「朔太」さんのページ

総レビュー数: 747レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

余命僅かの少女の物語という少年誌に珍しいファンタジーでした。

小山ゆう氏のギャグは、少し寒いところがあって、
読むのが気恥ずかしい一面があります。
しかし、「あずみ」、「俺は直角」、「がんばれ元気」などの
作品でも気恥ずかしさを通り越すと、いずれも機微に触れた
感動を味わうことができます。
この作品はまさにそんな代表作品でしたね。

余談ですが調べてみると、この作品を少年マガジン誌に
連載しながら、ライバルの少年サンデーでは
「スプリンター」を連載していたのですから、
油が乗り切った当時の売れっ子作家だったようです。

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[投稿:2022-12-26 08:38:45] [修正:2022-12-26 08:38:45] [このレビューのURL]

7点 BTOOOM!

[ネタバレあり]

孤島の中で生き残りをかけた殺し合いドラマです。
「バトルロワイヤル」に似て緊迫の展開がよろしい。
しかし、「バト・・」ほど恐怖感や絶望感がそれほど
感じないのは、ゲーム感覚のせいでしょうね。

レーダーがあれば敵の位置は事前に察知できるし、
殺人ツールは爆弾だけなので、ある程度逃げ回ることも
可能で、闇から迫る不意打ちの攻撃が少ないからでしょう。
また、管理側とのコンタクトもあるので、絶望とは
少し距離があった感じが残念でした。

絵も綺麗で、小畑健氏のような画風が見やすかったです。
一気に読めてしまう面白さはありましたが、終始戦いの
連続で少し飽きがきました。
また最後に近づくにつれてグダグダ感もハンパなく
失速感が半端ないので、読むのを止めようかと
思うのが20巻辺り。
しかし、頑張って最後まで読むと、突然視界が広がります。
2つの結末が用意されたのには驚きました。

前半と最終巻に見るべきものがある作品でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-11-15 00:02:47] [修正:2022-11-15 00:02:47] [このレビューのURL]

グルメ漫画の中でも、極めて上品な香りがする食べ物が出てきます。
人様のお家に返礼品あるいは贈答品を”おもたせ”するので、
がっかりさせてはいけません。
うめさんの食べ物と文学に対する薀蓄も上品で上質なものなので、
作品自体は堅苦しくないのですが、
清潔で日本文化の香すら漂ってくる感があります。

出てくるおもたせはどれも美味しそうで、一度は食してみたいと
思ってしまいます。
残念ながら東京近辺のお店しか登場しませんので、
地方在住者には残念でしたが。
良い宣伝になってるだろうなと思いました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-09-21 17:46:52] [修正:2022-09-21 17:46:52] [このレビューのURL]

いや、驚きました。
妖怪を使って、こんな風に面白おかしくコメディが作れるなんて。
絵が可愛いらしく、妖怪が愛らしく見えてしまします。
しかし、妖怪本来の恐ろしさや祟りなどのエッセンスを失わず、
人間との共存を常に志向しています。

妖怪園が本当にあればいいのに、と思えるほど、毎回楽しませて
もらいました。
隠れた秀作でしょう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-08-14 09:43:31] [修正:2022-08-14 09:43:31] [このレビューのURL]

土山しげる氏は2000年前後あたりからB級グルメ漫画を得意とされ、多数の作品を発表されました。
しかし、それ以前は極道もので一世を風靡されています。

本作品は1985年連載開始で全147話21巻の長編です。
こてこての昭和やくざのノリが半分ですが、高学歴で富裕層出身の主人公の頭脳と胆力で、極道としてのピンチをいくつも乗り越えていく展開がワクワクします。
なんとなく、どこかで見たようなお話が続きますが、年代から考えると、全ての極道話の原点は、「サンクチュアリ」などの池上遼一氏と並んで、土山氏の作品が出発点だったかもしれません。
土山氏の代表作品であろう本作品は、どなたのレビューもありませんでしたが、これも昭和漫画史の一ページを飾るべき作品と思います。

当初は過剰なこてこてぶりが鼻につきますが、主人公が挫折と成功を繰り返す様は、なかなか目を離せなくなってしまいます。
ただし、山あり谷ありで結局は、全国レベルでの頂点に上り詰めるかと思いきや、そういう結末ではありませんでした。
最後になって振り返ってみますと、子分を多数失ったり、本家を追放されて北陸と東海地方を彷徨ったりと挫折が多かった印象です。
志は高かったのですが、目指す高見には道半ばのまま、最終話となりました。
それはそれで楽しめましたが。

