「朔太」さんのページ

総レビュー数: 744レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

恋を科学すると言いながら、登場するドラマはいずれも
ステレオタイプのありきたりのものばかりで、興味を誘うものはありません。

しかし、7巻の最終巻までついに完読させられました。
最大の魅力は絵の画力でしょうか。
女性の美しさ、可愛らしさをいかんなく表現されていると思います。

7巻という丁度よい長さで終えることができたと思います。

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[投稿:2022-01-13 10:44:18] [修正:2022-01-13 10:44:18] [このレビューのURL]

最終巻あとがきに、作者の制作経緯が述べられており、
お台場から新宿まで防災マップを片手に脚本を練ったようだ。
国とか専門家、評論家の類の登場はなく、「帰宅困難者の
七日間」に焦点を絞ったそうだ。
その意気込みは良しなのだが、地震災害に遭遇した
サバイバル物語にしては、想像力の偏りを感じた。

災害被害は時間とともに内容が変化していくはずで、
レイプや暴動、宗教布教など偏った外部との遮断状況
事例の列挙とそのくせ、制服警官が警備に当たったり
悪党たちだけは衣食住に困ってないとか、
いろいろな前提が狂っている感じがした。
情報遮断の上、作者だけが知り得る外部設定をしっかり
確定(例えば、日本沈没のごとく、日本列島全体の
危機なのか、関東一円だけの被害なのか)した上でないと、
ちょっと違うのではと違和感を感じまくる展開だ。
圧倒的な絶望で言えば、「日本沈没」、「ドラゴンヘッド」
の方が読み応えがあった。
細かな点で指摘すると、時間経過に誤りがあったり、
「守る方法」どころか主人公が度々お荷物状態になって
たりで看板の掛け違いもある。

過去に扱い尽くされた感のあるテーマなので、慎重に
シナリオを練った上で進めて欲しいところだった。

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[投稿:2022-01-08 09:05:15] [修正:2022-01-08 09:05:15] [このレビューのURL]

7点 男麺

土山氏は晩年、B級グルメ漫画の集大成のような作品を
いくつか出されています。
この作品もその中の一つで、麺類が作る小さなストーリーの
6話仕立てです。
そば、うどん、盛岡冷麺と沖縄そば、名古屋麺、ラーメン、
やきそばとそれぞれへの小さな思いを綴られています。
特に大層な能書きを垂れてアピールするラーメンに
対しては、若い女性の口を通して、馬鹿馬鹿しさを
笑い飛ばさせています。

何だか、土山氏の麺類に対する愛情が感じられる良作でした。

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[投稿:2022-01-04 09:16:05] [修正:2022-01-04 09:16:05] [このレビューのURL]

一目ぼれ同士の18歳と16歳の若い新婚カップルのお話です。
唐突な出会いで唐突な恋らしきものが始まるのですが、
意外と違和感がないですね。

表題の通り、トニカクカワイイから納得性が高いです。
ヒロインの司が文字通りの可愛いだけのブリブリではなくて、
男性ぶったり、恥じらいをほのかに漂わす感じがよろしい。
青年誌でしたら、新婚ものと言えば、中心は必ず性生活に
焦点があってしまいます。
生活の中心が性であって、幸せや充実感は性生活を経由して
獲得する話になりがちです。
しかし、少年誌ですからそういうわけにはいかない。
では、嘘っぽくって幼い少女漫画のようになるかというと、
そんなことはない。
生活用品を買い揃えたり、食生活を切り詰めたり、
両親への挨拶を進めたりと、結構キチンとした、
むしろリアルな大人びたイベントが続きます。

リアルで地味な生活感がいっぱいなんですが、主人公が
可愛いお嫁さんを前に、本当に幸せ感のオーラを出します。
それを嬉しいと言葉には出さないけれども、一層可愛くなる
お嫁さんといった展開です。

少年たちは、この漫画を読んで、将来は自分も可愛い
お嫁さんをもらうぞ、ときっと誓うことでしょう。
良作だと思います。

追記 少しだけ先読みした所、ちょっとSFぽい展開が
待ってそうです。それはどうかなと心配にもなっています。

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[投稿:2021-12-31 09:15:19] [修正:2021-12-31 09:15:19] [このレビューのURL]

陰陽師を主題にした以上は、呪文や呪符と霊能力で穢れを
祓うべきだと思うのですが、ここでは呪力というものを
持ち出して、戦闘バトルゲームのごとく、パワー、
エネルギー勝負の力技のバトルで勝ち負けを決めてしまいます。

