「朔太」さんのページ

総レビュー数: 820レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

手塚と同世代だが、6歳年下でわずかに遅れてデビュー。
世に横山光輝の名を覚えせしめたのは、いわずとしれた
鉄人28号だが、残念ながらそれを目にしたのは漫画では
なく、TVアニメだったというのが多くの子供だったはず
である。「敵に渡すな、大事なリモコン。」という
フレーズは、浦沢直樹の名作「20世紀少年」にも引用され、
大きな影響を与えている。

伊賀の影丸は、その5年後、少年サンデーの看板タイトル
として連載されるやいなや、新時代のマンガとして世に
受け入れられる。それ以前は、手塚や藤子、石森らの
漫画創生期からの脱皮の時代であった。

そこに登場した横山光輝は、絵は上手いし、登場人物に
エッジは効いているし、忍者といういわば超能力者の
走りである役者を揃えて、完全なストーリを携えてきた。

今でこそバトル形式の勝ち上がり戦を描く漫画などは、
掃いて捨てるほどあるし、何かのパクリと言われる始末
だが、伊賀の影丸では、例えば伊賀忍群vs甲賀七人衆
といった形式で、複数対複数の争いだが、個々の戦い
ごとに駒取りを仕掛けていく対決方法を設定した。
これは伊賀の影丸以前には前例がない。
(鉄腕アトムにも一部同じ仕掛けがあるが、わずかに
後ではないか)

忍術合戦は、いつの時代も子供をわくわくさせ、鍛錬
さえ怠らなければ、いつか自分にも可能性があるのでは
ないかと夢を見させる。その系譜はNARUTOにも引き継が
れており、現代のメガヒットに繋がったと解釈できる。

伊賀の影丸は、20世紀少年の記憶にいつまでも残り
続ける遺産の一つである。

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[投稿:2016-08-18 09:59:04] [修正:2016-08-18 09:59:04] [このレビューのURL]

8点 三国志

諸葛亮孔明をはじめとする曹操、劉備玄徳らの傑出した
人間集団の紡ぐ歴史劇は、いつの時代にも喝采を持って
民衆に受け入れられてきました。
蜀を正統・善玉として娯楽性を追求した「三国志演義」を
ベースに、本作は展開されています。

娯楽性があると言っても、史実が根幹にあるので、
ふっと冷酷な現実に戻される瞬間もありますが、横山光輝は
その部分も省略しないところは有り難いと思います。

「赤壁の戦い」等の史実、「三顧の礼」や「泣いて馬謖を
切る」などの故事を一般常識として学べる漫画としては、
一般日本人への貢献は大変高いと言えます。

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[投稿:2016-08-16 17:28:44] [修正:2016-08-16 17:28:44] [このレビューのURL]

長期連載中ということで、コアな読者もおられるのでしょうね。
超能力が解明された街、学園都市といった設定までは、興味を
そそりましたが、それ以外は特段の触手も伸びず、残念ながら
私には合わないと3巻までで結論づけました。

その原因はと考えてみますと、
?主人公上条当麻への感情移入ができません。
 理不尽な運命の下、インデックスや一方通行との関わりが
 出来てしまうのだけど、戦いや葛藤の理由、行動目的が
 共感できません。
?ロリコン志向がところどころで顔を出します。
 といったところでしょうか。

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[投稿:2016-08-11 23:46:37] [修正:2016-08-11 23:46:37] [このレビューのURL]

カズフサの部屋の押し入れに、チンマリ納まるラブやんは、
カズフサのような人種にとっては、文字通り天使のような
存在ですよね。肝心のカズフサはロリのため、触手が
伸びないことが原因で、幸か不幸か二人の友情を
育むことになるわけですが。

ロリ・オタ・プーの3拍子揃ったカズフサ登場で、
すっかり嫌悪感から始まった連載ですが、主な舞台が
ほとんどカズフサの部屋で終始しながらも、結局15年の
長期連載になった珍しいギャグマンガです。

下劣な人種のオンパレードではありますが、一定の距離を
おきつつ理解と同調の日々で同居生活を送るラブやん。
長期連載の間に、次第に関係性が熟年夫婦のように
明らかに変化していく様がかえって安心させてくれました。
カズフサも途中からはいつの間にか、フサやんと
呼ばれていることに気付きましたか?

下ネタというより、童貞ネタ満載ではありますが、
さらりと受け流すどころか、その上に盛ってくる
普通の女の子の対応が魅力に思えます。
嫌いじゃないっす。

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[投稿:2016-08-06 15:55:53] [修正:2016-08-06 15:55:53] [このレビューのURL]

“最上の命医”の続編ですが、命医の西條命医師はもはや
神の領域の文字通り、スーパーな活躍だけでなく、
人間性としても最上のポリシーが信条でした。
これはこれで満足できましたが、やはり人間臭さというか
弱さや欠点がないところで少年誌向けという印象も
免れませんでした。

今回の明医最上義明は、西條とは真逆のキャラクター。
“全てにいい加減が良い加減”というポリシーなので、
こんなにうまくいくわけがないと違和感満載になります。
別の意味で少年誌向けのお話という感じになっている。
しかし、相変わらず医療知識については確かな取材に
基づいた内容であり、現代の医療への問題提議も耳を
貸さないわけにはいきません。

特に、ケニア編での指導者上杉謙神の主張には、
日本のエセ民主主義やエセ人道主義を論破する迫力を
感じました。例えば、目の前の患者を救うことに奔走する
主人公たちを尻目に、“金をかけるべきは個人ではなく、
多くの命を救うためのシステムの考案である。”などは、
少年に対する本当の教育かもしれないと思った次第です。