話は変わりますが、気がつけば、最近は極道ものの映画や漫画はいつの間にか衰退し、あっても極道の悲哀をにじませたものやギャグにしたりしたものですね。
時代の変化を感じます。

因みにタイトルのステーキの意味は、英字から見ても肉のステーキを指しているらしいのですが、どこを調べても、何故このタイトルなのか分かりませんでした。
私の推測では、当時から極道の頂点は神戸でしたから、神戸ステーキにひっかけて頂点を目指すという意味かと考えました。
いずれにしても、不思議な表現で似つかわしくない残念なタイトルですね。

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[投稿:2022-07-30 05:21:47] [修正:2022-07-30 05:21:47] [このレビューのURL]

シュールというかフェチというか、絶対に人によって
好みが分かれる。
安田弘之氏の他の作品でも所々に遭った独特のギャグの
エッセンスが凝縮している。
女子高生というより、女性全体の素をよく観察している。
いや、そんなはずはない。
この作品に出てくる生態を他人に暴露する女性はいないからな。
でも、いわゆるあるある事典的な生態を笑うのではなく、
愛してやまない人なんだな。

3巻全部を一挙に1時間かけないで読んでしまった。
スルスルと読めるのもありがたいけど、描いた方の苦労は
大変だったろうに。
漫画らしい漫画というか、これは漫画以外の手段では
この世界の面白さ、人間賛美は表現できない。
その点で、とても記憶に残る作品だ。

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[投稿:2022-06-30 07:00:11] [修正:2022-06-30 07:00:11] [このレビューのURL]

7点 POP LIFE

猫の看取りの回、それから未来永劫続くかのような
同居生活が突然解消されて、ドイツに単身移住する
最終回など、とても印象的でした。
南Q太さんのプロフィールを知ると、作品中のできごとが
自身の生活と重ねてあることが分かります。
人生にいろいろあっても、前向きに過ごされている
感じが伝わってきます。
女性ながら男前な生き方だな、と気に入っています。

また、心のつかみ方が柔らかく温かいしっかりした
感じが好きです。
小さな失望や失敗や挫折の積み重ねで人間関係に
疲れてても、読めばきっと元気になれること、請け合いです。

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[投稿:2022-06-18 09:26:08] [修正:2022-06-18 09:26:08] [このレビューのURL]

大喰いプロファイターを主人公にしたお話。
今でこそ大喰いコンテストも毎週のように常設されてきており、
市民権を得た感がある。

この作品では、大喰い分野をプロスポーツ化を考える二団体が出てくるが、
大喰いもスポーツであると主張している。
健康を害する恐れがある大喰いをスポーツと認めないという主張には、
怪我などのリスクのないスポーツがあるのかと反論している。

なるほど、自身の体だけを使って、ルール内の制限内で他者と
競い合うのだから、スポーツとして承認できるかもしれぬと、感心した次第。

絵も見やすく、バトル全開のストーリー展開は、読みやすかった。
土山先生に合掌。

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[投稿:2022-05-18 09:26:58] [修正:2022-05-18 09:26:58] [このレビューのURL]

上橋菜穂子さんのファンタジーの世界観が心地いいですね。
この原作の良さを殺すどころか、さらに視覚的にさらに
良質な作品に仕上げているのが、武本氏の描画です。
エリンの純朴さがとても可愛らしく、恐ろしいはずの
王獣すら愛おしくなる絵の上手さです。
エリンやソヨンの深い悲しみのシーンは、これ以上ない程、
感情移入してしまいます。

なかなかの良作でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-04-29 11:31:31] [修正:2022-04-29 11:31:31] [このレビューのURL]

7点 男麺

土山氏は晩年、B級グルメ漫画の集大成のような作品を
いくつか出されています。
この作品もその中の一つで、麺類が作る小さなストーリーの
6話仕立てです。
そば、うどん、盛岡冷麺と沖縄そば、名古屋麺、ラーメン、
やきそばとそれぞれへの小さな思いを綴られています。
特に大層な能書きを垂れてアピールするラーメンに
対しては、若い女性の口を通して、馬鹿馬鹿しさを
笑い飛ばさせています。

何だか、土山氏の麺類に対する愛情が感じられる良作でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-01-04 09:16:05] [修正:2022-01-04 09:16:05] [このレビューのURL]

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