「朔太」さんのページ

総レビュー数: 839レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

原作があって、キャラクター原案がある。
企画段階でしっかりとした戦略が感じられます。
流行りの異世界とグルメを合体させて、丁寧なキャラ
デザインを盛り込んだら、一体どんな漫画ができる
だろうか、なんて打ち合わせをした様子を想像してしまいます。

ストーリー自体は全く何ていうこともなく、何も起こりません。
一本、筋を通しているのは、日本人なら誰でも一度は
美味しいと堪能した料理で、その感動を毎回再現
しているんですね。
その感動を異世界の異人、まあ言わば海外からの
渡航人ですよね。
彼らに語らせるわけです。
異人が本当にそこまで感動しちゃうかね、とも思いますが。
でも、しっかり異世界に入り込んでしましました。
いや、本当に丁寧で面白い作品でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-10-01 00:49:56] [修正:2021-10-01 00:49:56] [このレビューのURL]

壮大な歴史物語にゴーストを絡めた読み応えのある大作です。
クリミア戦争におけるナイチンゲールの活躍は
レジェンドになっています。
地上の天使の活躍を押し付けがましくなく、人間臭さを
出しながら、表現されています。
また、表題通りゴーストとレディの通い合う心の姿は、
舞台劇を見るように迫力があり、説得力のある美しい
物語に仕上がっています。

軍事・風俗に関する考証も十分に準備が行き届き、
大仕掛けの風格ある作品です。
藤田氏の作品の中でも、最上の出来栄えと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-08-17 07:08:02] [修正:2021-08-17 07:08:02] [このレビューのURL]

いわゆる地獄を108階の階層を持つ死界とし、1回死ねば
階層を一つ降り、それを繰り返すことで最後には無に
帰する、という設定が、コアなアイデアです。

死界と現界を行き来できる能力者たちの戦争、バトルが
中心となるストーリーです。
なかなか面白い設定ですので、どんどん興味が深くなり、
読み進めることができます。
主人公たちのキャラやサブキャラも良く、敵味方、
双方のラスボスもなかなか迫力があります。

ただ、設定がすばらしいだけに、これを活かした
ドラマが生まれることを期待しましたが、
それほどの展開はなかったのが残念でした。
なぜ、死界に来たか、なぜ番人になったかといった
エピソードが随時挿入されるのですが、特段に
面白いものはなく、要らなかったかなと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-08-11 09:07:53] [修正:2021-08-11 09:07:53] [このレビューのURL]

考古学者としてのキートン以上に、保険調査員としての
キートンがドラマ性があります。さらに元SASの軍隊経験
があり、闘争スキルが抜群な三面性が、最大の魅力ですね。

一回一回のストーリーの品質は高く、名作と呼ばれても
不思議はありません。
しかし、西洋史、特に英国史のうんちくが心地良いと
感じるか、どうかで評価が分かれそうです。
確かに、相当専門的な知識に裏付けられている背景が、
事件に上手く絡んできます。
しかし、人によっては読み飛ばしている可能性もありそうです。

浦沢直樹氏の代表的傑作の一つですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-07-05 07:59:51] [修正:2021-07-05 07:59:51] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

プロ野球大好きの私にとって、全ての実在選手にあるあると
ハロルド作石氏の高いレベルのプロ野球への愛を感じます。
独特のユーモアセンスが私には心地よく、名作ゴリラーマン
に通じるエンターテイメントです。

ただし、12巻を通した苦言を呈しますと、高校生で実績の
なかった毒島がドラフト8位で入団以降のゆっくりとした
サクセスストーリーを期待しましたが、すぐにストッパーの
座を1年目で獲得したかと思うと、早過ぎる展開と思い
直したか、それ以降長く低迷してしまいます。
また、必殺の決め球を引っ提げて復活するも、いつのま
にかヘタレてました。
このようにメインシナリオが迷走しているのが、
長期連載できなかった主因と考えています。

終盤には、ミラクルアスレチックスのチームとしての
活躍を主軸に一気に物語が盛り上がってゴールという
展開に異論はありませんが、ちょっとプロ野球を舞台に
した話として違和感を感じます。
毒島はもちろん、本上も清水も佐世保も加瀬も、必死
過ぎるのですね。
高校野球なら理解できるのですが、選手寿命を終える
リスクを賭けてプレーするスタイルは、プロとは言えず
設定場面が違っています。

ハロルド作石氏の作品は、これ以降ややシリアス路線に
踏み出していますが、残念ながら本作とゴリラーマンの
独特の味わいが継続されず、失敗している感があります。
再度、元のセンスを復活してもらって、
楽しませてもらいたいものです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-06-26 09:07:38] [修正:2021-06-26 09:13:13] [このレビューのURL]

主人公たちが過去に禁忌を犯し、体を失うという
トラウマを初回から見せておいて、元の体に戻す旅、
という設定が素晴らしい。
目的が不明の敵が複層して登場してくるので、
謎が展開を引っ張ります。