副題から察するに、元ニートが大活躍する医者の話、
という観点が、第3巻あたりから置き去りにされてきた
ことは残念でした。

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[投稿:2016-08-02 21:06:51] [修正:2016-08-02 21:06:51] [このレビューのURL]

面白かったです。
久々に良質な漫画と巡り会えた感じがする良作です。

風土記という表題から想像してしまう展開を、
冒頭から最終話まで良い意味で裏切り続けました。
新展開への切り替えは早く、登場人物が次々と
新しい謎を提供していきます。
混迷する謎は、次への期待を増幅し、
一気に読ませてくれました。

最終局面から冒頭あたりの設定を振り返りますと、
仕掛けの巧妙さに唸ってしまいました。
中々の仕掛けが満載なので、長期連載を覚悟するので
あれば、話は倍に膨れ上がらせることもできた
でしょうね。

しかし、本作品がデビュー作品とのことで、
丁度良い加減の長さでスピード感たっぷりに
連載を終えることができました。
画はまだまだ上手くなると思います。
次回作品にも期待致します。

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[投稿:2016-07-31 18:33:19] [修正:2016-07-31 18:33:19] [このレビューのURL]

悪魔である彼の職業は弁護士です。
地獄に落ちる前の罪人の無罪を証明する弁護士です。
優しさ故に魔界から追放された孤独な魔界の王の息子
である悪魔です。
最初の設定により、タイトルが決まったのでしょうが、
3人ほど罪人を救うお話の後は、弁護士としての仕事は
出てきません。最初の2巻ほどで終わってしまいます。
それもそのはず、弁護士というのは自分が魔界に帰る
ためのエネルギーを蓄えるためですから、
いわばアルバイト。
他の方法で目的が達成できるなら、アルバイト終了、
という何とも情けない展開です。

そもそも悪魔という存在をしっかり考察していない
せいか、人以上に情に揺れ、情を大切にする悪魔と
いう主人公キャラが、理解できません。
それは突然変異の悪魔というか、悪魔と呼べない
でしょう。

ということで、全体としては画は綺麗で見やすい
のですが、ストーリーは支離滅裂でダメ出し満載で
混乱状態です。
少年誌だからと言って、場当たり的な展開は最後まで
読む気になれません。
7巻まで頑張りましたが、ここで撤退します。
なお、登場する女性は巨乳美女のみというのも特徴です。

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[投稿:2016-07-27 22:18:38] [修正:2016-07-27 22:18:38] [このレビューのURL]

画も綺麗で、ストーリーも明快で、サクサク入ってきます。
神代の時代から人を喰らって生きる“鬼”族は、時には
権力者の兵ともなり、時には村を守る神となりながら、
供物として“人”の提供を受けてきました。

鬼の血を継ぎながら、人として生きる響子の葛藤が中心に
あります。鬼対人の対決から、鬼を利用する人対人の対決に
すり替わってきた時点で、やや鬼の哀しみに関する焦点が
ぼけてきたのは残念です。
そんなに簡単に人の思惑にはまる鬼って・・、感じですね。

最大の違和感は、タイトルですね。
事件簿というからには、毎号異なった複数の事件が
展開されないとダメですよ。
最初の数話は確かにそうでしたので、そのまま読み切りで
行くのかと思いきや、2巻あたりから展開が連続的になり、
普通にストーリー化しましたから。

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[投稿:2016-07-25 22:41:35] [修正:2016-07-25 22:41:35] [このレビューのURL]

登場する女性は、全て巨乳美女です。
それでも、キャラの違いが際立っており、見分けが
つく描画力は立派なものです。
特にお気に入りは、病弱で吐血と卒倒が日常だけれど
不死身のハイアット譲です。エクセル譲の小市民的な
節約精神や天然ボケぶりも好きです。
これらのお色気たっぷりだけどエッチなシーンは
一切出てきません。巨乳美女たちが、醸し出す
バタバタ劇が独自な世界を提供してくれています。

当初10巻程度は、間違いなくギャグ漫画という
立ち位置でした。ですから読み手も多少の矛盾や
疑問(アクロスという秘密結社の構成員は4名だけ
なのに、イルパラッツォへの異常な忠誠心の根拠、
経緯・・・などなどキリがない)は、ギャグなんだ
からという理由で置き去りにしても平気でした。
しかし、11巻あたりからストーリー臭もさせつつ、
登場人物のインターラクションを絡めてきます。
極めつきはエクセル譲の記憶喪失と偽者を出して
きました。このあたりで、ただのドタバタ劇に成り
下がってしまいました。ここは残念でした。

とはいえ、最初に言いました通り、巨乳美女たちの
作るドタバタはそれはそれで、これまでにない
テイストでしたので、なんだかんだ言いつつ
20巻まで読みました。

ちなみに表題は「エクセル・サーガ」ではなく、
「エクセル(ハート文字)サーガ」が正しいらしいです。

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[投稿:2016-07-24 22:35:03] [修正:2016-07-24 22:37:00] [このレビューのURL]

下宿先の黒髭荘の住人は、葛木信二郎を除いて
全員が妖怪でありまして、彼らとの共同生活の中で
くりなす日常生活のお話です。
特段に大きな事件が起きるわけでもなく、
管理人さんの尋さんとの淡い恋愛事情が話の中心に
なってきます。
なので一層日常話の色合いが濃くなってきました。

大正ロマンの世界を背景にしたおどろおどしい
奇怪さを利用していること、一方で妖怪といえども
人間に恋心を抱いたり、感情的には人間と変わらず
変身能力を持っているだけというような
可愛らしい設定になっており、やや少女漫画的な
優しさが全体の雰囲気として出ています。

折角の設定でしたが、もう少し刺激的な日常を
展開できる可能性もあっただけに惜しまれます。

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[投稿:2016-07-19 05:48:41] [修正:2016-07-19 05:48:41] [このレビューのURL]

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