の舞台だった時代です。
ドーハの悲劇もJリーグの開幕も1993年で、本作品も
同年に連載開始なんですね。
したがって、Wカップ出場が悲願の目標になっていて、
選手たちも世界との差を痛感していて、とても謙虚です。

ネタバレになりそうですが、最終話近くでは、ドーハの
悲劇をなぞらえた展開も出てきます。
そういう意味で、少年誌らしからぬ大人テイストな落ち
着きを感じます。

現在のサッカー漫画が乱立する中では、あまりエキサイ
ティングな展開はありませんが、一定の評価ができます。
ただし、描画が躍動的でなく、プレー特に連携の形や戦術が
分かりにくく、ほとんど台詞回しで説明されるのが難です。
現在の高度化したサッカー漫画との比較で見ると、やや厳しい印象です。

1993年というメモリアルな年に、描かれたメモリアルな
サッカー漫画ということでは、名を遺すでしょう。

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[投稿:2022-03-27 17:50:15] [修正:2022-03-27 17:50:15] [このレビューのURL]

昨日まで知らなかった街を数時間歩くだけで、
愛着を持ってしまう感じは、よく分かります。
毎回驚くようなエピソードが出てくるはずもない
ので、淡々とした味わいに終始しましたが、
ゆるーい紀行文のごとく楽しめました。

この企画は長く続くわけもないので、12話で
終了しましたが、中身は結構濃厚です。
忘れた頃に再開するのも、アリかもです。

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[投稿:2022-02-28 07:45:28] [修正:2022-02-28 07:45:28] [このレビューのURL]

古典的な匂いのする初期のSFもの。
同人誌作家さんが志向するベクトルと同じものを感じる。
現代的なエンターテイメントとは真逆の方向にあるが、
これが堪らないと思うファンもいるだろう。

また細ペンだけで描かれた細密画のような緻密な画風にも、
郷愁を感じる向きも多いだろう。
現代に蘇る昭和初期の作風といった作品だった。

一握りのコアなファン層が獲得できれば、良いという潔さが感じられる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-02-23 11:24:53] [修正:2022-02-23 11:24:53] [このレビューのURL]

松本次郎という作家に興味を持ったので、読んでみました。
松本大洋と同世代であり、かつ画風も大洋ほどエキセントリック
ではありませんが、名前と同様にやや類似性を感じます。

戦時下での三人の男女の青春大河ドラマという触れ込みで、
屈辱にまみれた悲惨さが先行します。
本作品は一編の映画のようなドラマを見せていますが、
娯楽性に乏しく商業的には成功はしていません。
「僕らはどこで間違えたのだろう?」というセリフが印象的です。

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[投稿:2022-02-18 08:52:20] [修正:2022-02-18 08:52:20] [このレビューのURL]

賭けごとの勝負師が主題の作品は数々ありますが、
多くは複雑なルールの中でいかに勝利の根拠を
英知で探り出すかが、興味を引きます。

本作品は、その点が弱く、ひたすら主人公の少年の
勝負への信念だけが頼りです。
対比的に確率論で勝利を導きたい相棒が出てきますが、
こちらの方が明らかに合理的なのに、
強引に主人公の勝利を導いてしまいます。
こうなると、やたらと強運の持ち主の少年の話で
あって、そんな馬鹿なとなります。
リスクを考えない荒唐無稽な少年向き作品は、
知的満足度の低いものとなりました。

また、私は絵の上手い下手はあまり拘りのない方ですが、
最近では見かけないレベルの描画スキルです。
人物は正面顔が多く、商業漫画のレベルを大きく下回っています。
この作品以降、あまり作品を出されておらず、
自身は描画を止めて原作者に転向されたのではないか、と想像しています。

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[投稿:2022-02-11 10:05:40] [修正:2022-02-11 10:05:40] [このレビューのURL]

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