出て来る題材は、全てどこかで見たり読んだりの既視感がたっぷりです。
オリジナリティと言えば、男女のペアで戦う陰陽師コンビが
十代の許婚夫婦であるということぐらいでしょうか。
7巻まで読みましたが、撤退致します。

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[投稿:2021-12-28 08:38:16] [修正:2021-12-28 08:38:16] [このレビューのURL]

怪しと同居する古本屋ののんびりとした日常の描写を
当初は目指したものと思われます。
というのもタイトルに日記がついていますからね。
なるほど最初の内は、そんなスローな日常だったように
思うのですが、次第に怪しを取り締まる側の役人との
攻防になってくると、少し内容に変化が現れて、つまらなくなってきました。
少年誌じゃないんだから、そこは要らない感じがしましたね。

主人公の生い立ちに関する謎も、もう一つの切り口では
ありましたが、それも底が浅いというか、想定範囲内で
興味をそそりません。
絵は可愛く読みやすいのですが、典型的な竜頭蛇尾の作品でした。
7巻まで。

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[投稿:2021-12-25 08:54:26] [修正:2021-12-25 08:54:26] [このレビューのURL]

漫画家として内なる悩みに焦点を合わせて、自虐的に
読者に共感を求める姿勢は、私小説を売りにする
明治の文豪を連想させます。

読者がエンターテイメントを求めているのに、
知ってか知らずか、テーマを最も自身に近い内面に
求めるなど、今日では商業作家ではあり得ません。
でも、読者が永島氏の時代背景や個性を理解し、
許容するなら、本作品は輝いて見えるはずです。

漫画黎明期の作品ですので、物語に古臭さを感じて
しまうのは止むをえません。
しかし、永島慎二という名前は、手塚治虫と並んで
漫画史のレジェンドだそうです。
現代の世界に冠たる日本のアニメ、漫画という
サブカルチャの礎に貢献頂いた先達たちに感謝です。

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[投稿:2021-12-21 08:29:09] [修正:2021-12-21 08:29:09] [このレビューのURL]

松本氏の作品は奇人を登場させて、何か意味ありげに奇行をさせて、
哲学的な作風に仕上げるのが定番だが、今回は違った。
したがって、読みやすく、いつもより分かりやすい展開だ。
細ペンで描画するエッチングのような独特のタッチの絵も迫力がある。

しかし、映画版を先に見てしまったせいで、ストーリーが陳腐に感じた。
終わってみれば予定調和というか、これ以外の結末はないように思えた。
世間の評価が高過ぎて、理由が理解できない作品でもある。

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[投稿:2021-12-18 09:00:59] [修正:2021-12-18 09:00:59] [このレビューのURL]

DIYに関する知識が売りの漫画でした。

本質的には東京の生活に疲れた25歳の女性の
長野県上田市への移住生活がメインテーマですね。
確かに本編のように優しく親切な同じ世代の若者が
いてくれれば、移住も正解なんでしょう。
とても癒される気持ちが理解できます。

しかし、現実はこうではないとの話もよく見聞きしますので、
厳しい現実も突きつけていれば、バランスが良い作品に
なったように思います。

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[投稿:2021-12-16 05:07:41] [修正:2021-12-16 05:07:41] [このレビューのURL]

仕事を中心に考える二人の女性は、柴門ふみ版の
バージョンであって、こんな奴は現実にいない。
柴門ふみの作る女性像は、結局恋愛したがり症候群に
かかっている。
ミキという女性は、最初から仕事なんかするつもりはなく、
これを主人公の対極の女性にしているつもりなのだが、
対極になっていない。
主人公の太田夏子も野島ことりも、男性から見れば
同類の女性ではないか。

本当のビジネスパーソンは、こんな恋愛したがりでは通用しない。
男性依存を女性が自ら認知し、しかも周囲に優しく自分を
見守る男で固めておく。
そんな便利な男など、柴門ふみの妄想が作る幻想でしかない。
男も身勝手であるが、柴門ふみの作る妄想世界に出てくる
女性は、それ以上に身勝手に振る舞い、都合よく幸せになっていく。
女性の現実はもっと厳しく、もっと多くの敵と戦っているのに。

柴門さんが若い頃の作品では、もっと女性が傷つき
勇ましく葛藤していたような気がする。
劣化を感じる。残念である。

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[投稿:2021-12-12 08:45:40] [修正:2021-12-12 08:45:40] [このレビューのURL]

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