「朔太」さんのページ
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- 病弱だった少年時代から、読みたくて読みたくて仕方のない漫画が周囲に沢山ありました。他にすることもない寝床で読む漫画は、1ページ1ページが宝物のようで、丹念に時間をかけて食べるように吸収されていきました。漫画のある国に生まれて良かった、と思えるくらいの喜びでした。以来、数十年、私の周りには多数の未読の漫画本が常備されています。漫画がサブカルチャーと位置付けられて久しいですが、今や映画もドラマも漫画が原作でないものが珍しくなってきました。文化としての名作漫画を探しつつ、私個人の探訪歴(読書歴)として、このサイトを利用させてもらっています。

7点 ヒメアノ〜ル
古谷実氏の1993年「稲中卓球部」で、独特のギャグに魅せられて後、
「僕といっしょ」では新風溢れる新しいギャグ漫画が生まれたものと感じました。
人生の底辺にある主人公がくりなすペーソス豊かなギャグ漫画。
しかし、以降、「グリーンヒル」、「ヒミズ」、「シガテラ」、「わにとかげぎす」と、
何も持たない20代の若者を主人公とし、将来に希望が持てない閉塞感と
焦燥を背景に、狂気や宗教、混乱、場合によれば殺人へと発展する展開は
常に共通しています。
ギャグマンガからシリアス路線に転換しつつ、話の展開はほとんど同じ
という類似作品が続きました。
それなりに楽しめるのですが、さすがに同じような話が続くので、
ここでのレビュー評価も、「稲中卓球部」以来
7.53→7.16→6.12→6.8→6.69→6.5→6.57と右肩下がりで低下していきます。
しかし、社会的な問題提議とインパクトがありますので、20年もの間、
それなりに一定の支持が得られたものと思われます。
要するに、本作品も同じ路線の同じ展開ですが、一定のファンに
支えられた感が致します。
私も、その中の一人だったということです。
本作品に限った特徴を言えば、これまでになく絶望の境地にあった
青年が冒頭から登場します。
この青年の精神状態と行動を主軸にしながらも、高校の同級生たち
との絡みで別のドラマを二つ三つ並行させます。
とはいえ、そのドラマはこれまで通りのものを踏襲していますが。
結局、最初から最後まで、狂気をはらんだ青年の異常性を示しながら、
「君にも彼の狂気は理解できるでしょ?ひょっとしたら、君が
彼なのかもね」と問いかけているかのようです。
古谷氏のこの大いなるマンネリパターンは、二つの類型があります。
一つは、常に誰かを守るためだけに生きることを渇望しつつ、
それすら叶わない不幸です。
何も持たない人間に魅力を感じてくれる異性など、本当は世の中には皆無です。
しかし、古谷氏は、この種の不幸には必ず、変人の美女を登場させて
ハッピーエンドを迎えさせます。
そんな現実はほとんどないのにも関わらず。
二つ目は、本作品の主軸でもある生きることに意味を持たない不幸です。
このタイプには、古谷氏は救いを与えません。
与えないというより解決策が見当たらないということでしょうか。
古谷氏のライフワークともいえる同一のテーマに沿った作品群を飽きずに
追いかけた私も、同じような理不尽さや苦しさを全ての人間は実は
感じ取っていて、こうなりたくないと思いつつ生きているのだと考えるのです。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2021-10-30 18:08:43] [修正:2021-10-30 18:11:29] [このレビューのURL]
7点 ガンバ!Fly high
体操競技をスポーツ少年漫画にするのは難しかったと
思いますが、なかなかの出来でした。
長期連載になったのも頷けます。
通常のスポーツ漫画との決定的な差は、主人公藤巻駿と
平成学園の仲間たちには、ライバルたちに絶対勝ちたい
という闘争心がほとんどないところです。
原作者の森末氏のポリシーのせいなのか、体操競技と
いうものがそうなのか、ライバルたちに勝つことよりも、
体操の技を極めたいという気持ちが全面に出てきます。
それは、全巻でスローガンになっていますが、
「楽しい体操」という言葉で表現されます。
やや、陳腐なコピーですが、何度も繰り返し使われ
ますので、強い信念のように伝わってきました。
オリンピックが目標ですから、そこに繋がるプロセスが
面白いところです。
しかし、インターハイを捨てて、アジア大会選考大会に
高校全体で出場を決めるなどというのは、納得性が
低く分かりにくかったですね。
全体に技の習得に必要な努力の表現が少なく、体操を
始めて1年未満の運動オンチの中学一年生が、大車輪を
