「朔太」さんのページ

総レビュー数: 744レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

自然発火の火災というより、放火による火災事故(赤猫)を
中心に事件が起こる物語です。
炎使いと呼ばれる謎の人物は、火災に関する造詣が深く、
主人公ナナセをバックアップしているような敵対して
いるような、それこそ謎めいており、ここのところが
読者の関心を引っ張り続けます。

火災に関する薀蓄は、多分ですが、ほとんどの読者は
スルーしている気がします。
一見、理屈で説得しているように見せかけて、大事な
ところは漫画だからと言ってあやふやにしている気がしますね。
まあ、読者もそこは突っ込むほど熱意も持てないでしょうが。

面白いか問われれば、褒めるほどでもないけど、暇潰し程度にはなるかと。

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[投稿:2022-07-20 07:48:49] [修正:2022-07-20 07:48:49] [このレビューのURL]

4点 8月の光

奇才新井英樹氏のデビュー作品ということで、
ファンである私は探しだして読みました。
作品としての出来不出来を論じるべきではなく、
新井英樹氏の原点が確かにあったことに満足しました。

デビュー当時から新井氏が描きたい世界、感情、人生は、
すでにここにあったわけです。

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[投稿:2022-04-24 11:49:41] [修正:2022-04-24 11:49:41] [このレビューのURL]

賭けごとの勝負師が主題の作品は数々ありますが、
多くは複雑なルールの中でいかに勝利の根拠を
英知で探り出すかが、興味を引きます。

本作品は、その点が弱く、ひたすら主人公の少年の
勝負への信念だけが頼りです。
対比的に確率論で勝利を導きたい相棒が出てきますが、
こちらの方が明らかに合理的なのに、
強引に主人公の勝利を導いてしまいます。
こうなると、やたらと強運の持ち主の少年の話で
あって、そんな馬鹿なとなります。
リスクを考えない荒唐無稽な少年向き作品は、
知的満足度の低いものとなりました。

また、私は絵の上手い下手はあまり拘りのない方ですが、
最近では見かけないレベルの描画スキルです。
人物は正面顔が多く、商業漫画のレベルを大きく下回っています。
この作品以降、あまり作品を出されておらず、
自身は描画を止めて原作者に転向されたのではないか、と想像しています。

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[投稿:2022-02-11 10:05:40] [修正:2022-02-11 10:05:40] [このレビューのURL]

最終話まで読んで、やっと作者の意図が理解できました。
最終話を描きたくて、この作品を始めたことを。
モチーフは最終話にあったのだと理解します。

しかし、そこに至る20話のお話が冗長で、表題の
メロドラマを感じさせる熱愛を感じません。
伯爵令嬢と出奔した10代から30歳過ぎまで恋仲にならない
熱愛など、とても理解できません。
それに反して、最終話での突然の盛り上がりは、ご都合主義です。

主題の恋愛については消化不良極まりないですが、
1900年初頭のフランス・巴里の絢爛さを表現する
画力には魅入られました。
村上氏は大正時代が似合う作家さんですね。


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[投稿:2022-02-08 08:47:15] [修正:2022-02-08 08:47:15] [このレビューのURL]

八重山諸島の実在のいくつかの島をモデルにした羽照那島は、
都会疲れした人間たちには、天国のような島です。
ここで繰り広がれる人間ドラマは、・・・と期待しましたが、
ヒュウマンな要素は少なく、シナリオ展開の面白さはほとんどありません。

うめ氏の大東京トイボックスでも共通する感想ですが、
今どきのドライな人間描写が多く、ドラマ性に欠ける面が残念です。
しかし、絵はしっかりとした描画力の上、作者の体験を含めた
きっちりとした取材の跡が感じられます。
作者うめ氏の南国愛に溢れた作品でした。

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[投稿:2022-02-05 09:29:32] [修正:2022-02-05 09:29:32] [このレビューのURL]

設定の面白さに引き込まれて、読んでみました。
ですが、魅力的な設定がいつまでも生きてこないんですね。
最終話まで読んでみて分かるのですが、アナーキズムの
讃美あるいは日本的革命の渇望を裏側に秘めて、
笑い飛ばそうと試みたようです。

しかし、途中ではその意図は図りかね、資本主義の
究極の見苦しさを描きたいのか、
滑稽コメディをやりたいのか。
絵柄からはシリアス路線とは思えず、ギャグが
出てくることを期待するのですが、笑える場面が
全く出てきません。

企画倒れの尻すぼみ感たっぷりの残念な漫画でした。

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[投稿:2022-01-18 09:03:24] [修正:2022-01-18 09:03:24] [このレビューのURL]

恋を科学すると言いながら、登場するドラマはいずれも
ステレオタイプのありきたりのものばかりで、興味を誘うものはありません。

しかし、7巻の最終巻までついに完読させられました。
最大の魅力は絵の画力でしょうか。
女性の美しさ、可愛らしさをいかんなく表現されていると思います。

7巻という丁度よい長さで終えることができたと思います。

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[投稿:2022-01-13 10:44:18] [修正:2022-01-13 10:44:18] [このレビューのURL]

陰陽師を主題にした以上は、呪文や呪符と霊能力で穢れを
祓うべきだと思うのですが、ここでは呪力というものを
持ち出して、戦闘バトルゲームのごとく、パワー、
エネルギー勝負の力技のバトルで勝ち負けを決めてしまいます。

出て来る題材は、全てどこかで見たり読んだりの既視感がたっぷりです。
オリジナリティと言えば、男女のペアで戦う陰陽師コンビが
十代の許婚夫婦であるということぐらいでしょうか。
7巻まで読みましたが、撤退致します。

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[投稿:2021-12-28 08:38:16] [修正:2021-12-28 08:38:16] [このレビューのURL]

怪しと同居する古本屋ののんびりとした日常の描写を
当初は目指したものと思われます。
というのもタイトルに日記がついていますからね。
なるほど最初の内は、そんなスローな日常だったように
思うのですが、次第に怪しを取り締まる側の役人との
攻防になってくると、少し内容に変化が現れて、つまらなくなってきました。
少年誌じゃないんだから、そこは要らない感じがしましたね。

主人公の生い立ちに関する謎も、もう一つの切り口では
ありましたが、それも底が浅いというか、想定範囲内で
興味をそそりません。
絵は可愛く読みやすいのですが、典型的な竜頭蛇尾の作品でした。
7巻まで。

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[投稿:2021-12-25 08:54:26] [修正:2021-12-25 08:54:26] [このレビューのURL]

漫画家として内なる悩みに焦点を合わせて、自虐的に
読者に共感を求める姿勢は、私小説を売りにする
明治の文豪を連想させます。

読者がエンターテイメントを求めているのに、
知ってか知らずか、テーマを最も自身に近い内面に
求めるなど、今日では商業作家ではあり得ません。
でも、読者が永島氏の時代背景や個性を理解し、
許容するなら、本作品は輝いて見えるはずです。

漫画黎明期の作品ですので、物語に古臭さを感じて
しまうのは止むをえません。
しかし、永島慎二という名前は、手塚治虫と並んで
漫画史のレジェンドだそうです。
現代の世界に冠たる日本のアニメ、漫画という
サブカルチャの礎に貢献頂いた先達たちに感謝です。

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[投稿:2021-12-21 08:29:09] [修正:2021-12-21 08:29:09] [このレビューのURL]

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