描画も少年漫画としては上級です。
戦闘シーンも上手く、女性作家特有の短所も見当たりません。
一時、ブームを呼んだのも頷けます。
ただし、10巻辺りでは、謎の引っ張り方が長く、
登場人物も増え過ぎて、話が複雑になってしまった感が
あります。
伏線の回収がやや雑になってきて、飽きが出てきました。
私だけかもしれませんが、最後まで読む気力が失せてしまいました。

最初の5,6巻までは9点。その後マイナス3点という印象です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-06-20 09:04:30] [修正:2021-06-20 09:04:30] [このレビューのURL]

女性の可愛らしさをこんな形で表現するとは、
想像できませんでした。
しかも、その世界がとても温かいぬくもりを
感じるのですから、とても意外でした。
なかなかの面白さです。

ちょっと気がかりなのは、古見さんが美少女という
前提だから成り立つ世界であり、美が少ない女子
だったら、全然異なる展開になるわけですね。
ちょっと残酷な現実を、裏側に感じてしまいます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-06-06 08:35:54] [修正:2021-06-06 08:35:54] [このレビューのURL]

ゴルフというスポーツは、技量は同じでも戦略性の
違いでスコアは倍半分に変わってくるものです。
副題の通り、草太のスタンスが漫画の主題です。

徹底して強気一辺倒で、全ホールをバーディを狙うと
いうスタンスです。
窮地に陥れば陥るほど、さらにリスクを負っても
起死回生のプレーを狙いますから、常に予選落ちの
憂き目に遭います。
なるほど、清々しいほどの一本気でパワープレイを
押し通すスタンスは、共感するところもありますが、
知能は小学校5年生並と揶揄される草太のスタンスを
なかなか支持できるものではありません。

ということで、爽快さを狙ったはずの豪気なスタンス
も、周囲の仲間だけでなく読者にもストレスを与える
結果になっているようで、あまりスポーツ漫画として
楽しめませんでしたね。

一方で、なかいま氏の独特のギャグというか笑いの
センスは相変わらず健在で愉快です。
せこい不正も必ず入れてきます。
さらに、欠点だらけの人間が集まっても結束すれば
力を発揮するなど痛快な面白さが持ち味です。

12年もの連載を継続できた理由でしょう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-04-01 08:49:38] [修正:2021-04-01 08:49:38] [このレビューのURL]

男子バレーボールをテーマにした漫画は意外と思い出
さないけれど、これは代表されるものになるかもです。

作者の古舘氏は高校時代にバレー経験があることが、
相当下地になっていて説得力があります。
少年誌にありがちな必殺技は、変人速攻くらいのもので、
あとは努力の積み重ねで得られる得意スキルとなっています。

何と言ってもキャラの立ち方が本作品の魅力です。
主人公の日向ですら、完全無欠には程遠い能力も
人格も未発達な脇役の一人に思えるほどです。
しかし、それぞれの脇役の特徴、得意スキルが読者に
しっかり伝わってきており、烏野高校バレー部の
一員のような感情移入ができます。
プレーそのものや勝ち負けへのこだわり以上に、
チームとしての絆や仲間を嬉しく思う部活の魅力が
上手く表現されています。

難点を言えば、最初から長期連載が保証されていたのか
(そんなことあるのか?)、展開の進め方が異常に遅い。
日常の練習風景や部員勧誘など少し興味を失いがちです。
その結果、ライバル高校ならびにそれに伴う登場人物が
多過ぎて、人物のキャラを理解する気がなくなります。
これは作品の強みを自ら消しています。
連載が長く感じる原因にもなりました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-03-23 20:00:14] [修正:2021-03-23 20:00:14] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

従来になかったサッカー漫画です。
主人公を中心にしたチームが試合を重ねながら勝ち
上がり、成長していくパターンが王道スポーツ漫画でした。
ドカベンしかり、スラムダンクしかり、サッカー漫画
ではキャプテン翼もジャイアントキリングもそうですね。

この作品では、てっぺいがファンタジスタと呼ばれる
世界トップのプレーヤーとして成長していく
過程を追っていて、チームの成長ではないです。

日本代表候補合宿1週間が最も見ごたえがあるという
のも異色ですが、高校サッカー1年生の都予選で全国
大会出場を決めた時点で、チームを離脱しイタリアに
向かうという展開も驚かされます。

ファンタジスタという称号は、やはり世界レベルの
プレーヤーに与えられるものなのでしょう。
ただし、イタリアでのプリマヴェーラ(二軍)での
生活や試合、練習にさほど期待したほどの驚きはなく、
むしろ人間関係や意思疎通のない監督との確執などが
焦点になってしまって、陳腐な展開になったのは残念でした。

とはいえ、意志あるパス、スペースの作り方などの
個人技と絡めてはじめて、戦術が生まれるという
ことがよく理解できます。
草場氏のサッカーに対する知識の高さを伺うことが
できますね。
素人の私たちは、チームの戦術だとか戦略だとか
日本サッカーを批判しますが、個人プレーヤーの個性や
個人技の高さがあって、戦術が成立するのですね。

ファンタジスタが日本に早く現れることを期待した作品かもです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-03-12 05:39:37] [修正:2021-03-12 05:39:37] [このレビューのURL]

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