簡単にできるようになっているのも納得性がゼロでした。
誰もかれもがオリンピック代表選考会に出られるまでに
成長するのは、あり得ないでしょう。
また、恋愛模様や友情や嫉妬もドラマとして絡められる
のですが、全体的に幼稚で要らないかなと思う要素が
多いのが、少し難でした。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2021-10-14 08:42:33] [修正:2021-10-14 08:42:33] [このレビューのURL]
7点 異世界居酒屋「のぶ」
原作があって、キャラクター原案がある。
企画段階でしっかりとした戦略が感じられます。
流行りの異世界とグルメを合体させて、丁寧なキャラ
デザインを盛り込んだら、一体どんな漫画ができる
だろうか、なんて打ち合わせをした様子を想像してしまいます。
ストーリー自体は全く何ていうこともなく、何も起こりません。
一本、筋を通しているのは、日本人なら誰でも一度は
美味しいと堪能した料理で、その感動を毎回再現
しているんですね。
その感動を異世界の異人、まあ言わば海外からの
渡航人ですよね。
彼らに語らせるわけです。
異人が本当にそこまで感動しちゃうかね、とも思いますが。
でも、しっかり異世界に入り込んでしましました。
いや、本当に丁寧で面白い作品でした。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2021-10-01 00:49:56] [修正:2021-10-01 00:49:56] [このレビューのURL]
壮大な歴史物語にゴーストを絡めた読み応えのある大作です。
クリミア戦争におけるナイチンゲールの活躍は
レジェンドになっています。
地上の天使の活躍を押し付けがましくなく、人間臭さを
出しながら、表現されています。
また、表題通りゴーストとレディの通い合う心の姿は、
舞台劇を見るように迫力があり、説得力のある美しい
物語に仕上がっています。
軍事・風俗に関する考証も十分に準備が行き届き、
大仕掛けの風格ある作品です。
藤田氏の作品の中でも、最上の出来栄えと思います。
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[投稿:2021-08-17 07:08:02] [修正:2021-08-17 07:08:02] [このレビューのURL]
7点 ソウルリヴァイヴァ―
いわゆる地獄を108階の階層を持つ死界とし、1回死ねば
階層を一つ降り、それを繰り返すことで最後には無に
帰する、という設定が、コアなアイデアです。
死界と現界を行き来できる能力者たちの戦争、バトルが
中心となるストーリーです。
なかなか面白い設定ですので、どんどん興味が深くなり、
読み進めることができます。
主人公たちのキャラやサブキャラも良く、敵味方、
双方のラスボスもなかなか迫力があります。
ただ、設定がすばらしいだけに、これを活かした
ドラマが生まれることを期待しましたが、
それほどの展開はなかったのが残念でした。
なぜ、死界に来たか、なぜ番人になったかといった
エピソードが随時挿入されるのですが、特段に
面白いものはなく、要らなかったかなと思います。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2021-08-11 09:07:53] [修正:2021-08-11 09:07:53] [このレビューのURL]
7点 MASTERキートン
考古学者としてのキートン以上に、保険調査員としての
キートンがドラマ性があります。さらに元SASの軍隊経験
があり、闘争スキルが抜群な三面性が、最大の魅力ですね。
一回一回のストーリーの品質は高く、名作と呼ばれても
不思議はありません。
しかし、西洋史、特に英国史のうんちくが心地良いと
感じるか、どうかで評価が分かれそうです。
確かに、相当専門的な知識に裏付けられている背景が、
事件に上手く絡んできます。
しかし、人によっては読み飛ばしている可能性もありそうです。
浦沢直樹氏の代表的傑作の一つですね。
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[投稿:2021-07-05 07:59:51] [修正:2021-07-05 07:59:51] [このレビューのURL]
7点 ストッパー毒島
プロ野球大好きの私にとって、全ての実在選手にあるあると
ハロルド作石氏の高いレベルのプロ野球への愛を感じます。
独特のユーモアセンスが私には心地よく、名作ゴリラーマン
に通じるエンターテイメントです。
ただし、12巻を通した苦言を呈しますと、高校生で実績の
なかった毒島がドラフト8位で入団以降のゆっくりとした
サクセスストーリーを期待しましたが、すぐにストッパーの
座を1年目で獲得したかと思うと、早過ぎる展開と思い
直したか、それ以降長く低迷してしまいます。
また、必殺の決め球を引っ提げて復活するも、いつのま
にかヘタレてました。
このようにメインシナリオが迷走しているのが、
長期連載できなかった主因と考えています。
終盤には、ミラクルアスレチックスのチームとしての
活躍を主軸に一気に物語が盛り上がってゴールという
展開に異論はありませんが、ちょっとプロ野球を舞台に
した話として違和感を感じます。
毒島はもちろん、本上も清水も佐世保も加瀬も、必死
過ぎるのですね。
高校野球なら理解できるのですが、選手寿命を終える
リスクを賭けてプレーするスタイルは、プロとは言えず
設定場面が違っています。
ハロルド作石氏の作品は、これ以降ややシリアス路線に
踏み出していますが、残念ながら本作とゴリラーマンの
独特の味わいが継続されず、失敗している感があります。
再度、元のセンスを復活してもらって、
楽しませてもらいたいものです。
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[投稿:2021-06-26 09:07:38] [修正:2021-06-26 09:13:13] [このレビューのURL]
7点 鋼の錬金術師
主人公たちが過去に禁忌を犯し、体を失うという
トラウマを初回から見せておいて、元の体に戻す旅、
という設定が素晴らしい。
目的が不明の敵が複層して登場してくるので、
謎が展開を引っ張ります。
描画も少年漫画としては上級です。
戦闘シーンも上手く、女性作家特有の短所も見当たりません。
一時、ブームを呼んだのも頷けます。
ただし、10巻辺りでは、謎の引っ張り方が長く、
登場人物も増え過ぎて、話が複雑になってしまった感が
あります。
伏線の回収がやや雑になってきて、飽きが出てきました。
私だけかもしれませんが、最後まで読む気力が失せてしまいました。
最初の5,6巻までは9点。その後マイナス3点という印象です。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2021-06-20 09:04:30] [修正:2021-06-20 09:04:30] [このレビューのURL]
女性の可愛らしさをこんな形で表現するとは、
想像できませんでした。
しかも、その世界がとても温かいぬくもりを
感じるのですから、とても意外でした。
なかなかの面白さです。
ちょっと気がかりなのは、古見さんが美少女という
前提だから成り立つ世界であり、美が少ない女子
だったら、全然異なる展開になるわけですね。
ちょっと残酷な現実を、裏側に感じてしまいます。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2021-06-06 08:35:54] [修正:2021-06-06 08:35:54] [このレビューのURL]
ゴルフというスポーツは、技量は同じでも戦略性の
違いでスコアは倍半分に変わってくるものです。
副題の通り、草太のスタンスが漫画の主題です。
徹底して強気一辺倒で、全ホールをバーディを狙うと
いうスタンスです。
窮地に陥れば陥るほど、さらにリスクを負っても
起死回生のプレーを狙いますから、常に予選落ちの
憂き目に遭います。
なるほど、清々しいほどの一本気でパワープレイを
押し通すスタンスは、共感するところもありますが、
知能は小学校5年生並と揶揄される草太のスタンスを
なかなか支持できるものではありません。
ということで、爽快さを狙ったはずの豪気なスタンス
も、周囲の仲間だけでなく読者にもストレスを与える
結果になっているようで、あまりスポーツ漫画として
楽しめませんでしたね。
一方で、なかいま氏の独特のギャグというか笑いの
センスは相変わらず健在で愉快です。
せこい不正も必ず入れてきます。
さらに、欠点だらけの人間が集まっても結束すれば
力を発揮するなど痛快な面白さが持ち味です。
12年もの連載を継続できた理由でしょう。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2021-04-01 08:49:38] [修正:2021-04-01 08:49:38] [このレビューのURL]
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